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園芸を趣味にしている人の実態
園芸、庭いじり、ガーデニングなどの趣味を持っている人はどのくらいいるでしょうか。総務省統計局の平成28年社会生活基本調査によると、10歳以上の推定人口1億1330万人に対して園芸などの趣味を持っている人は25.7%、約2900万人にいます。
男性が20%、女性が31.2%で、年齢的には50歳を超えると30%以上の人が、60歳を超えると40%以上の人が園芸の趣味をもっています。この趣味に費やす年間の日数は平均57.5日で、趣味としては時間をかけるものになっています。
2900万人の人が一人1kgの土を捨てると、その量は2万9000トンという大変な量になってしまいます。これを処分するのは大変なことです。
園芸土を処分する一般的な方法
■自治体の収集・回収・処分:土を処分してくれる自治体は非常に少ないのが実情です。
■庭にまいて処分:都会では広い庭を持つ人は限られます。
■公園などに捨てて処分:許可をとっておかないと不法投棄になります。
■ホームセンターなどの回収処分を利用:回収処分はしないホームセンターもあります。
■土を処分する専門業者に依頼:小石や花木などを分別しておかないと高くなります。
その他、古い土を再生して再利用する方法や、園芸土によっては可燃ごみとして捨てられる土もでてきています。いずれにしろ、広い庭などがないと土の処分は悩ましく面倒な作業になります。
植木鉢などの土の処分方法
特に新たな花木を育てる時には、古い土はそのまま使うようなことはせず、処分するようにしましょう。古い土は、前の植物の根が生のまま残っていたりすると、それが腐敗して次の植物に悪い影響を与えることがあります。また、養分もほとんど失われていますので肥料や、土壌改良剤、石灰、腐葉土などを足して土の状態を整える必要もあります。
一度植物を育てた植木鉢やプランターなどの土は状態の悪いことが多いので、できるなら植え替えのたびに新しい培養土などを使うことをします。
植木鉢の場合
4号の植木鉢に入る土の容量は約0.6リッター、6号になると2.2リッターになります。植え替えなどでは、この量の土が不要物になります。土の状態にもよりますが、処分方法にあわせて異物の取り除きや、再利用する時は消毒・殺菌などの処置を行なう必要があります。
植木鉢そのものは、プラスチックであれば可燃物、陶器などなら不燃物として自治体のごみ処理に出すことができます。
プランターの場合
プランターはほとんどの場合、プラスチックなので燃えるごみとして処分できますが、大きいので自治体によっては30cm程度に切断する必要がでてくるでしょう。
花や木などの処分方法
家庭ごみは自体指定のごみ袋に入れるのが基本なので、長いものは30cm以下くらいに切断して出しましょう。また、ベランダやテラスなどで使うウッドタイルや人工芝なども可燃ごみになりますので、不要なものがあれば一緒に処分するのが良いでしょう。
大量にある場合は、粗大ごみとしてまとめて自治体に処分を依頼しましょう。庭の木の剪定などを造園会社に頼んだ場合は、切り落とした枝や葉などは造園会社で持ち帰ってくれます。
なぜ土を収集・回収する自治体が少ないのか
一番の理由は、土や石が混ざっていると破砕施設で粉砕する過程で機械が故障する原因になるからです。自治体側も、土は絶対にダメという断固拒否の姿勢ではなく、鉢植えから出るような少量の土であれば黙認して受け入れているところが多いのが実態でしょう。
土の処分については自治体に相談すると、認めていない自治体でも少量なら仕方ないと消極的に受け入れる自治体や、処分専門業者を紹介してくれるところなどがあります。
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自治体で土を処分してもらう
土をごみとして処分してくれる自治体もありますので、まず住んでいる自治体のごみ収集システムを調べてみるのが良いでしょう。
土を収集・回収する自治体
横浜市
東京都品川区
東京都台東区
東京都武蔵野市
公園や河川敷などに捨てる時は許可を
自治体によっては土を公園に捨てても良いところもありますので、役所に相談するのが良いでしょう。いずれにしろ、土を捨てたい時には必ず公園の管理事務所などに相談して、許可を得てからにしましょう。
また、園芸に使った土は養分もほとんど失われていて、場合によっては病気をもっていたり、繁殖力の強い根や種子が残っていることもあります。異物を除いて直射日光などで消毒してから土を捨てるようにしましょう。公園で繁殖したり、他の植物にダメージを与えないようにするためです。
ホームセンターでの土の処分方法
