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韻を踏む方法4つ・韻を踏むの意味|ダジャレとヒップホップの韻

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韻を踏むの意味

「韻を踏む」とは、音楽や詩・小説などで同じ単語や同じ音を持つ言葉を繰り返してリズミカルな印象を与える手法です。韻を踏むことによって文章やフレーズが聞き取りやすくなったり、印象に残りやすくなったりするという効果が期待できます。

特にラップでは韻を踏むのは基本ともいえます。この「韻を踏む」というのは意外に奥が深く、韻の踏み方にも数種類あり世界中の言語で行われています。

韻の踏むの由来

「韻を踏む」という表現は中国の古い詩から来ています。詩の中に、「絶句」というひとつの詩を四行で作る形式があります。この「絶句」には「ひとつの詩につき、ひとつか二つの韻を踏む」という規則がありました。

絶句は中国のものですので中国語の発音で韻が踏まれています。日本の貴族の間では日本語の音読みで韻を踏んで漢詩をつくりました。これを「韻を踏む」と表現したことが、この言葉の由来だという説が有力です。

「韻の踏み方」の種類 と例文

「韻の踏み方」には、「脚韻(きゃくいん)」 「頭韻(当院)」「母院(母音)」「コイン(子音)」の4種類があります。「押韻」という言葉もありますが、これは「韻を踏む」という意味です。

「桜が咲いたと達也が書いた」は「桜」と「達也」、「咲いた」と「書いた」の母音で韻が踏まれていて、これを「母韻(ぼいん)」といいます。後者は語尾の音を合わせて韻が踏まれているため、「脚韻(きゃくいん)」 にもなります。

種類1「脚韻」

同じ音で終わる言葉を語尾、文末などで繰り返すことで、音読した時に美しくリズミカルになるようにする韻の踏み方のことを「脚韻」といいます。

詩や歌、小説だけでなく、お経などでも脚韻が踏まれているものがあります。定型詩では韻の踏み方のパターンを決めて繰り返すように使い、リズミカルに印象を深めるために使います。とくに中国、インド、ヨーロッパの詩では使用頻度が高いです。

例文1「山に来た里に来た野にも来た」

有名な唱歌「春が来た」の一節で、「来た」を3回くり返して韻を踏んでいます。文末で韻を踏んでいますので「脚韻」になります。何度も繰り返すことでとてもリズミカルになり、内容もスッと入ってきて心地よいです。

この歌は全編にわたって韻が踏まれています。例文の前の節でも「春が来た、春が来た、どこに来た」と同じように3度韻を踏んでいます。「脚韻」を前提にすることで歌の魅力をつくりだしています。

例文2「おうみのねずみクルミをつまみ」

「おうみ」「ねずみ」「クルミ」「つまみ」の単語の末尾「み」で韻を踏んでいますので「脚韻」になります。この詩も「脚韻」を効果的につかうことにより軽快な印象になっています。

この文章は谷川俊太郎さんの「十ぴきのねずみ」の最初の一節で、「おうみ」は「近江」のことです。このあとも「さがみのねずみ、さしみをうのみ」と各地のねずみのことを歌い、延々とつづいていきます。脚韻のすばらしさが十分に出ている詩です。

種類2「頭韻」

言葉の最初や句頭などに同じ発音になる字をおいて韻を踏む方法です。リズムが良くなりラップなどでもよく使われます。

日本の詩歌でも昔から枕詞(まくらことば)などでつかわれ、意味よりも音の感覚が重視されていました。古来日本では脚韻よりも頭韻のほうがよく使われています。

百人一首の有名な短歌「ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ」は、「は」と「ひ」の「ハ行」で頭韻で韻を踏んでいます。

例文1「咲いた咲いた桜が咲いた」

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昭和初期の小学校の教科書に載っていた文章です。単語の頭から音が一致していますので「頭韻」です。ここまで同一音を繰り返されると、花が咲いた光景が強烈に印象づけられます。

