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「補間」の意味と使い方は?
同じ「ホカン」という言葉ですが、「補間」と書くものと「補完」と書くものがあります。このふたつには、どのような違いがあるでしょうか?ここでは、「補間」の意味と使い方について説明をしていきます。
意味は?
まずは「補間」の意味について説明します。「補間」というのは、すでに知っている、または得ることができている数値を使って、まだ分からない部分の数値を求めたり、近似できる関数を決めたりすることを言います。「補間」という字のように、「まだ分かっていない間の部分を補う」ということを表しています。
では、もう少し具体的に説明していきましょう。例として雪が降っているとしましょう。現在、雪は1cm積もっています。2時間後、雪は3cm積もっていました。このとき、1時間後ではどれくらいの雪が積もっていたと予測できるでしょうか?考えるときに難しくならないように、雪は溶けてなくなったりせず、一定量ずつ降り続けるものとします。
1時間ごに積もっている雪は?
では、先ほどの例について考えていきましょう。まず、分かっている情報を整理しましょう。分かっている情報は「はじめ雪は1cm積もっている」ということと、「2時間後に雪は3cm積もっている」ということです。このふたつの情報をもとにして、「1時間に1cm雪が積もれば、2時間後に雪が3cm積もるのではないか」と予測することができます。したがって、1時間後には雪が2cm積もっていると予測できます。
このように、分かっている数値の情報から足りない数値の情報を予測して補うことを「補間する」といいます。
使い方は?
次に、「補間」の使い方について説明します。さきほど例に示したように、分かっている数値の情報をもとにして、足りない部分の数値を予測するときに「補間する」と使うことができます。加えて、ある関数について、すでに分かっている関数の曲線上にある座標のデータを使って、1次式や2次式に近似するというように使うことができます。
「補間」という言葉は、数値計算を行う場面で使われます。したがって、数値計算を行う機会のある理系分野の職場や研究機関で使われることが多いでしょう。
「補間」の類語は?
「補間」という言葉には、似たような意味を持つ言葉があるでしょうか?ここでは、「補間」の類語について説明します。「補間」には、「内挿」という類語があります。「未知の内部の情報を予測して挿入する」と考えると、「補間」の「未知である間の部分を補う」と似たニュアンスであることが分かります。
「補完」の意味と使い方は?
ここまで「補間」の意味や使い方について説明してきました。続いては、同じ「ホカン」と読む「補完」の意味と使い方について説明していきます。
意味は?
まずは「補完」の意味について説明していきます。「補完」には、足りないものを補って完璧にするという意味があります。「補完」という字にあるように、「補って完璧にする」または「不完全なものを補う」というように解釈できます。
では、簡単な例分で「補完」の意味のとらえかたについて見ていきましょう。例として、「協力することによって、互いの欠点を補いあうことができれば、敵なしだ」という文章をみていきます。この文章は「補完」の意味そのものを表すような文章です。この文章のように、「補完」という言葉の意味をとらえるときは、「欠点」つまり足りない部分を補って、「敵なし」つまり完璧な状態をイメージしましょう。
使い方は?
次は使い方について説明していきます。「補完」という言葉は、足りないもの、例えば「欠点」や「弱点」があるときにそれを「補う」場合やそのような状況の時に使いましょう。文章で使うときは、「欠点や弱点を補完する」というように使うことができます。
「補間」と「補完」の違いは?
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ここまで「補間」と「補完」について説明してきました。「補間」と「補完」は、読み方が同じなだけではなく、その意味についても「足りないものを補う」という共通点があることもわかりました。では、「補間」と「補完」には、漢字以外に違いがあるのでしょうか?ここでは「補間」と「補完」の違いについて説明していきます。
決定的な違いはココ!!
ひとことで「補間」と「補完」の違いを言い表すと、それは「補う対象が数値かそうでないか」です。「補間」という言葉を使う場合に補うものは、不足している数値の情報です。それに対して「補完」という言葉を使う場合に補うものは、数値以外の不足しているものです。このように、「補間」と「補完」の違いは、「補う対象」の違いということになります。
「補間」と「補完」の使い分け方は?
先ほどは「補間」と「補完」の違いについて説明しましたが、実際に「補間」と「補完」を使う際にはどのように使い分ければよいでしょうか?ここでは「補間」と「補完」の使い分け方について説明していきます。
補う対象が何かを明確にしよう!
「補間」と「補完」の違いは、「補う対象」の違いであると説明しました。このふたつを使い分けるときのポイントとして、この「補う対象」の違いについておさえておきましょう。もし、「補う対象」が「数値」であるならば「補間」を、そうでないのならば「補完」を使えば良いということになります。
実際に不足している「何か」を補うような場面に遭遇したときに、「ホカン」という言葉を使いたいのであれば、「何か」にあたる部分が「数値」なのか「数値以外のもの」なのかを明確にしましょう。そうすることにより、「補間」と「補完」を場面に合わせて適切に使うことができるでしょう。
補間の方法は?
