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「燈」の意味と使い方
燈は常用漢字外なので、この漢字を使った文字はありませんが、あかりのことを「灯火」、航海の目印のことを「灯台」というように明かりを灯すもの、または明かりそのもののことを表す際に使います。
「燈」という字を使うのは、その漢字の持つノスタルジーな雰囲気を醸し出したいときです。「灯台」を「燈台」、「灯穂」を「燈穂」などのように「灯」を「燈」に変えるだけでノスタルジックな雰囲気になります。
「燈」の意味の由来
ともしびとは、もともとは「窓から月の光が差し込んで明るい」という意味でした。このことから、「火」を灯すと暗い部屋の中が明るくなる・暗闇では見えなかったものがはっきりと見えるようになるという解釈がされるようになり、周囲を明るく照らすもののことを「ともしび」と表現するようになりました。
「燈」の意味の成り立ち
火は古来より神聖なものでした。燈という字は、火を高く掲げ持つことを表しています。掲げ持った火は遠くからでも見つけることができます。闇夜を歩くとき、暖かな炎の色が人々の心を安心させてくれます。また、火は周囲の闇を覆います。
これらの理由から、燈は周囲を明るく照らすという意味を持っています。
灯と燈は実は別な字でした
なぜ意味の違う二つの漢字が、一つになったのかは、国語審議会による「漢字部会」で、当用漢字が再検討され、燈は俗字として使われていた灯に「字体を改め音訓を加える字」として発表されたからです。
しかしその後も「燈」は正字として使われていましたが、昭和59年の再検討の際に、「燈」は「灯」へ字体を変更し、当用漢字表に採用されました。
このため、この意味の異なっていた二つの漢字が一つにまとめられ、燈を旧字体、灯を新字体としました。
「燈」の名前での意味
明るいという意味がある燈を名前に使うときは、「周りを光で包むような優しさを持つ人に」「ともしびのような優しさで人をホッと安心させるような人に」という気持ちが込められています。優しさ・安心感・灯台のように・行く道が明るく照らされるように、という願いを込めることもできます。
燈の読み方
男の子
この燈という字を男の子の名付けに使う場合には、「周囲を明るく穏やかに照らす人に」「活発で明るく前向きに」と言った意味を込めることができます。
「とう」という読みを使って燈我(とうが)燈司(とうし)燈和(とうわ)や「燈」を「ともる」と読ませたり、「ひ」という読み方で「燈路」(ひろ)などというような名前が考えられるでしょう。
男の子でこの字を使う場合には、「ひ」という読み方や「とう」を「と」に変えて、止め字として使うことが多いです。その場合には「海燈」(かいと)「春燈」(はるひ)というように使います。
女の子
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穏やかに周囲を照らすように、また道を照らす明かりのことから、向上心も連想させるので、どんな時も前向きに進めるように、というような想いを込めた名付けが可能です。
多いのはやはり「燈」「燈里」(あかり)ですが、その他にも「燈子」(とうこ)(ともこ)や「燈奈」(ひな)というような名前が考えられます。
しかし、女の子にありがちな「花」を使った「燈花」は灯芯の先に残る燃えかすという意味があるので、名前には向きません。
「燈」の漢字の意味
本来、燭台は金属でできています。そのため、昔は燈は火へんではなく、金へんの「鐙」(とう)を使っていました。そのため、「鐙」にはともしび、灯ともし皿という意味が残っています。その後、金へんの代わりに「火」を加えたこの字ができ上がりました。
灯の意味
火へんに丁と書くこの字は、火へんは燃え盛る炎のことを表し、丁は器から物が溢れるということを表していて、そのことから勢いの盛んなことを示すと解かれます。また丁は釘の頭の形をもしたものとも言われ、「てい」という音は釘を打つ音を表します。
丁には「盛ん」「強い」という意味もあるため、「燈」の持つ柔らかな穏やかな印象とは異なる意味です。しかしもともと「燈」の俗字として使われていたり、また古代中国でも「燈」の代用として使われていたため、この字が「燈」の意味を引き継ぎました。
燈を見つけるとホッとします
もともとは「灯」の正字だったこの字ですが、当用漢字から外されてもなお人名用漢字で使われ続ける、火のイメージそのままの生命力を持っています。この字の意味やイメージを反映させた素敵な名前を考えてください。