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ダッシュとは
ダッシュとは、文章を際立たせたり劇的な効果を作るために用いる記号です。
本記事ではダッシュ記号を使いこなす方法、文章作成に便利なダッシュ記号の使い方5選について紹介していきます。ダッシュの使い方が気になっている方は参考にしてみてください。
三点リーダーとの相違点
ダッシュと三点リーダーの相違点は、ダッシュは文章を区切る作用があることです。ダッシュを文章に取り入れることによって、テンポの良い文章を作り出すことができます。
ダッシュ記号の使用シーン
ダッシュ記号の使用例として、小説と英語で紹介していきます。
ダッシュ記号の使用シーン:小説
・例1
――困ったことになった。
僕はため息をつくと妹の後を追った。
・例2
彼女はどうして僕にそんなことを――
僕は彼女と最後に会った日のことを思い起こした。
文章の中にダッシュ記号を使うと、話者が何かを考えている印象を与えることができます。
ダッシュ記号の使用シーン:英語
・例1
Independence Hall—built in 1749—is listed as national cultural heritage.(1749年に建てられた独立記念館は、国の文化遺産に指定されています。)
・例2
The moon is shining—Welcome to the land of dreams.(月が輝いている――夢の国へようこそ。)
英文でも、このようにダッシュ記号を使うことで、時の流れを表現したり、文章の繋がりと余韻を持たせたりすることができます。
ダッシュ記号の使い方5選
ダッシュ記号には、気持ちなどを文中に記載したいとき・説明を挟みたいとき・文章を切りたいとき・引用をしたいとき・文中に間を設けたいときなどに使われる記号です。
ダッシュ記号の使い方①気持ちなどを文中に記載したいとき
ダッシュは文章内で、気持ちを表現するために使うこともできます。小説などで特にその気持ちを前面に伝えたいときに使用すると効果的です。ダッシュを使用するときは、角括弧を使う時と同じような方法でコメントを加えるときに使います。
気持ちなどを文中に記載したいときは以下のような使い方があります。
使用例
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「ありがとう。」
Aは緑色の小瓶をBにそっと手渡した。Bは静かに礼を言った。小瓶は、彼の手の中で音を立て綺麗に収まった。
――猛毒だ!僕は緑色の小瓶が何なのかは分からなかったが気づいた。AはBを殺す気なのだ。
このように、主人公の緊迫した感情を表現したいときなどにダッシュを使用すると、文章の中でその一文を際立たせることができます。
ダッシュ記号の使い方②説明を挟みたいとき
2つ目の節が1つ目の節を説明するときや、言葉の意味を補足するなど、いろいろ応用が効きます。ライトノベルではよく使われている使い方です。英文でもセミコロンの使い方と似た使い方として用いられることが多いです。
では、使用例を見てみましょう。説明を挟みたいときにダッシュ記号を使う場合は、以下のような使い方があります。
使用例
僕は――別に僕で無くてもいいと思うのだが――世界でただ一人の選ばれた存在だ。
・例2
犬が通り過ぎた――犬は毛並みが良く首輪もしている。おそらく裕福な家で飼われていただろう。――突然犬は私を見て足を止めた。私のことを主人と勘違いしたのだろうか。
このように文章の間にダッシュ記号を挟むことで、伝えたい言葉の意味を崩すことなく文章の配列にアレンジを加えることができます。
ダッシュ記号の使い方③文章を切りたいとき
誰かが別の台詞を言ったり、登場人物が新たに何か行動を起こしたりするときにダッシュ記号を文中に使います。シーンの切り替わりで余韻を持たせたりするときにも効果的な表現になるでしょう。
文章を切りたい時に使うダッシュもライトノベルなどでよく見る使い方です。では、使用例を見てみましょう。文章を切りたいときに使うダッシュ記号は、以下のような使い方があります。
使用例
彼の悲しそうな顔を見たとき、僕は二度とこの世界には戻れないと確信したのだった――。
・例2
「その指輪は!貴様まさか――」
彼はあまりの驚きに声を失った。
このように文章を句点で終わらせるのではなく、ダッシュ記号で終わらせることができます。
ダッシュ記号の使い方④引用をしたいとき
誰かの名言などを引用する際に、ダッシュ記号を使います。 実在する人物の名言について使うこともあれば、ライトノベルなどで架空の人物が言い残した内容を引用するときに用いることもあります。
それでは使用例をみていきましょう。
使用例
最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ。
――スティーブ・ジョブズ(米国の実業家、アップル創業者)
・例2
どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである。
――松下幸之助(パナソニック創業者)
このようにダッシュ記号を使用することで、引用したことなどをわかりやすく表現することができます。
ダッシュ記号の使い方⑤文中に間を設けたいとき
三点リーダーも、間を設けたいときに使用しますが、三点リーダーを使った場合はダッシュ記号を用いた時よりも時間の経過が緩やかに感じるでしょう。
それでは、文中に間を設けたいときに使うダッシュの使用例をみていきましょう。
使用例
「――そういうことだったのか。」
2人の会話の様子を見て、僕は状況を理解した。2人が恋人同士であったことが今となって明らかになった。
・例2
「別に問題はありませんが、なぜ僕に――」
そこまで言って、彼は言葉をとめた。叔父の意図を察したからだ。
「…そういうことだったのか。」「別に問題はありませんが、なぜ僕に…」と三点リーダーを使用する場合とダッシュ記号の場合ではスピード感に違いが出ると言われています。
英文で使用する際のダッシュ記号
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enダッシュは長さや繋がりを示す記号に使います。例えば、「1990年から2004年まで」と言うときには「1990–2004」と書きます。
emダッシュは、文を読みやすくしたり強調するために使います。例えば、His favorite dish is—curry.(彼のお気に入りの料理はカレーです。)と書きます。
注意:ダッシュ記号は正式な文書では使用できない
正式な書類ではダッシュではなく、コンマ・コロン・セミコロン・角括弧など、使うシーンに合わせて代用できる記号を使うようにしましょう。
ダッシュ記号の使い方を理解して自在に扱ってみよう!
ダッシュ記号を使うことで表現の幅も増え、読者にも情景が伝わりやすくなったり、テンポの良い文章を作ることは可能です。
本記事を参考に、より良い文章作成に取り組みましょう。