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「累計」の意味と使い方|例文6つ・「累積」「合計」との違い

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「累計」とは

テレビ番組を見ていると、「海外旅行客が累計〇万人に達しました」とか、「xxさんのアルバム売上が累計〇万枚を突破しました」というニュースを耳にすることがあります。

「累計」という言葉はよく聞く言葉ですが、「合計」と区別できずあいまいなまま流している人も多いのではないでしょうか。

ここでは、「累計」の意味をご紹介します。意味をしっかり理解することで、類似の言葉と区別することができるようになります。

「累計」の意味

「累計」の「累」は、「累積」という言葉にも使われているように積み重ねていく「重ねる」という意味をもつ漢字です。単なる1回限りの「合計」ではなく、「合計」の累積値が「累計」です。

例えば、家計簿には毎日記録を付けますが、1日の支出額をまとめたものが「合計」です。月の初めから〇日目までの支出額の合計は、「〇日目までの支出額の累計」と呼ぶこともできます。

まずは、「累計は集計値の積み重ね」と覚えましょう。

「累計」の語源

「累計」は「計の累積」という意味であり、「累積」と「計」から成り立った熟語と考えられます。日本で作られた熟語ではなく、中国語としても存在する熟語です。

中国語でも「累計」と書いて渡せばそのままの意味で伝わります。現代の中国では「計」の字は使われておらず、「汁」という字に近い簡略化された「計」の字が使われています。

しかし、中国の人は自分たちでは古い漢字を使わなくなっていても理解はできます。

「累計」の使い方

「累計」の意味をご紹介しましたが、まだ「なんとなく理解できた」という程度ではないでしょうか。ここでは、使い方や例文をご紹介します。

使い方や例文の中で、「累計」と類似の言葉である「合計」などと比較しながら、「累計」の意味を確実に習得しましょう。

例文の中の時間軸なども意識しながら読むと、累計の考え方を理解しやすくなります。

「累計」の計算の対象となるもの

「累計」の対象となるのは数値です。数値であればなんでも「累計」を扱うわけではありません。例えば、身長や体重は累計値をとる意味がありません。

昨日の身長と今日の身長を積み重ねても、何の意味もないからです。累計は、金額や個数を積み重ねて、全体でどのくらいの売り上げがあったか、支出があったかという判断に使います。

累計の計算対象となるものは、1点の合計だけでは判断に至らず、全体を把握する必要のある数値です。

「小計」と「合計」

「累計」と混乱する言葉に「小計」や「合計」があります。それぞれ、全く違う意味の言葉ではなく、それぞれに関連性があります。

家計簿を例に「小計」「合計」を説明します。その日に購入した品目を書き出し、費目と呼ばれる「食費」や「日用品」という分類ごとに集計したものを「小計」と呼びます。

すべての費目の「小計」を集計した、その日の支出金額全体を「合計」と呼びます。複数日の合計を集計すると「累計」になります。

「累計」を使った例文

ここでは、「累計」を使った例文をご紹介します。例文を参照して「累計」という言葉の使い方を覚えましょう。例文を参照する中で「累計」の意味する集計の仕方も理解できるでしょう。

ここでご紹介する例文で使われている「累計」の使い方は、日常の中でも多用されている使われ方です。自分が使う場合は、例文のまま使えることも多いでしょう。

1「売上を累計する」

「売上を累計する」とは、日々の売上を積み上げていって、集計するという意味で使われます。スタート時点から現時点までの売上を集計します。

売上合計は1日の締めですが、売上累計は途中でも算出可能です。

今月の売上累計を25日の午後3時時点で算出するなら、24日までの各日の「売上合計」をすべて集計した後、25日の午後3時までの売上額を加算して算出します。

【例文】
・現時点までの売上を累計し、当月の予測を立てる

2「累計発行部数」

「累計発行部数」は、雑誌や小説などが発売から集計時点までに発行された数値を示します。累計を出すことで「1日の発行部数」ではなく、「いままでの発行部数」を把握できます。

小説のように新書版や文庫版といった複数の形態で発行されているものは、形態ごとでなく、すべての形態の集計値が算出されます。

【例文】
・三毛猫ホームズのシリーズ累計発行部数は、とんでもない値になっている
・詩集としては異例の累計発行部数だ

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3「自動車の販売台数の累計」

「自動車の販売台数の累計」も経済ニュースで良く使われています。日本の主要産業として、景気動向を説明するときなどに持ち出されます。

「自動車の販売台数の累計」は、自動車の車種ごとの累計値のこともあれば、メーカー関係なく、自動車すべての累計販売台数のこともあります。

【例文】
・〇月度の自動車の販売台数の累計は、前年〇月度を上回り、景気回復を示唆しています
・日本車の販売台数の累計は、全世界で着実に伸びている

4「インターネットの累計加入者数」

「インターネットの累計加入者数」には、インターネットの利用が一般で開始されてから、プロバイダ契約した人の累計値を示しています。「〇月度の」といえば、その月のみの累計値になります。

