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「おおきに」の意味|方言や語源・「おおきに」の真逆使い方2例

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「おおきに」って?

「おおきに」は、京都や大阪ではあちこちで飛び交っている言葉です。また、日本全国、どこにいても、テレビを観れば「おおきに」は頻繁に耳にすることができます。「おおきに」は、それだけポピュラーな言葉ですが、その意味を正確に知っていますか?

「おおきに」の意味

「おおきに」という言葉はよく聞かれますし、実際、京都や大阪以外の人でも会話の中で使ったことがある人もいるでしょう。しかし、きちんと意味を知って使っているかどうかは、怪しいところです。「おおきに」には、実は、ふたつの意味があることをご存知ですか。

意味1:感謝・お礼

「おおきに」は、関西では商売をしている人が口にするイメージがあります。例えば小料理屋などで、会計を済ませたお客さんが店を出る際、店の女将は「おおきに」の言葉とともに、お客さんを送ります。

使われるシチュエーションを思い浮かべるとわかりやすいですが、「おおきに」は感謝やお礼を表す際に用いられる言葉です。「ありがとう」の言葉に置き換えられると言うと、理解しやすいでしょう。

意味2:非常に・大いに

「おおきに」は、もともとは「大きに」と漢字を用います。字面からもなんとなく連想できますが、「大変」「非常に」「大いに」の意味があります。

「おおきに」を、これらの意味で使うときは、「おおきにありがとう」などとなります。「おおきに」を「ありがとう」の意味でとらえると、「ありがとう」が重なっているようにも感じられますが、この場合の「おおきに」は、あくまで「非常に」などの意味です。

「おおきに」の語源

「おおきに」の語源は、「大きに有り難し」だとされています。「大きに有り難し」の「有難し」が省略されるようになって「大きに」になり、さらに「おおきに」になったというのが、定説です。

「大きに」は、既述したように「非常に」などの意味を持っています。「有り難し」は「あってはならないほど優れている」が転じて「感謝」を意味する言葉です。つまり、「大きに有り難し」は、「非常に(とっても)ありがとう」と、大きな感謝を表現するときに用いる言葉です。

「おおきに」の方言性

「おおきに」というと、ほとんどの人が関西地方で使われる言葉という認識を持っているのではないでしょうか。確かに、「おおきに」は関西でよく使われます。でも、実は、関西以外でも「おおきに」を使う地方があることをご存知でしょうか。

関西圏

大阪や京都で買い物などをすると、お店の人に「おおきに」とよく言われます。ストレートに「ありがとう」の意味ですが、「おおきに」は、使われるシーンによっては別の意味を持つこともあります。

例えば、大阪で「おおきに、すんまへん」と言えば、「本当に申し訳ありません」という意味です。また、商談などで「おおきに、考えておきまっせ」のように使われるときは、英語の「No Thank you」に近い意味を含んでいます。

鹿児島など

「おおきに」は関西特有の言葉だと思われがちですが、北は北海道から南は長崎県や鹿児島県まで「ありがとう」の意味で広く使われています。ただし、例えば北海道なら松前郡、岩手県なら気仙沼、新潟県なら佐渡と、同じ都道府県でも使い地域は限られています。

また、すべての世代が使うわけではなく、近年では40代以上の人や商売をしている人が多く、若い人のほとんどは「ありがとう」を使っています。

「おおきに」と「まいど」の違い

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関西地方では「おおきに」と同じくらいよく使われるのが「まいど」です。「おおきに」と同様、商売をしている人が口にすることが多いのですが、ふたつの言葉に違いはどこにあるのでしょうか。

男言葉・女言葉の使い分け/頻度

「おおきに」と「まいど」は、関西地方ではどちらもよく使われますが、男女によって使う頻度は若干、異なっています。それぞれの言葉の性別による使い分けと頻度を考察します。

「おおきに」の場合

「おおきに」は「大阪弁の万能語」とされています。それだけに、男女を問わず使われ、使用頻度も非常に高いと言えるでしょう。

「おおきに」は、英語の「サンキュー」や「プリーズ」に近い感覚で使える言葉です。会話の最初か最後につけておけば、ものごとが円滑に進むと言われているほどで、関西地方では、いろいろなところで「おおきに」が飛び交っています。

「まいど」の場合

「まいど」は大阪商人の挨拶の言葉です。「毎度ありがとうございます」「毎度お世話になります」が略され、「まいど」になって定着したとされています。

ビジネスマンや商売人がお客さんを訪ねた際、開口いちばん放つ言葉が「まいど」です。電話でも「もしもし」の代わりに「まいど」を使います。「まいど」は、基本的には男性言葉ですが、商店の人などは、女性でも、お客さんに向かって威勢良く「まいど」を発することがあります。

「おおきに」と「まいど」の複合語

「おおきに」と「まいど」は、関西(特に大阪)では、どちらも頻繁に使われる言葉です。もちろん単独で使用されることもありますが、「まいど、おおきに」と合わせて使われることも多々あります。