このあとも「コイ コイ シロ コイ」(シロは犬の名前)「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」と、くどいくらいに頭韻の文章がつづいていきます。文章を習い始めたばかりの小学生には、凝った構成の文章よりも単純な頭韻の文章のほうがよく理解できるからです。

例文2「為せば成る為さねば成らぬ」

江戸時代後期に米沢藩主で名君として有名だった上杉鷹山が家臣に送った言葉です。「為」と「成」で韻を踏み、それを2回繰り返しています。語句の頭で韻を踏んでいるので「頭韻」です。

この後は「成らぬは人の 為さぬなりけり」とつづきます。直接的に訳すと「やればできる。やらなければできない。物事が達成できないのは行動しないからだ」となります。「一見難しそうにみえることでも行動を起こせば道は開ける」という教えです。

種類3「母韻」

「a、i、u、e、o」の音のことを母音といいます。「母韻」というのは母音で韻を踏むことです。韻を踏む部分に決まりはありません。日本語では子音と母音の混ざる発音が多いので、純粋な母韻ではないものも多いです。

例文「Intel inside」

みなさんご存知の「インテル入ってる」のCMで有名なフレーズです。「Intel」「 inside」の「in」の部分の母音で韻を踏んでいますので「母韻」です。単語の頭で韻を踏んでいるので「頭韻」でもあります。

日本版のCMでは、日本語では英語と同じように韻を踏むことはできないので『インテル入ってる』と、「てる」で脚韻を踏むようにして英語と同じレベルのインパクトをあたえるようにしています。

種類4「子韻」

母韻とは反対に、子音(「a、i、u、e、o」ではない音)で韻を踏むことを「子韻」といいます。英語で多く使われる手法です。子韻も韻を踏む部分には特に決まりはありません。

例文「 reject project」

「ject」の部分で韻を踏んでいて、子音なので「子韻」になります。語尾で韻を踏んでいるので「脚韻」ともいうことができます。日本語に訳すと「プロジェクトの拒否」です。

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ダジャレは韻を踏んでいるか

同じ単語や音をくり返して組み合わせた文章が「韻を踏んだ文章」ですので、ダジャレは韻を踏んでいると言えます。「アルミ缶の上にあるみかん」「電話にでんわ」などは、韻を踏んでいます。

しかし韻を踏むというのは、「そうすることによって余韻を持たせる」という目的を持った技法です。余韻とは、「あとに残る味わい、言外の余情」という意味です。ダジャレはたしかに形式的には韻を踏んでいますが、その目的は果たせていません。

ヒップホップは韻を踏んでいるか

ラップやヒップホップでは「韻を踏む」ことを「ライム」と表現します。「ライム」は英語で「韻を踏む」という意味です。正確には脚韻で母韻にそろえることになります。

例えば「桜が咲いたと達也が書いた」という文では、「桜」「達也」の母音は「あうあ」です。「咲いた」「書いた」は、同じ母音「あいあ」でできた言葉です。ですから、この文は母音で韻を踏んでいるので母韻です。また脚韻でもあるので「ライム」になっています。

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韻を踏むことで文章が印象的でリズミカルになる

「韻を踏む」とは、同じ言葉、あるいは同じ音を持つ言葉を繰り返してリズムをとる、同じ母音を持つ言葉を繰り返す、という意味です。韻を踏むことによって聞き取りやすくなったり、印象に残りやすくなったりするという効果が期待できます。

この「韻を踏む」ことを意識して文章を書くことで、伝わる効果が何倍にもアップします。

韻を踏んだ詩やコピーを書いてみましょう

まず同じ音の単語を集めます。「きたい」という読みなら「奇態、希代、期待、機体」という単語があります。「希代な期待」「奇態な機体」と韻を踏めます。

日本語は子音と母音で単語が作られています。「咲いた」は「saita」ですが「s」を「n」に変えれば「泣いた」(naita)になります。さらに「n」をとれば「開いた」(aita)にもできます。このように厳密に一致しなくても、ゆるく韻を踏んで書いてみましょう。

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