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どんな時に使う?「お世話様でした」の意味・使い方
正式な文章やスピーチなどでは、辞書に掲載されているような公の言葉を使用した方が確実だと言えるでしょう。しかし、日常的な会話や気心が知れた人とのコミュニケーションにおいては、辞書などに掲載されていない略語などの言葉を使用した方が、ナチュラルでスムーズなやり取りができる可能性もあります。
今回は、「お世話様でした」という挨拶をテーマにして、意味や使い方、敬語表現やさまざまなシチュエーションにおける使用方法などを考察・ご紹介していきます。
「お世話様でした」の意味・使い方
そこでまずは、「お世話様でした」というフレーズに含まれている、基本的な意味やニュアンス、一般的な使い方などについて考えていきましょう。
「お世話様でした」の意味
「お世話様です」という言葉に関しては、「weblio辞書」にて、以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「お世話様です」という言葉には、自分のために何かをしてもらった相手や、苦労や迷惑をかけた相手などへの、感謝の気持ちが含まれていることが読み取れます。また、正式な挨拶ではなく、略語や略式である可能性が高いとされています。
「お世話様でした」という言葉は、「お世話様です」の過去形であると言えるでしょう。ですから「お世話様でした」という言葉には、お世話になった相手への感謝を伝える意味があると言えそうです。
労力を割いて手伝ってもらったことや、日頃から何かと世話になっていることなどについて、お礼を述べる挨拶表現。どちらかというと略式の挨拶という意味合いが強い。
https://www.weblio.jp/content/%E3%81%8A%E4%B8%96%E8%A9%B1%E6%A7%98%E3%81%A7%E3%81%99
「お世話様でした」の使い方
上記でもご紹介したとおり、「お世話様でした」という言葉には、お世話になった相手への感謝や労いの気持ちが含まれています。また、略式的な挨拶である可能性が高く、正式な挨拶というわけではありません。
上記のような背景から、「お世話様でした」という言葉は、気心が知れた相手や、立場が自分とあまり変わらない相手に、何かをしてもらった場合に使われることが多いと予想できます。
「お世話様でした」の敬語
そこで続いては、「お世話様でした」の敬語表現や、目上の人への使い方などについて考察していきます。
「お世話様でした」を目上の人に使うのは失礼
「NIKKEI STYLE」では、「お世話様でした」という言い回しについて、以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「お世話様でした」というフレーズには、感謝の気持ちなどは含まれているものの、敬意を払っているとは言い難く、上司や目上の立場の人物に対して使うのには、フランクであり過ぎということが読み取れます。
そもそも、「お世話様でした」という言い回しを含め、略語や略式的な言い回しは、敬意が軽いと受け取られがちだと言われています。ですから、「お世話様でした」というフレーズも、上司や目上の人には、使用しないでおいた方が無難と言えるでしょう。
世話になった相手に感謝の意を表す言葉ではあるが敬意は軽いため、目上の行為に使うのは失礼になる。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO76172660W4A820C1000000
目上の人への使い方
「お世話様でした」と同じような意味で、より丁寧な言い回しの1つとして、「お世話になりました」「大変お世話になっております」などの言い回しが挙げられます。
「お世話様でした」というフレーズは、何度かご紹介しているとおり、略語や略式と見なされるため、フランクなイメージになってしまいがちです。ですから、上司や目上の立場の人に対しては、「お世話になりました」などの、一般的かつ正式な挨拶を使用しておいた方が、無難だと考えられます。
「お世話様でした」は病院で使って良いのか?
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病院で診察を終えて帰る際や、入院生活が終わり退院する場合などに、医師や看護師、スタッフに対して「お世話様でした」と挨拶をする方もいらっしゃるでしょう。しかし、「お世話様でした」という言い回しは、いわゆる「上から目線」に当てはまるという見解も存在しています。
自分では「上から目線」であるつもりがなくても、「お世話様でした」と言われた相手が「上から目線」と受け取れば、不快に感じる可能性があります。ですから、病院でもなるべく「お世話様でした」は使用せずに、「お世話になりました」などの挨拶を使用しておいた方が、確実だと言えそうです。
「お世話様でした」は方言なのか?
結論から言うと、「お世話様でした」という言い回しは、特定の地域の方言ではないという見解が一般的です。方言でも公式の挨拶でもない、フランクなニュアンスを含んだ略式の挨拶というのが、「お世話様でした」という言い回しの位置づけだと言われています。
関東で使用されることが多いという説もある
しかし、「お世話様でした」という言葉を頻繁に使用する地域もあれば、あまり使用しない地域もあり、使用している頻度や浸透の程度に関しては、地域による差があるとも言われています。特に、関東と関西では、関東地方の方が「お世話様でした」を使用しているという見解も存在しています。
「お世話様でした」への返し方
「お世話様でした」という挨拶を言った相手が、自分にとってどのような立場や関係性の人なのかによって、返事の仕方を変えるのも、1つの返答方法だと言えるでしょう。相手が自分よりも立場が低い人物や、気心が知れた相手であれば、自分も「お世話様でした」などと返しても、問題にはなりにくいと予想できます。
しかし、相手が自分よりも年上の人物や目上の立場の人物である場合は、相手が「お世話様でした」と言ってきても、「こちらこそ、大変お世話になりました」などと返した方が、無難だと考えられます。
「お世話様でした」は店員さんに使うのか?
結論から申し上げると、店員さんなどに対して「お世話様でした」という言葉を使っても問題はないものの、人によっては不快に感じる可能性もあると言えるでしょう。特に、自分よりも年齢が上の人に対して使用すると、不快感を与える可能性もあります。
常連であったり、店員さんともとても親しかったりする場合は、「お世話様でした」という表現を使用しても問題ないと考えられます。しかし、あまり親しくなかったり、初対面であったりする店員さんの場合は、「お世話様でした」というフレーズは、使用しないようにした方が無難だと言えるでしょう。
「お世話様でした」と「お世話になりました」の違い
「お世話になりました」の意味
「お世話になりました」という言い回しは過去形の言い回しですが、その原型と考えられる「お世話になります」という言い回しの意味については、「weblio辞書」に以下の引用のような解説が掲載されていました。
「お世話になります」という言い回しには、何かを手伝ってもらったり助けてもらったりする相手に対する、感謝の気持ちが込められていることが、引用から読み取ることができます。ですから、「お世話になりました」という言い回しも、過去形へと時系列は変わっていますが、基本的な意味はほとんど変わらないと言えそうです。
「世話になる」を丁寧に言う表現。お世話になる、人の手助けを得ることを恐縮して、謝意を込めて言う表現。「ご厄介になります」のようにも言う。
「お世話様でした」と「お世話になりました」の違い
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結論から言うと、含まれている意味は、「お世話様でした」も「お世話になりました」も、ほとんど変わらないと言えそうです。
しかし、ニュアンスや丁寧さの度合いは異なっています。一般的に、「お世話になりました」という表現は、ビジネスシーンなどでも使える、公式の言い回しだとされています。
一方で、「お世話様でした」という言い回しは、公式の挨拶ではなく、略語や略式的な挨拶だと言われています。そのため、ビジネスシーンなどで使用すると、失礼な印象を与える危険性もあります。
「お世話様でした」は相手との関係性や状況を見極めて使おう
「お世話様でした」という言い回しは、親しい相手などに対して使う分には、問題がないとされています。しかし、正式な挨拶ではないため、上司などの目上の立場の人に対して使用すると、失礼だと思われてしまう危険性があります。
ですから、「お世話様でした」というフレーズは、相手との関係性や状況などをよく見極めた上で使用するようにしましょう。