「累計加入者数」には、「いったんインターネットを辞めて、再度加入しなおした」という人は、重複カウントされていることになります。

【例文】
・インターネットの累計加入者数はスマホの普及で爆発的に伸びた

5「データの累計を取る」

「データの累計を取る」とは、「合計」という確定値ではなく、「中間値」であることを示すために「累計」という言葉を使います。

「データの累計を取る」と言った場合、そのデータは今後も蓄積されていくが、現時点までの集計を算出するのだ、という意味が含まれています。

【例文】
・今年度予算に対し、現時点までのデータの累計を取って比較し、達成率を導き出す
・売上予測と現時点のデータの累計を取った結果を比較する

6「個々の力を累計する」

「個々の力を累計する」は、個々の力の積み重ねを意味しています。具体的な数値として示される「力」でなくても、力の積み重ねが感じられるときに使えます。

「累計する」という表現から、積み重ねられた力は1つにまとまるのではなく、個々独立しているイメージになります。

【例文】
・個々の力を累計することで、思わぬ力となって発揮された
・個々の力を累計したものではなく、全体として統一された力になっている

「累計」の意味が把握できていなかった人におすすめ

「累計」の意味を知らなかった人や、まだ「合計」との違いが理解しきれていない、という人には、「15歳までに語彙をあと1500増やす本」をおすすめします。

小中学生用の参考書ですが、小中学生用だからこそわかりやすい解説が期待できます。まずは、義務教育で知っているべき「語彙」の復習をし、確実に身に付けましょう。

義務教育の復習が完了したらビジネス書などを手に取って語彙力を強化しましょう。

「累計」の類似表現と意味の違い

「累計」には、類似の言葉がいくつかあります。意味によっては「累計」の同義として使える場合もあり、また「累計」の意味を説明する言葉として使われることもあります。

ここでは、「累計」と使われ方が似ている言葉の意味と、「累計」との相違点をご紹介します。両者の類似点と相違点をきちんと整理して覚え、いざ使うときに混同することのないようにしましょう。

実際に各言葉が使われる状況をイメージして覚えると効果的です。

「累積」

累積」には、「重なり積もること」「重ね積むこと」「累算」「累乗すること」という意味があります。「累算」という意味では、「累積」と「累計」は同じ意味で使えます。

しかし、慣用句に組み込まれている場合は、意味が近くても言い換えには使えません。「累積赤字」という言葉がありますが、「累計赤字」とは言いません。

「累積赤字」を説明する際に、「赤字金額の累計値のこと」と「累計」を用いることは可能です。

「延べ」

「延べ」には、以下の3種類の意味があります。

①ひらたく延ばされたもの。「延べ金」「延べ銀」に主に使われる
②同一のものが重複してもそれぞれを数え、合計に加えること
③期日・期間を繰り延ばすこと

「累計」と類似の意味となるのは、②の意味で使われたときになります。

延べは、来場者数など、ずっとカウントを取っていた場合の数値であり、「累計」は日々の合計など集計された値の蓄積値として使われます。

「小計」

「小計」には、「部分の合計」「合計を算出する際の費用ごとの金額」といった意味があります。つまり、合計のない、小計だけの計算書というのは存在しないことになります。

「累計」はその時点までの積み上げなので、あらかじめ決められた集計ポイントというものがありません。小計は会計上の費目のように全体の中の一部の単位で集計を行います。

【例文】
・日単位の小計を出し、ひと月分まとめた合計を報告する

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「合計」

合計」には、「あわせかぞえること」「そのあわせた数量」「しめだか」「総額」という意味があります。

2つ以上の数値を合わせることという意味もありますが、実生活の中では「合計欄」に小計がそのまま記録されたり、合計するための数値が1つしか存在しなかったりすることもあります。

【例文】
・日単位の小計を合計した値も、費目単位の小計を合計した値も、一致するはずだ
・三角形の三角の合計は必ず180度になるはずだ

「総計」

「総計」には、「全体の合計」「合計を計算すること」という意味があります。合計の一種ですが、「全体の合計」であることを明確にしたい場合に使います。

「合計」として「小計」をまとめる項目が必要な状況で、さらに「合計」をまとめた項目も必要なときは、合計の合計を「総計」と定義します。

【例文】
・各費目の小計をまとめるとひと月の合計が算出でき、月ごとの合計を1年分まとめると1年の総計が算出できる

「累計」の意味を正しく理解して使おう

「累計」の意味を理解できたでしょうか。集計結果を表す言葉はたくさんあり、それぞれが同じ意味で使える状況もあれば明確に区別すべき状況もあり、混乱しやすい概念です。

明確に区別すべき状況であるにもかかわらず、小計・合計・総計・累計が同じ値になってしまう瞬間ということもあります。

集計値を示す言葉を使うときは頭の中を少し整理して、どの言葉が適切か判断して使いましょう。

「累計」を使う様々な場面

「累計」の使い方例が、まだまだ足りず、把握できているか自信がないという人には、以下のリンク記事を参照してみることをおすすめします。「累計」を使う実例が、記事中に登場します。
売上管理の仕方
出納帳の書き方・例
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