「毎度おおきに」

「おおきに」のよくある使い方として、「まいど」を前につけた「まいどおおきに」が挙げられます。「まいど」は「毎度」のことで、「いつも」や「そのたびごとに」という意味で用いられます。

「毎度おおきに」は、「いつもありがとうございます」という意味です。やはり、「おおきに」「まいど」を単独で使うときと同様、主に関西方面の商店などでお礼の言葉ですが、商売人同士のあいさつで使われることもあります。

「おおきに」の真逆2用例

「おおきに」は、人に感謝を表すときに使う、基本的には前向きな意味を持つ言葉です。しかし、用い方によってはネガティブな意味を持つこともありますから、注意が必要です。

感謝する場合の用例

「ありがとう」の意味を持つ「おおきに」は、多くの場合、感謝を表す言葉としてストレートに使われます。

「おかわりをどうぞ」
「おおきに」

例えば、こんなふうに何かを勧められたとき、「ありがとう」の代わりに「おおきに」を使います。

「あんたの失敗、今回は大目に見たるわ」
「おおきに」

上記の場合、「ありがとう」より「すみません」の意味が大きいです。ただ、許してくれた相手に「感謝」していることに変わりはありません。

断りをする場合の用例

一見、同じような用い方に思えても、使い方によっては「おおきに」は後ろ向きな意味を持つことがあります。

「おおきに、考えときます」

「no tyank you」の意味で使います。例えば商談の席で、上記の言葉が相手の口から出たときは、商談不成立の可能性が大きいはずです。

「おおきに、また今度」

これもまた、やんわりとお断りするときに使うフレーズです。この言葉が出たら、「今度もない」と思っておくのが正解です。

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「おおきに」と同義の方言

方言にもかかわらず、「おおきに」は全国的に知れ渡っています。しかし、日本各地には「おおきに」と同じような意味を持つ個性的な言葉がたくさんあります。ここで一部を紹介します。あなたはご存知でしたか。

めやぐ

「めやぐ」は、津軽弁で「ありがとう」など感謝の意を表すときに使う言葉です。「迷惑」がなまった言葉と考えられますが、ここで言う「めやぐ」は標準語の「迷惑」の意味ではなく、「申し訳ない」という意味から「ありがとう」に転じた意味を持っています。

「こした良い品もらって、めやぐだじゃ」

例えば、めやぐだはこんなふうに用います。標準語にすると「こんな良い品をもらって、申し訳ない(→ありがとう)」となります。

だんだん

「だんだん」は、島根県出雲地方で「ありがとう」を意味する方言です。もともとは「だんだんありがとう」でしたが、「ありがとう」が省略されて「だんだん」になったとされています。

「だんだん」とは、「少しずつ」「徐々に」といった意味ですが、かつては「いろいろと」「重ね重ね」の意味もありました。「だんだんありがとう」は「いろいろとありがとう」ということです。

たえがたい

「耐え難い」は、標準語なら「我慢ができない」という意味ですが、山口弁の「たえがたい」は意味が異なります。

「そこまでしてもろーたら、たえがたい」

例えば、誰かによくしてもらったとき、このように言います。「そこまでしてもらったら、恐縮です」という意味です。「たえがたい」は、別の言葉に置き換えると「恐縮だ」「申し訳ない」「すまない」になりますが、謝罪するときに使うのではなく、感謝を表すときに使います。

きのどく

「気の毒」というと、標準語では慰や同情の意味で使いますが、「ありがとう」の意味で「きのどく」を使う地方もあります。

「そんなにたくさんのお土産をもらって、きのどくなぁ」

例えば、富山県では、誰かからたくさんのお土産をいただき、「うわっ、ありがとう」と感謝を表すのに、上記のような表現をします。同様に福井県や石川県でも「きのどく」を「ありがとう」の意味で使います。

ごちそうさま

「ごちそうさま」は、食べ物をもらったり、食事をご馳走になったときに使う言葉です。「ありがとう」の意味が込められていますが、食べ物以外のものをもらったときには使いません。

ところが、新潟では、どんなものをもらっても、お礼に「ごちそうさま」の方言「ごっつぉさん」を使います。

「そこにある本、どうせ処分するのだから、好きなだけ持って行きなさいよ
「ほんと!? ごっつぉさん」

例えば、こんなふうに使います。

「おおきに」の用例や類語の表現をゲットしよう

「おおきに」は「大阪弁の万能語」と呼ばれるように、使いこなせれば、とても重宝する言葉です。どんなときに使うのか、また、似たような言葉はどう使うのか、用例、そして、類語の使い方をマスターしておきましょう。

対語「どういたしまして」も極め尽くそう

「おおきに」は「ありがとう」の意味を持つ言葉ですから、対語は「どういたしまして」です。とはいえ、「おおきに」と関西弁で言われたとき、「どういたしまして」と標準語で返すのも面白みに欠けます。この際ですから、「どういたしまして」も関西弁を覚えておくといいでしょう。

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