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「黎」の意味と使い方・由来・読み方・名前・成り立ち

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「黎」の意味と使い方

黎という字の意味はご存知ですか。「黎明期」が一番よく見る「黎」という漢字の使い方でしょうか。

黎には黒いという意味があります。そのため、暗いや黒いに通じる言葉が多くあります。「黎明も「夜明け」の暗い時間を表していますし、「黎明期」は夜明け前という意味です。そのほかにも「黎黒」(れいこく)で色が黒いことを意味します。

人民のことも「黎」とします。黎民や黎元はともに人民、庶民のことですが、黎元の方は、「多くの善人を意味するとも言われています。

また黎明は「夜明け前の暗さ」の他に「夜明けの頃」も意味します。どちらかというと、こちらの意味の方が強く、黎は「及ぶ」やだいたいの時間を現す「頃」も意味しています。

また黎は「黎明」というように明け方の薄暗い状態を表すので、転じて新しい事柄の「始まり」を表す漢字として使われます。

「黎」意味の由来

黎には「黒い」という意味があります。これは、黎が庶民を表すことから庶民=冠を着用しないため、黒い髪の毛があらわになっていること、または「収穫をする農民」が成り立ちに関わっていて、昔の農民はおしなべて陽に焼けて浅黒いから、というのが由来です。

黎という字は、農民が転じて庶民のことも表します。そのため同じく庶民を表す「隣」(鬼火がチラチラと燃える、鬼火は集落の明かりのことを示し、隣は集落、転じて庶民の意味)とも意味が通じ、「隣り合う」という意味も持ち、「隣り合うきび」=収穫量が多いということから多いという意味を持ちました。

また隣の作りである「粦」(りん)とも通じ、粦は「鬼火がチラチラと燃える」という情景を表していて、その鬼火が燃えるのがみえるほど暗い、という意味から「暗い」や「黒い」という意味も加えられました。

黎は一文字ではあまり使わず、他の漢字と組み合わせで使うことの多い漢字です。

「黎」の意味の読み方

読み方は、音読みの「レイ」が一般的でしょう。その他には「リ」や呉音での「ライ」があります。訓読みでは「くろ・い」や「おお・い」「もろもろ」と読みます。

黎は中国圏や東南アジアでの姓に使われています。ベトナムでは黎氏によって起こされた王朝があり、「前黎朝」と「後黎朝」(前期と後期に分かれている)います。またベトナムでは3番目に多い姓です。

中国では広東や香港、台湾などの南部地方に多い姓です。日本語読みでは「れい」ですが、中国での発音は「リ」(li2)、ベトナムでは「レ」(Lê)と読みます。

男女別名前での「黎」の意味と付け方

黎は常用漢字ではありませんが、人名用漢字に登録されています。読み方には「レイ」や「リ」「ライ」また「くろい・」「おお・い」「たみ」などがあります。夜明け前が「始まり」という印象もあるためか、「はじむ」とも読みます。

黎明と書いて「夜明け」という意味から「あき」(あける)、頃合いという意味から「コロ」や「こ」と読ませる場合もあるようですが、かなり難読です。

男の子

夜明けの頃のことを黎明と言います。これから夜が明けて、ゆっくりと朝になる。1日が始まる、新しいことが始まる、というイメージから男の子にこの字をつける人が多いようです。

また漢字自体がバランスよく、どっしりとしているように感じることからこの字を使う人もいます。

一文字で、「レイ」と読ませたり、「はじむ」や「ライ」とする場合もあります。しかしこの字自体には「黒い」「暗い」「庶民」という意味しかないため、他のいい意味を持つ漢字と合わせた方が、より深い意味を持たせることができます。

女の子

黎は「黒い」「暗い」という意味なので、あまり女の子にむかない気もしますが、そうとも言い切れません。黎には「ととのう」という意味もあります。ととのうは「整う」です。容姿が整う、という意味や、夜明け前の厳かな、清らかなイメージが「黎」にはあります。

