[allpage_toc]
「へりくだる」とは
まずは、「へりくだる」とはどのような言葉なのか、向き合ってみることから始めましょう。「へりくだる」の基本的な意味や使い方について考察していきます。
「へりくだる」という言葉の意味や使い方に自信がないという方は、この機会にぜひ、「へりくだる」という言葉の意味・使い方を覚えておきましょう。
「へりくだる」の意味
「へりくだる」とは、「相手を敬って自分を控えめにする。謙遜 (けんそん) する。卑下(ひげ)する。」という意味で使用される言葉です
自分のことを低く見せたり、控えめに表現したりすることを意味する言葉だと読み取ることができます。場合によっては、自分で自分自身を貶めるような言動を取ったり、卑下したりすることを意味するケースもあります。
「へりくだる」の漢字
「謙」という漢字には「控えめ」「譲る」などの意味があり、「へりくだる」との意味が一致していると言えるでしょう。
「へり下る」という表記を見掛けるケースもありますが、「謙る」を使用した方が、より正確と言えます。
「へりくだる」の由来
「へりくだる」という言葉の語源は、実はよくわかっていませんが、「減る」などの言葉と同じであるとする見解があります。
「減る」と同様に、下げたり減らしたりといったニュアンスがもとになり、「自分の立場を下げる」という意味に結びつき、現在の「へりくだる」の意味になったと考えられます。
「へりくだる」の使い方
使用例としては、「彼はへりくだった話し方をする」「謙譲語は、自分の言動をへりくだる
ことで敬意を払うタイプの敬語だ」といった使い方ができると予想できます。
また、意味やニュアンスとしては、「謙遜」や「謙譲語」に近いと考えられ、これらの言葉の類語・同義語として使われることもあります。
「へりくだる」を使った例文
よく使用される表現を、例文とともにご紹介していきます。社会人として、「へりくだる」という言葉がどのように使用されるのか、ぜひ知っていきましょう。
1「へりくだった態度」
一般的に、「へりくだった態度」とは、自分の作品や功績が褒められても否定をしたり、自分自身のことを卑下したりする態度のことを指します。これらの態度は、「謙遜」などとも呼ばれることがあり、いわゆる「謙遜」した言動や態度の言い換え表現としても、「へりくだった態度」という言い回しを使用することが可能です。
2「へりくだったものの言い方」
相手を敬っているという意思表示をするために、自分の地位を下げ、相手の方が上の立場だという態度を示します。
「謙譲語」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これがまさに「へりくだった言い方」をするという意味です。
「見た」は「拝見させていただきました」などと表現し、「教えてほしい」は「ご教授ください」などと表現します。これが、謙譲語です。
3「へりくだることで敬意を払う」
「へりくだる」、つまり自分のことを下げて表現することで、相手に対し、「尊敬している」「相手が上の立場である」ということを伝えることで、相手に対する尊敬の念を表現することです。
4「へりくだって表現する」
[no_toc]
相手に敬意を示すために、自分を低いところにおいた表現をし、謙遜して言う、という意味です。 ここでの「へりくだる」の表現は、言葉だけでなく、頭を下げるなどの動作で自分を下げた表現をすることもできます。
5「必要以上にへりくだると」
へりくだることは、行き過ぎると「卑屈」という印象を与え、「面倒な人」「扱いづらい人」と思われかねません。
また、それだけではなく「どうせ自分は…」と考える人は、仕事を妥協しそうな人、努力しない人とも思われてしまうこともあります。
へりくだるのは必要なことですが、やり過ぎは逆効果です。
「謙虚」との違い
「謙虚」とは、”控え目でつつましいこと、すなおに相手の意見などを受け入れること”という意味です。
良く似ている言葉ですが、違いを言うとすれば
・「へりくだる」は「相手の意見に従う従わないは関係なく、自身の評価を控えめに表現する」
・「謙虚」は「控えめになり、相手の意見に対して素直に従う」
上記のような違いと言えるでしょう。
もっと敬語の表現を知りたいあなたに!