ここまで「補間」について説明してきましたが、ここでは、実際に補間をする方法にはどのようなものがあるかついて説明していきます。
数列を利用する
数値データによっては、数値が規則的に変化しているものもあるでしょう。規則的にデータの数値が増減している場合は等差数列を、規則的にデータの数値が倍になっていくようであれば等比数列を利用して数値を予測し、補間することができます。もしもデータにこれらの規則性を見つけることができれば、数列を利用することもできるでしょう。
近似直線や曲線を利用して補間する
補間をする際の一つの方法としては、すでに分かっている数値のデータから近似式を求め、その式をもとにして情報の無い部分を求めていくという方法が考えられます。厳密さを重視しないのであれば、グラフ用紙を使ってフリーハンドで直線や曲線を描き、線上の座標を読むことでおおよその数値を知ることができます。
ある程度の正確性が欲しい場合は、統計学の近似直線や近似曲線を求めるための知識が必要になってきます。
補間公式を利用する
他の補間をする方法としては、補間公式を利用するということが考えられます。補間の公式はひとつだけではなく、ラグランジュの補間公式やニュートンの補間公式など複数あります。このような補間公式を利用するときは、公式とその使い方を知っておく必要があります。
「補間」のアルゴリズムは?
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先ほどは補間をするにはどのような方法があるかについて説明したので、ここでは補間のアルゴリズムについて説明していきます。説明するアルゴリズムについては、専門性の高くないグラフをフリーハンドで描いてそれを利用して補間する方法のアルゴリズムについて説明します。
そもそもアルゴリズムとは?
補間のアルゴリズムを説明する前に、まずはアルゴリズムの意味について説明しておきます。アルゴリズムを日本語にすると「手順」になります。したがって、アルゴリズムを一言でいうと「手順」のことなのですが、もう少し具体的に説明すると、アルゴリズムは「目的の完遂に必要な演算や処理操作などの手順」のことです。
したがって、ここでは補間によって不足している数値の情報を得るために必要な操作手順を説明していくトピックとなります。
補間のアルゴリズム
それでは、補間のアルゴリズムについて説明していきます。
必要なもの
まずはじめに、作業に必要なものや、あった方が良いものについて説明します。作業にあたって、まずはグラフ用紙と筆記用具が最低限必要になります。また、直線をきれいに引くために定規もあった方が良いでしょう。グラフ用紙については、白紙ではなく、目盛りがついているものの方が良いでしょう。
グラフの軸を設定する
物の準備ができたら、いよいよ作業に入ります。まずは、グラフにするデータについて、どれをたて軸、横軸にとるのかを決めましょう。
グラフにデータをプロットする
グラフの軸を設定したら、あとはデータの数値に対応する点をグラフ用紙に打ちましょう。点を打つ際は、点がしっかりと判別できるようにしましょう。
直線や曲線を引く
データの数値に対応する点を打ち終わったら、点を結んで直線や曲線を引きましょう。直線を引く際に点が一直線上に並んでいなくて、そのまま引くとギザギザになってしまう場合は、点と点の間を通るような直線を引きましょう。その時のポイントは、各点と直線の距離が、なるべく等間隔になるように引くことです。曲線を引く場合は、点と点を結ぶ際になるべく自然な曲線となるように心がけましょう。
直線上の座標や曲線上の座標を読み取る
線まで引き終えたら、後は必要な部分の数値を直線上の座標や曲線上の座標から読み取りましょう。これで未知の部分の数値の情報を補間する作業が終了となります。
「補間」の計算方法は?
補間のアルゴリズムについては、手書きのグラフを利用した補間方法について説明したので、この方法の補間についての計算方法を付け足しで説明します。この方法において補間の計算が必要になるのは、グラフに収まらないほど大きい、または小さいデータの数値を知りたいといった場合が考えられます。ここでは、そのような場合の補間の計算方法について説明します。
計算方法
グラフに直線、または曲線を描き終えたあと、線上の点を選んで線の関数を求めましょう。例として直線の場合について取り上げます。直線は、たて軸をy、よこ軸をxとすると、y=ax+bという式になります。ここで、aとbは定数です。まずはグラフに描いた直線から、適当にふたつ直線上の点を選んでy=ax+bにそれぞれ代入しましょう。
次に、代入してできたふたつの式から、aとbの値を求めましょう。aとbを求めることができたら、直線の式がわかったことになります。直線の式がわかったら、後はxの値を選んで式に代入することで、yの値がわかるのでグラフに収まらない範囲のデータも補間できます。
曲線でも同様に点を複数個選んで曲線の式を求めてデータを補間することができます。
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まずは「補間」と「補完」の使い間違いに注意!!
今回は「補間」についてと、「補完」との違いについてを説明してきました。間違えて違う「ホカン」を使っていたという方もいるでしょう。「補間」と「補完」では、「補う対象」が違うということをおさえて、まずは正しい「ホカン」を使いこなすことを心がけましょう。