「黎」「黎子」「黎美」というように「レイ」の読み方を使います。

名前に込める想いが大切です

黎という漢字には、「黒い」や「暗い」のようにネガティブな意味もありますが、そのほかには「多い」や「整う」と言った意味もあります。

黎は15画の漢字です。苗字との組み合わせもありますが、15画は「大きな器を持つ、正統派の成功者」の画数です。また、責任感があり、信用を集めますと姓名判断ではなっています。

黎は姓名判断の「地格」で良い意味を持ちます。そのほかにも「黎明」から受ける厳かな清らかなイメージや「黒い」という意味から「鋭い」というイメージなど、「暗い」というネガティブな意味を跳ね返すだけの、前向きな印象がたくさんある漢字です。

名前では敬遠される場合もあります

黎という字は、一般的とは言えない漢字です。電話などで漢字を説明する場合には「黎明の黎です」と言ってもピンとこないし、「のぎへんに横に勿の一本足りない字の下に傘に似た字を書きます」では何がなんだかわかりません。

また、字画も多く、小さなものに名前を書く場合には黒くなってしまうし、お子さんが小さいうちは漢字で自分の名前が書けないという可能性もあります。

そのため、響きはいいけれど、名付けにはちょっと、と敬遠する人が少なからずいます。しかし黎には「夜明け前」の厳かで清らかなイメージや、何かの始まりを予感させる印象、整い、多いという意味や、その響きから名前につけても遜色がない漢字です。

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「黎」の意味と漢字の成り立ち

黎という漢字はのぎへんです。のぎへんは、そもそもイネ科の植物の粟を表しています。黄河文明のころ、人々の主食は粟でした。そのため、禾は穀物の代表として、穀物の総称として用いられるようになりました。なお、米は実だけを示しますが、禾は茎や葉、穂など植物全体を表します。

それでは、のぎへんを持つ黎という漢字の成り立ちを説明しましょう。

もともとは黍

まずは篇の部分は黍で「ショ」と読みます。これは穀物のきびのことで、五穀の一つと数えられ、「きび団子」の主な材料です。この穀物は重要な作物として、ヨーロッパ文明では広く作付けされていました。

黍はのぎへんと雨の略字で成り立っています。この雨の部分が水を表しています。作りの部分は刀の象形文字です。

のぎへんに刀ですので、何か農作業に使う道具かと思いきや、「黒い」こと「多い」こと「人民」のことを表す漢字になりました。

もともとはこの「黍」という漢字でしたが、古代中国の秦漢時代に大規模な文字の革命が起き、楷書体が考案され、黎という字が確立されました。

黎=人民

黎はもともと「黍を刀で刈る」という「収穫」を意味している漢字の成り立ちでした。しかしなぜか意味が転化し、「収穫」を意味する語ではなく「黍の穂を刈る農民」を表すようになり、「人民」「庶民」という意味を持ちました。

また「黍の穂を刈る」ことから、外での作業が多いことを表し、外での作業の多い民は皆黒く日焼けしています。そのため陽に焼けて「黒い」ことを意味しました。

話の幅も広がります

黎は一般的によく読み書きをする漢字ではありません。常用漢字外ですし、突然記入しなければならなくなっても、きちんと書けるか自信がありません。そのため、名付けに使うのは敬遠されがちですが、響きや黎の印象その不自由さを補うくらいの魅力があります。

黎はもともと「収穫」に関する漢字の成り立ちだったのに、なぜか収穫をする「農民」を表すものになったという由来も面白く、興味を引きます。

そして、「農民は陽に焼けているものだから」や、「庶民」は冠をつけないので、黒い頭髪が見えるから、そんな理由で「黒」という理由を持たせたりと、とても興味深い成り立ちです。

漢字は身近にある、会話を助けるツールになりえます。どんなに簡単な漢字でもきっと、話のネタになるようなウンチクが眠っています。それから広がる会話の幅が必ずあります。このような小話を集めて困った時の雑談のネタにしてみてはいかがでしょうか。

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