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「伽」の意味と使い方
伽を使った言葉で良く聞くのは「夜伽」や「伽羅」ですが、これらの言葉の意味は知っていますか。ここではこれらの言葉の意味や由来などをご紹介します。
梵語での「伽」
梵語の中で「伽」は、サンスクリット語に音を当てはめた、いわゆる表音漢字です。「伽」の代表的な梵語での表記は「伽羅」(キャラ)や「伽藍」(ガラン)でしょうか。
伽羅、伽藍ってなんだろう
一方、伽藍は寺院の建物すべてを言います。元々は「僧が集まり修行する、清浄な場所」という意味でしたが、僧が集まる=寺院ということで、寺院にある建物のことを指すようになりました。
夜伽
このことから通夜のことを「夜伽」と言い、近親者がロウソクの火や線香の煙が絶えないように夜通し故人に付き添うことを言います。現在では、斎場など会場の理由で、夜通し行われないことが多くなっています。
セクシャルなイメージが強い
確かに女性が男性と一晩同じ部屋にいた、というと、たとえ何もなかったとしても、下世話な想像をしてしまいます。そのためこの「夜伽」にはセクシャルな印象がついてしまいました。このことから「夜伽」とは、一般的には「一夜を共にする」「肉体関係」などの「性」を連想させる言葉であることがわかります。
御伽話
室町時代には「御伽草紙」という短編の小説が流行しました。これには浦島太郎や一寸法師やものぐさ太郎などが含まれています。その後、江戸時代に、室町時代に流行した短編小説23編を集めて改めて「御伽草子」として刊行しました。現在「御伽話」と呼ばれるのは、この23編の物語のことです。
「伽」の意味の由来
この「伽」の、サンスクリット語でのもともとの意味は看病、世話、出席、芸能人です。そのため、「伽」は看病をすること、貴人の世話をすることを表すようになりました。
伽はにんべんと加えるという漢字でできています。加えるは、力強さを表し、口は、祈りの言葉を口にすることを表しています。このことから力と言葉の影響を「人」に「加える」ことから「看病すること」や「世話をすること」に繋がります。
また音を表す「加」には積極的に話をすることという意味があり、これににんべん=人をつけることにより、人に積極的に話しかける、無聊を慰めるという意味に繋がりました。
「伽」の意味と読み方
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とぎ
戦国時代から江戸時代にかけては、「御伽衆」と呼ばれる、相談役や諸国の動静を伝えたり、また「伽」本来の意味である世間話の相手を務める職種がありました。その中でも豊臣秀吉は、読み書きが不得手だったため、耳学問として多くの伽を召し抱えていました。落語はこれら御伽衆の面白話を編集したものと言われています。
このことから、もっぱら「話し相手となって、無聊を慰めること・人」という意味で使われていましたが、近頃は、この「退屈を紛らわすための話し相手」という意味では使われず、「寝所の相手を務める」という意味の方が強くなっています。
か
名前での「伽」の意味と付け方
伽には「相手をする」という意味があります。このことから、人と人を繋げる、コミュニケーションを表していると取ることができます。さらに「加」には盛んになるという意味もあり、これににんべんを足したこの字は、「人と人のつながりが盛んになる」「他者とのつながりを大切にする」「良い人間関係を築く」というような意味をつけることができます。
また「看病」や「世話」という意味から「周囲に思いやりを持って接する」「優しい心を持つ」などの意味も考えられます。
さらに伽の代表的な梵語での言葉に「伽羅」があり、これは極上のもの、美しく優れているものという意味があります。そのため、「伽」は名付けに使っても良い、とてもいい意味の漢字と言えます。
イメージはあまりよくはありません
特に「伽」と「夜」を組み合わせはである「伽夜」は、響きは「かよ」で可愛らしいですが、「夜伽」というそのままの意味で敬遠されます。この字を女の子につける場合には、注意が必要ですが、その字にしか込められない願いや希望、想いもあるでしょう。よく考えて慎重な漢字の組み合わせが重要です。
伽は梵語のために作られた漢字です
しかしこの漢字には「人と人が繋がる」というコミュニケーションを表している言葉です。お世話も看病も、仕事とはいえ慈愛の精神がなければ務まりません。「人との良好な関係を築く」「周囲に思いやりを持って接する」という意味を持つ、とても良い漢字です。
確かにセクシャルな印象が強く、一見眉をしかめられそうですが、その名前に込めた強い思いを良くお子さんに言い聞かせれば、お子さんもきっとその名前が好きになるでしょう。