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「手をかける」の慣用句の意味と使い方・例文
意味1:手間をかける・人手を費やす・手数をかける
例文
・この作品には手をかけたので、とても自信があります。
・休日になると父は手をかけた料理を作ってくれます。
・会社がここまで大きくなるために、長年手をかけてきました。
意味2:殺す
例文
・どうしても我慢できなくなって、彼は飼い犬に手をかけてしまいました。
・彼女に手をかけたのは、わたしです。
・このまま一緒にいては、彼女に手をかけそうになってしまったので、別れを選びました。
意味3:手出しをする・盗みをする
例文
・店員がこちらを見ていない隙をついて、商品に手をかけました。
・母が昼寝をしている時に、財布に手をかけました。
・通りかかった家の窓が開いていて、高価そうな宝石が目にはいったので、手をかけてしまいました。
「手をかける」の類語・言い換え
相手に肉体的に暴力をふるうという意味の類語
・痛めつける
・傷つける
・虐待する
・いじめる
・袋叩きにする
・暴行する
・暴力をふるう
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手間をかけて作ったり育てたりするという意味の類語
・精魂をこめる
・手をかける
・手塩にかける
・丹念に育てる
・情熱を注ぐ
子育てで「手をかける」という言葉を使う場合の意味
「手をかける」
子育てでは、手をかけすぎてしまったり、反対に手をかけなさすぎてしまうことで、年齢に対してできないことが多かったり、最低限のマナーを知らなかったりする場合があると考えられています。
手をかけすぎる・手をかけなさすぎる
反対に、手をかけなさすぎてしまうことで、挨拶ができなかったり、人とのコミュニケーションをうまく取れなかったりして、孤立してしまう場合もあります。子育てでは、手をかけすぎたり、手をかけなさすぎたりしないで、子供の自主性を育てることが大切と考えられています。
例文
・手をかけて子供を育てることが、大切だと教えられました。
・子育てに手をかけすぎてしまったから、いつまでたっても兄が就職しないと母が嘆いていました。
・子育ては、手をかけすぎてもいけないし、手をかけなさすぎてもいけないといいます。
目をかける
子育ての場面では「目をかける」という言葉は、兄弟の中や、大勢の子供たちの中で、特定の子を特別に可愛がったり面倒をみたりする場合に使われます。
例文
・母は体の弱い妹に、特に目をかけています。
・社長は父親を亡くした僕のことを心配して、いつも目をかけてくれています。
・私と兄は親子ほど年が離れているので、兄は目をかけてくれています。
心をかける
例文
・子育てで大切なことは、子供がいくつになっても心をかけることだと教えてもらいました。
・兄弟の人数は多かったけれど、母はいつもみんなに心をかけてくれました。
・私は幼い頃から父は単身赴任をしていて、離れて暮らしていましたが、父はいつも私に心をかけてくれていたと母に教えられました。
「手をかける」の漢字
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「掛ける」の意味
・物を壁などの高いところに運んで上部を固定してぶら下げること。
・椅子などの上に座ること。
・物を取り外しのできる状態で、他の物に取り付けること。
・気持ちをそこに置いたり、配慮したりすること。
例文
・壁に大きな柱時計を掛けるために、家族みんなで協力しました。
・彼は旅で疲れた体を癒すために、ソファに腰掛けました。
・弟は何度も練習して、やっとパジャマのボタンを掛けられるようになりました。
・祖父は生前ずっと、私に心を掛けていたと祖母が話してくれました。
「手をかける」の敬語
丁寧語
自分や自分に関わる誰かのために、相手の労力や時間を使わせてしまった場合には、「お手数をかけてしまい」という言葉を使います。「お手間を取らせてしまい」「お手数をかけてしまい」という言葉は、お願いをしたり謝ったりするときに使います。
注意点
例文
・お忙しいところ、お手間を取らせてしまい申し訳ございませんでした。
・この度は、お手数をかけてしまい申し訳ございませんでした。
・お手間を取らせませんので、お伺いしてもよろしいでしょうか。
「手をかける」に「お」はつけない
「手をかける」は方言なのか
「手をかける」という表現を聞きなれない場合には、方言だと思うこともありますが、方言ではないので間違えないように注意しましょう。
「手」という言葉を使った慣用句・1
・手が空く(てがあく):仕事がひと段落して時間ができること。
・手が付けられない(てがつけられない):手段や方法がなくて、どうしようもないこと。
・手が無い(てがない):人手が足りないこと、働き手がないこと。なすすべがないこと。
・手が早い(てがはやい):仕事が早いこと。知り合った異性とすぐ関係を持つこと。すぐに暴力をふるうこと。
・手が塞がる(てがふさがる):していることがあって、ほかのことができない状態のこと。
・手を借りる(てをかりる):手助けや、手伝いをしてもらうこと。
・手を染める(てをそめる):事業などを始めたり、関わったりすること。
・手が届く(てがとどく):自分の力でできる範囲内にあること。世話が行き届くこと。
・手が回る(てがまわる):世話が行き届くこと。捜査の手配をされること。
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「手」という言葉を使った慣用句・2
・手を離れる(てをはなれる):所有でなくなったり、思い通りに動かせなくなったりすること。看護や庇護が不要になること。
・手を煩わす(てをわずらわす):面倒をかけたり、世話になったりすること。
・手取り足取り(てとりあしとり):丁寧に教えたり、行き届いた世話をしたりすること。
・手を揉む(てをもむ):不安や怒りでじっとしていられないこと。恐縮したりへつらったりすること。
・手心を加える(てごころをくわえる):相手の事情に合わせて、手加減すること。
・手に入る(てにはいる):自分の所有になること。
・手を切る(てをきる):今までの関係を断ち切ること。
・手が有る(てがある):働き手がいること。手段があること。
・手を組む(てをくむ):協力すること。
「手をかける」にはさまざまな意味があります
また、「手をかける」という言葉には「殺す」という意味もあります。「手をかけてしまった」というように、殺してしまったことを意味する使い方もあるため注意して使いましょう。
「手をかける」という言葉は慣用句のため、聞き慣れない場合には方言だと思う場合がありますが、方言ではないため間違えないようにしましょう。「手」という言葉を使った慣用句はたくさんあるため、意味や使い方を覚えて日常生活の会話の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。