近くのホームセンターで回収を行なっていない時は、園芸店にも相談してみましょう。大きな園芸店では回収してくれる可能性があります。
島忠
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このサービスは、購入した商品と同等・同数の不用品の引取りを無料で行なうものなので、園芸用の土を購入しないと引取ってもらえません。また、園芸品売場がない島忠では、土の引取りサービスはないので注意してください。
ユニディ
申し込みなどは不要で自由に捨てられるのですが、ルールとしてはユニディで何かを購入した人が条件になるので、利用する時は園芸用品に限らず何かを購入してからにしましょう。
コーナンやロイヤルなど
土を処分する専門業者
回収にきてくれる業者や、業者に持ち込む方法、宅配便で処分業者に送る方法などがあります。
専門業者に持ち込む
持ち込みの場合は、回収に来てもらうよりは処分費用の単価は安くなります。量が多い場合は軽トラックなどで運搬することになりますが、350kg積の軽トラで2000円前後の処分費用になるでしょう。
専門業者に回収してもらう
東京都の多くの自治体が紹介している専門業者のウィステリアガーデンでは、土の種別ごとに次のような単価を設定しています。
園芸用の土(根や茎などが混ざっていない場合)→40円/kg
園芸用の土(根や茎などが混ざっている場合)→80円/kg
砂・砂利(直径が概ね1cmを超えないもの)→50円/kg
植木鉢・プランターごと→100円/kg
他に基本料金として出張費が500円から2000円かかります。専門業者なので、安心してまかせられます。
宅配便で専門業者に送る
少し割高になりますが、土に葉や幹、底石が混ざっていても問題ありません。ただし、植木鉢やプランターは対象外です。土の量がそれほど大量でない時には、このようなサービスを利用するのも良いでしょう。
地域別の土の処分
札幌市
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枝や葉、草は無料で、5月から12月中旬、つまり雪がない時期に月に1回収集します。長さを50cm以下にして、透明または半透明の袋に入れて、ごみステーションに出すようになっています。
福岡市
福岡市のごみ収集で特徴的なことは、収集を夜中に行なうということです。ごみ出しは日没で暗くなってから夜12時までに行なうことになっています。収集する人は夜中で大変でしょうが、カラスの害もなくなるし、なによりごみの出し忘れがなくなるので、住民には良いシステムではないでしょうか。
名古屋市
名古屋市への聞き取りで、片手にもてるくらいの量を袋に入れて可燃ごみのなかに混ぜて入れてください、という回答があったという話があります。少しずつ少しずつ気長に処理しましょう。
枚方市
枚方市は培養土でも有名な面があって、3万円以上のふるさと納税返礼品に「培養土3種」というのがあります。
●「バラ専用」培養土
●草花果樹などオールマイティな「オリジナル」培養土
●野菜栽培に、有機JAS規格に準拠した安全な「オーガニック」培養土
の3種です。土の処分のことも研究して、何とかして欲しいところです。
静岡市
東京都
古い園芸土の再利用方法
■不要なものを取り除き、消毒する
ビニールシートや新聞紙などの上に古い土を広げて乾燥させ、ゴミや枯葉、虫などを取り除きます。ある程度手で除いた後、フルイを使って細かなゴミなどを除くのが良いでしょう。よく日光が当たるように土を薄く広げ、夏場なら2日間、冬場なら4~5日間日光で消毒します。市販の殺虫剤や消毒剤を使っても良いでしょう。
■腐葉土などを混ぜて養分を補給する
古い土をパワーアップさせるために、一般的には腐葉土や堆肥、新しい培養土を3~5割程度混ぜます。土壌改良材や緩効性肥料などを混合したリサイクル材と呼ばれるものを加えるのも良いでしょう。
可燃ごみとして処分できる園芸土
捨てる時は乾燥させてから可燃ごみに入れて出すのですが、収集する作業員の方などが土と思われて受け入れを拒否されないように、パッケージなども一緒に入れておくと良いでしょう。
土の処分方法などの実態
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処分に困っているという人は、庭がある人で約36%、庭がない人は約70%になっています。庭のあるなしで大きな差がでています。
どのように処分しているかについては
再利用しているが63人
庭に埋めているが56人
可燃ごみに出すが32人
不燃ごみに出すが27人
公園などに埋めるが12人
になっています。
望ましい処分方法については、自治体で収集が65人で圧倒的に多くなっています。やはり、自治体の土の収集についての考え方を、あらためて検討してほしいところです。