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「サンサーラ」の意味と使い方・由来|中孝介/サンスクリット語

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「サンサーラ」の意味って知ってる?

「サンサーラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。小説やゲームのタイトル、もしくは映画で見かけたことがあるという人もいるでしょう。この記事では、「サンサーラ」の意味や由来、「サンサーラ」という言葉が使われている作品などもご紹介していきます。

「サンサーラ」は「輪廻転生」という意味

「サンサーラ」とは、 いわゆる「仏教用語」です。インドの代表的であり伝統的な転生観である「輪廻」を意味する言葉です。また、生まれ変わりの観念全般を意味する「転成」という意味も持っているので、広く「輪廻転生」という意味を示す言葉として使われています。

インドの古代宗教である「ジャイナ教」という宗教では、断食による入滅を輪廻への入り口としています。その入滅を「輪廻」という意味として扱い、「サンサーラ」と呼んでいました。

輪廻転生を意味する「サンサーラ」ですが、その輪廻から「解脱」することがインドの宗教の最高到達点として定めています。他にもインド宗教から派生し、仏教やヒンドゥー教でもこの「解脱」が最高の理想とされています。

「サンサーラ」の由来とは?

仏教用語である「サンサーラ」ですが、「サンサーラ」とは「サンスクリット語」にあたります。日本では「梵字」、または「梵語」としての言葉の方が、聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。「サンスクリット語」も少しだけご紹介します。

サンスクリット語とは?

サンスクリットとは、英語で「Sanskrit」とつづります。また、梵語では「संस्कृत」と書きます。サンスクリット語以前にインドやサウジアラビアの言葉になれていない日本人では、何処をどう読んだらいいのか全く分かりません。昔の日本語のように右から読んでいくそうですが、なかなか難しいです。

古代インド・アーリア語に属する言語である「サンスクリット語」は、インドなどアジア圏において用いられた古代語になります。文学、学術、宗教、哲学などの分野で広く用いられました。また、上記のように、ヒンドゥー教、仏教、シーク教、ジャイナ教の礼拝用言語でもあります。

その権威は現在でも大きく、母語話者は少ないですが、現代インドの22の公用語の1つで、今も使われているきちんとした現代語です。

「完成された言語」を意味する

「サンスクリット」とは、「完成された・洗練された言語、雅語」を意味します。日本では、言語であることを示すべくサンスクリットに「語」をつけ「サンスクリット語」と呼ばれています。

漢字表記の梵語(ぼんご)は、中国や日本でのサンスクリットの異称になります。日本では近代以前からサンスクリットの原文を、漢字で翻訳したものなどを通して使われてきました。主に、「般若心経」などが代表的です。梵語は、サンスクリットの起源を「造物神ブラフマン」、つまり「梵天」とするインドの伝承を基にした言葉です。

「サンサーラ」が使われている場面とは?

先ほど例に出した音楽のタイトルや映画の題名以外で使われているというと、やはりヒンドゥー教や、仏教関係の書物、また、「真言」などで知られる「大日経」などの密教経典に由来する、多くの大乗仏教の宗派で用いられたりしています。

日本語に訳すのではなく、サンスクリット語の響きをそのまま使っている文献が多く、陰陽師などの作品で耳にする「オンアビラウンケンソワカ」という言葉も、実はサンスクリット語から派生した言葉です。

日本ではいつから使われるようになったのか?

日本では、サンスクリット語の見出しで少し触れたとおり、近代以前からサンスクリット語の原文を漢字に直して使われていました。「サンサーラ」という言葉もこの時から漢字に翻訳され日本でも使われるようになったといって良いでしょう。

日本へは中国からの経由で、仏教、仏典とともに、サンスクリットにまつわる知識や単語、意味などを取り入れてきました。その時期は、遅くとも真言宗の開祖空海まではさかのぼれることが分かっているので、もしかしたらそれ以前からどこかから伝わってきていた可能性もあります。

中孝介の「サンサーラ」

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「サンサーラ」という言葉を音楽でパッと思いつくのは、中 孝介(あたり こうすけ)さんです。もしかしたら始めてみる名前という人もいるのでしょう。1997年にシマ唄を独学で始め、1998年5月に開催された第19回奄美民謡大賞に初めて出場し、努力賞を受賞します。2000年には同大賞で新人賞を受賞し、日本民謡協会奄美連合大会で総合優勝をしています。

また、NHK土曜ドラマ『ジャッジ 〜島の裁判官奮闘記〜』の主題歌歌手に抜擢され、バラード「路の途中」の起用が決定しました。アニメ『BLEACH』のエンディングテーマに起用された『種をまく日々』を発売しています。中孝介さんはあまり知らなくても、この2つで何となく知っているという人も多いのではないでしょうか。

楽曲中の「サンサーラ」の意味とは?

中孝介さんの「サンサーラ」は、フジテレビ系列『ザ・ノンフィクション』オープニングテーマとして使われていました。楽曲中では、サビの歌詞として使われている「サンサーラ」ですが、切ないバラードで歌いあげているテーマは「生と死」です。その中で、「サンサーラ」は、やはり「繰り返す」、「輪廻転生」といった意味で使われているとみていいでしょう。

サンスクリット語の正しい意味合いとして、中孝介さんの「サンサーラ」は使われています。

フィクション作品の「サンサーラ」

「サンサーラ」は、その言葉の意味からさまざまなフィクション作品のタイトルとして使われています。映画や小説はもちろんのこと、漫画のタイトル、その作品の中のキーワードなどにも起用されています。

漫画「タブー・タトゥー」での「サンサーラ」

2016年7月から9月にかけて放送された「タブー・タトゥー」というアニメで「サンサーラ」という言葉を耳にした方もいるのではないでしょうか。「タブー・タトゥー」は、真じろうによる日本の漫画作品です。『月刊コミックアライブ』にて2010年1月号から2017年8月号まで連載されていました。

この作品での「サンサーラ」は、作中に出てくる、王国の呪紋研究の中枢の名前として使われています。実験で生み出された者たちの居住区として使われているとのことなので、この「サンサーラ」は名前だけを借りた意味を持たない「サンサーラ」として使われています。

いろんな作品に触れ、サンサーラをより深く理解しよう

さまざまな「サンサーラ」を色んな角度から意味や、使われている作品、宗教などを紹介して来ましたが、いかがだったでしょうか。「サンサーラ」という言葉の意味を原点から知っていることで「サンサーラ」が使われている作品をより深く理解し、その作品での意味を考えることができることでしょう。

宗教に興味があれば、「サンサーラ」の由来である「サンスクリット語」からヒンドゥー教や、仏教、またマイナーですがジャイナ教から調べていっても勉強になるでしょう。また、中孝介さんの「サンサーラ」もテレビ「ザ・ノンフィクション」からさまざまなアーティストへ繋がっています。

これを機会にいろいろなジャンルから「サンサーラ」の意味や、本来の宗教での使われ方を紐解いていっても良いでしょう。

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