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漢字別「かかわる」の意味と使い方!
これから「かかわる」の漢字たちが表す意味を確認し、使い分けられるようにしておきましょう。また、使い方にそれぞれ違いがあります。それでは、「かかわる」を漢字ごとの意味で紹介していきます。
関わる
「関」という漢字は「左右両開きの戸」と「糸の先端+昔の子供の髪」の象形で成り立っており、当初は「門を合わせて閉じる」という意味でした。その「合わせて閉じる」から、「互いに(かかわり)合う」の意味が連想されたのでしょう。
「関」を「かか(わる)」と読むのは訓読みですので、常用漢字として公用文でも用いることができます。音読みでは「かん・せき」、常用漢字表外では「からくり」や「かんぬき」と読むこともできます。
係わる
この「かかる」の意味は2つあり、そのうちの1つは「関わる・繋がる・関係がある」を用います。
以上の意味からも分かるように、「関・関わる」と「係・係わる」は同じ意味ですが、使い方には違いがあります。「係」を「かか(わる)」と読むのは、常用漢字表外の読み方になります。すなわち、常用漢字ではないため、公用文での「かかわる」には使わない漢字表記です。
公用文は、公共や公の用務などで用いる文のことで、使用できる漢字は常用漢字のみとなっています。そのため、「係わる」の表記は使えません。
拘わる
この意味的には「関・係」と同じですが、「かかわる」の形としての意味が異なっています。その理由は「拘わる」は「かかわる」の他に、「こだわる・かかずらう(拘う)」と読む点にあります。
「こだわる」は「心が何かに囚われて自由な考えができなくなる」状態を表し、「かかずらう」は「面倒なことに関係する」ことを表す言葉です。
「関・係」は単に「関係する」ことを意味し、特に限定要素はありません。「拘」は「面倒なことに関係すること」を表すため、ネガティブな意味での表現になります。公用文で「かかわる=こだわる・かかずらう」を使う時には「かかわる」を平仮名で表記しましょう。
公用文では?「かかわる」の使い分け方
「こだわる・かかずらう」の意味で「かかわる」を使用する場合の漢字は「拘わる」ですが、これも「係わる」と同じく常用漢字表外になるため、公用文では平仮名表記とします。
以前は常用漢字表外だった?
しかしながら、2010年11月30日付の法令における漢字使用などについての中で、「関わる」が常用漢字に加えられました。
「関わる」が常用漢字ではなかった時もありますが、今は常用漢字として用いられています。公用文や公用書で「かかわる」の語を用いる時には、「関わる」を使いましょう。
敬語における「かかわる」の使い方は?
また、「拘わる」は「面倒なことに関係する」意味で使う「かかわる」ですが、常用漢字表外なので、平仮名の「かかわる」を使う。もしくは「不利益なことに関わる」など「面倒なこと」を示す言葉と「関わる」をつなげた文で表現をします。
「かかわる」の類語になる言葉は?
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連なる
現代では「連なる」を「つながる(関係を持つ)」の意味で使うことはあまりなく、「一列に並んで続く(切れることなく続く)」の意味で用いられることが多いでしょう。
関連
しかし、意味には「物事」とあるため、「人と人の関係」というよりは「物や事」を重点においた「かかわる」を表す時の言い換えに使えるでしょう。
使い方の例としては、「互いに関連する・関連産業・関連性」などがあります。「関(する)」+「連(なる)」と書いて成り立つように、「同じ立ち位置で関係し合っている」の意味が含まれる印象です。
相関
「相」には「互いに」の意味があるため、「あるものとあるものが影響し合う・関連し合う」ことを表す時に使用する「かかわる」の類語になります。
使い方として知られているものは、「相関図」でしょう。ドラマや漫画などの登場人物たちの関係性を表すために書かれるもので、A氏はB氏と友人関係・B氏とC氏は恋人関係・A氏とD氏はライバル関係など、いろんな関係性が記されています。
相関図に記される人の関係性は、「ある人とある人」といった「2つの間」を表しており、「互いに何かしらの影響がある」ことを伝えるためのものになります。
その図は「関係図・関連図」ではなく、「相関図」と呼びます。他の使い方としては「相関する2つの現象」などがあります。
連絡
「連絡」は、「関係者に情報などを知らせること」の意味で使用されることが多く、一般的にはその意味しか知らない方もいることでしょう。しかし、本来は「互いにつながりがあること」といった意味で用いられていた言葉のため、「かかわる」と類語になります。
使い方としては「2つの物事の間に連絡を見出す」などがあり、「かかわる」も含め、他の類語たちとも使い方は同じと言えるでしょう。
混同されがちな「携わる」その違いは?
「かかわる」は単に「関係する」ことを意味しますが、「携わる」は「関係する」ことに加えて、「そのことに従って行う」ことを表します。また、「事柄に関係」と限定された表現になっている点も「かかわる」との違いになります。
つまり、「かかわる」は「関係する」であり、つながりは人・物・事といった全ての内容に渡ります。「携わる」は「事柄に関係する」であり、つながりは人と事といった限られた内容になります。
「関する」とは似ているけど何が違う?
書き言葉とは、文章に適した表現のことです。対になるのは話し言葉と呼ばれるもので、これは口頭に適した表現であり、文章には適さない表現となります。
「関する」が話し言葉というわけではないので、「関する」も文章で使えないことはないのですが、公用文やビジネス文書といった言葉遣いに厳しい文章では、「関わる」を「関する」にした方が良いでしょう。
「伴う」との違いは?
しかし、「伴う」には「関係する・かかわる」といった表現が含まれていません。つまり、「かかわる」とは意味が違うということになるでしょう。
違いは「〜と共に生じる」の点にあり!
表現の仕方としては、「AがあってBが起きる(伴う)」、「BはAに関係がある(かかわる)」といった違いが見られます。
「あなたの人生にかかわること」といった表現では、「伴う」は使えません。なぜなら、「〜と共に生じる」ことを表していないからです。
「火山噴火は地震にかかわる」ならば「火山噴火によって地震が起きる」意味を含むため、「火山噴火に伴い地震が起きる可能性がある」などの文にすることで「伴う」を使うことができます。
状況や状態により「かかわる」の意味を考えて、それに適した表現を使うと良いでしょう。
状況に合った「かかわる」の漢字を使おう!
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「関わる・係わる」の2つには、漢字の読みによる扱い方の違いがあります。「係」を「かかわる」の読みで使うことは常用漢字表外になるため、公用文には使えない表現になります。そのため、「かかわる」の漢字で無難なのは「関わる」です。
公用文やビジネス文書では、「関わる」を使いましょう。また、その他の状況でも、迷った時には「関わる」を使用する方が良いでしょう。