その「形」をそのまま覚えてしまうことが、敬語の上達への近道です。豊富な実例でわかる「良い敬語」と「悪い敬語」この1冊で、コミュニケーション力向上するはずです。
「へりくだった言い方」など、謙譲語が不安な方もこのハンドブックがあれば、いつのまにか上達しているでしょう。
「へりくだる」の類語・言い換え表現
類語・同義語と言い換えてみることで、「へりくだる」という言葉の意味を理解するヒントが見つかることもあるでしょう。
また、類語・同義語を覚えておくと、会話や文章の流れに合わせて臨機応変に使い分けたり言い換えたりできるので、よりスムーズなコミュニケーションが取れるようになる可能性もあります。
「謙遜する」
謙遜とは「自己主張の少ない」人を表すことが多いですが、これは消極的なわけではなく、「自分の能力や功績をおごることがない」「自慢をしない」という意味で使われます。
謙遜とは、決して自分をおごらず、謙虚なさまで、日本人の美徳とされている言葉です。
「卑下する」
「卑しめる(いやしめる)」とは、”身分が低い、品位に欠ける、とるに足らない”など、下品で地位の低い人だと見下すような言葉です。
自分に対する「卑下する(ひげする)」とは、自分で自分を見下した言葉です。「わたしは賢くないから。」「わたしは何もできない。」という表現を、「卑下する」と言います。
「自虐的になる」
「へりくだる」とは、相手に敬意をつたえるために自分を下に表現する言葉ですが、「自虐」は相手を上にするためではなく、自分を責めたり苦しめたりすることを言います。
「自虐ネタ」というものもありますが、これは、自分の欠点や失敗を披露し、笑いにすることです。
「下手に出る」
「下手に出る」とは相手を尊敬していることをあらわし、相手を喜ばせ、良い気持ちにさせるためなどに使用します。
「下手に出る」の例文としては、「下手に出れば、つけ上がりやがって」などと、聞いたことがある人も多いでしょう。
「一歩下がる」
[no_toc]
「へりくだる」は、自分のことを低く表現するのに対し、「一歩下がる」は相手の意見を優先し、発言などを控える、という印象です。
一昔前の日本では、男性より「一歩下がる」、控えめで奥ゆかしくいるのが、女性の美徳であるとされていました。
「へりくだる」の対義語
反対語・対義語は、「へりくだる」とセットで覚えておくことで、ボキャブラリーや表現力の向上に繋がります。ぜひこの機会に、「へりくだる」とは反対の意味を持つ言葉もチェックしておきましょう。
「昂る」
自分を下に表現する「へりくだる」とは、まさに反対の言葉であるといえるでしょう。
「奢る」
奢るとは、”身分以上に贅沢な生活をする、自分の金で人を飲食させてあげる”という意味です。
また、「驕る・傲る」とは、”自分の才能・家柄・地位などに得意になり、それを自慢したり見せびらかしたりして勝手なふるまいをすること”です。
「へりくだる」の対義語としては、後者の「驕る・傲る」の意味と考えてよいでしょう。
「自画自賛する」
例文として、「良くできたと自画自賛する」などと表現します。
「自慢する」
「新しいバッグを買ったことを自慢する」「わたしの恋人素敵でしょうと自慢する」などのように使用します。
自分の地位を下にみせる「へりくだる」とは、反対の意味であることが分かります。
「へりくだる」の意味を理解して、正しく使おう
社会人の場合、「へりくだる」という言葉は、言葉として知っておくだけでなく、実際にどのような言動が「へりくだる」ものなのか、理解しておくことが大切です。
この機会にぜひ、「へりくだる」という言葉の意味や使い方を覚え、正しく使用していきましょう。
謙譲語を使いこなそう
その他の謙譲語などが気になった方は下記リンクを確認してください。
[no_toc]