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韻を踏むの意味
特にラップでは韻を踏むのは基本ともいえます。この「韻を踏む」というのは意外に奥が深く、韻の踏み方にも数種類あり世界中の言語で行われています。
韻の踏むの由来
絶句は中国のものですので中国語の発音で韻が踏まれています。日本の貴族の間では日本語の音読みで韻を踏んで漢詩をつくりました。これを「韻を踏む」と表現したことが、この言葉の由来だという説が有力です。
「韻の踏み方」の種類 と例文
「桜が咲いたと達也が書いた」は「桜」と「達也」、「咲いた」と「書いた」の母音で韻が踏まれていて、これを「母韻(ぼいん)」といいます。後者は語尾の音を合わせて韻が踏まれているため、「脚韻(きゃくいん)」 にもなります。
種類1「脚韻」
詩や歌、小説だけでなく、お経などでも脚韻が踏まれているものがあります。定型詩では韻の踏み方のパターンを決めて繰り返すように使い、リズミカルに印象を深めるために使います。とくに中国、インド、ヨーロッパの詩では使用頻度が高いです。
例文1「山に来た里に来た野にも来た」
この歌は全編にわたって韻が踏まれています。例文の前の節でも「春が来た、春が来た、どこに来た」と同じように3度韻を踏んでいます。「脚韻」を前提にすることで歌の魅力をつくりだしています。
例文2「おうみのねずみクルミをつまみ」
この文章は谷川俊太郎さんの「十ぴきのねずみ」の最初の一節で、「おうみ」は「近江」のことです。このあとも「さがみのねずみ、さしみをうのみ」と各地のねずみのことを歌い、延々とつづいていきます。脚韻のすばらしさが十分に出ている詩です。
種類2「頭韻」
日本の詩歌でも昔から枕詞(まくらことば)などでつかわれ、意味よりも音の感覚が重視されていました。古来日本では脚韻よりも頭韻のほうがよく使われています。
百人一首の有名な短歌「ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ」は、「は」と「ひ」の「ハ行」で頭韻で韻を踏んでいます。
例文1「咲いた咲いた桜が咲いた」
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このあとも「コイ コイ シロ コイ」(シロは犬の名前)「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」と、くどいくらいに頭韻の文章がつづいていきます。文章を習い始めたばかりの小学生には、凝った構成の文章よりも単純な頭韻の文章のほうがよく理解できるからです。
例文2「為せば成る為さねば成らぬ」
この後は「成らぬは人の 為さぬなりけり」とつづきます。直接的に訳すと「やればできる。やらなければできない。物事が達成できないのは行動しないからだ」となります。「一見難しそうにみえることでも行動を起こせば道は開ける」という教えです。
種類3「母韻」
例文「Intel inside」
日本版のCMでは、日本語では英語と同じように韻を踏むことはできないので『インテル入ってる』と、「てる」で脚韻を踏むようにして英語と同じレベルのインパクトをあたえるようにしています。
種類4「子韻」
例文「 reject project」
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ダジャレは韻を踏んでいるか
しかし韻を踏むというのは、「そうすることによって余韻を持たせる」という目的を持った技法です。余韻とは、「あとに残る味わい、言外の余情」という意味です。ダジャレはたしかに形式的には韻を踏んでいますが、その目的は果たせていません。
ヒップホップは韻を踏んでいるか
例えば「桜が咲いたと達也が書いた」という文では、「桜」「達也」の母音は「あうあ」です。「咲いた」「書いた」は、同じ母音「あいあ」でできた言葉です。ですから、この文は母音で韻を踏んでいるので母韻です。また脚韻でもあるので「ライム」になっています。
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韻を踏むことで文章が印象的でリズミカルになる
この「韻を踏む」ことを意識して文章を書くことで、伝わる効果が何倍にもアップします。
韻を踏んだ詩やコピーを書いてみましょう
日本語は子音と母音で単語が作られています。「咲いた」は「saita」ですが「s」を「n」に変えれば「泣いた」(naita)になります。さらに「n」をとれば「開いた」(aita)にもできます。このように厳密に一致しなくても、ゆるく韻を踏んで書いてみましょう。