cms-import-tapbiz-wp

日本人の集団意識の原因と影響・意味と例・メリット|いじめ

[allpage_toc]

日本人の集団意識の原因と影響

日本人は集団意識が強いと言われますが、この意識は高度経済成長期には少なからずプラスに働いて大きな成果を残す原動力となりました。ですが集団意識の源となる「和」を乱す変化や決定事項には、アレルギーともとれる拒否反応を示されることが少なくありません。

その意味で日本の会社は急激な変化に弱い事が一部の識者も指摘されており、いずれこのままだと日本の会社は海外とのビジネスで、変化の激しいこの時代に取り残されてしまう懸念があります。

変化を迫られている日本人の集団意識とは、どういう所で、どのように見られるかを検証していきます。

会社における集団意識

日本の会社において、集団意識とは仕事のみならず慰安旅行に代表されるイベントでも必要なものでした。例えば全社で温泉旅行に行く事になると、強制こそはされませんが社員はそれとなく参加を促されます。親切な人ならばその楽しさを教えてもらうこともできます。

旅行の余興ではカラオケもありますが、社員それぞれのレパートリーが被らないように、歌う人は気を配らなければなりません。間違っても目上の人の十八番を新入社員が歌うようなことはあってはなりません。

会社の社員間の親睦と集団意識を深めるために行われていた社員旅行ですが、社員の流動が激しくなった現在では、このようなイベントはあまり見かけなくなりました。

教育などに見られる集団意識

日本の学校教育では、「みんなと同じことをやる」という集団意識ありきで、学校の夏休みの工作の宿題から運動会の騎馬戦といったプログラムまで決められている側面があります。

しかし、あまり積極的でない子にとっては苦痛この上なく、夏休みの工作の宿題は「取り敢えずお茶をにごす」やっつけ仕事に、運動会は「いやいや出る」といったように、強制でやらされた感が後々まで残るという負の側面もあります。

「クラスのみんなに与えられた課題だからさぼる訳にはいかない」といった集団意識からくる辛抱を覚えるだけでもプラス面があるではないかという意見もありますが、子供たちにとっては自分の不得意な面が人に見られて恥ずかしいという負担になっています。

そこで生徒の取り柄を見つけて伸ばす教育があげられています。そのやり方は、適性を見極める上では素晴らしいシステムです。

「集団意識」の意味と例

「集団意識」とは、会社や学校などある集団の一員として属する意識という意味もありますが、友達などのグループで仲間内の決まり事を守るという意味でも使われます。

このような日本人の集団意識は、友達付き合いから会社までありとあらゆる所で見られますが、これは集団がまとまって動くためには大きなプラスとなります。しかし、集団の意に沿えない行動を取らざるを得ない時には大きな足かせとなります。

このような集団がある社会では、爪弾きにされてしまったら孤立無援の憂き目にあってしまいます。そうならないためにも、集団に属する人は「浮く」ようなことがないよう細心の注意を払う必要があります。

集団意識のメリットとデメリット

集団意識を持つことのメリットは集団の一員が他の仲間の事を考えて大きなミスが無いように配慮して動く事で、効率の面でも非常に有効な意識と考えられます。

しかし、会議などの場面ではその集団独自の空気もあって、異論が出し辛い空気になる事により大きな落とし穴を見過ごしてしまう危険もあります。ですから集団意識を持つことは、無難だからと決めつけるのは危険です。

集団意識から来る協調性を育てるには

学校の教育の一環でクラス対抗のコーラスなどの音楽コンクールがありますが、これはみんなで力を合わせて栄冠を勝ち取るという集団意識を教育する大変身近な例ということができます。

歌の巧拙よりも、めいめいの声がしっかりと出ているかどうかに評価の力点が置かれ、そのために練習では「まとまる」ことに力点が置かれます。歌が下手な生徒でも、協調性を持って頑張れば報われるということを感じさせるにも有効です。

集団意識から来るいじめなど

職場の仲間から「浮くこと」でうけるいじめを極度に恐れた結果、自分の身を亡ぼす例もあります。

漫画「闇金ウシジマくん」でOL内での集団意識を異常に気にした村田久美子は、地方から上京して家賃が必要であるにも関わらず、OL仲間との食事や海外旅行に同行するばかりか、仲間内でも軽く見られないようにブランドで全身を固める生活を送ってきました。

そこで窮余の一策のつもりでウシジマくんこと丑島馨のカウカウファイナンスからお金を借りますが、すぐにOL業だけでは返済不能の状況になった事で丑島が紹介した風俗で働き始めます。そして意を決してOL連との付き合いを断っていじめに遭ってしまいます。

そして、OLの仕事ばかりか彼氏などあらゆる物を失ってしまう結末を迎えるのですが、彼女の悲劇はついていけないと感じたグループを「切る」勇気が無かったことといえます。

なぜ女は集団意識が強いのか

[no_toc]

女性のグループを見かけるケースはそれこそいろいろな所でありますが、これは女性は共感を共有できる相手を常に探している所からきているものであり、そもそも女性が男性と一緒になりたがるのは、男性と「二人ぼっち」になりたいと考えるからという意見もあります。

考えてみれば、会社などでも入社したばかりの人は別として、大概の女性は女性同士のグループで一緒にいる事が多いです。これは表面上でも女性の同僚とはうまくやっていこうとする集団意識から来るもので、それほどまでに孤独を恐れているからこそ集団意識が強いということができます。

男から見た女の集団意識

集団意識を持っていても、ざっと見ても男性と女性とでは上下関係、陰口の有無、噂話の有無、恋バナの有無といった違いがありますが、その話の内容からは評価基準の違いもあります。

男性はあくまでも実力で評価しますが、女性は評判の要素が加わります。ですから、男性が女性の評判を気にして聞き耳を立てても、女性の評価を鵜呑みにすることはできないと考えるべきです。

男独特の集団意識

一緒に修羅場をくぐった仲間同士であれば、男女関係無く「戦友としての絆」が生まれますが、男の場合はオスの本能として力が上ならば相手に対してマウンティングをする意識が無意識に働き、逆に下ならば引け目と悔しい思いが交錯した意識を持つことになります。

それでも慕い合う関係があればいいのですが、部活などといった場では体育会のノリをもって、男の先輩の命令で恨みを持つような事をやらされることもあります。ですが、それもまた「良い思い出となった」として集団意識を高める面もあると捉えられています。

海外から見る日本の集団意識とその反応

日本の企業と欧米の企業のマネジメントの違いは、チームワークに対する意識の差とも言われます。日本人はその企業で必要なスキルがあるかどうかよりも、「皆とうまくやって行けるか」という人間関係の中の集団意識に目がいきます。しかし、欧米の企業では違います。

欧米の企業の集団意識

欧米の企業では性格も技術も違う者同士をチームに在籍させた上でマネジメントが行なわれますが、当然不和による衝突やメンバーの脱退も起こり得ます。ですが欧米人の仕事におけるチームの強さはそのような多様性であり、チームリーダーはそのためにメンバーをケアしつつゴールに向かって獅子奮迅します。

そして現在において欧米の仕事のチームが日本人のチームに大きなアドバンテージを持っているのが「意思決定のスピード」です。オフィシャルページ一つ作る際にも、日本人はそのために外部のデザイナーを雇うことをしません。このことからも欧米の企業に差を付けられる懸念があります。

そこで日本人も集団意識に囚われない事が重要になってきますが、欧米の人は日本人の集団意識をどのように感じているのでしょうか。

外国人の反応

ある外国のレストランで、日本人の集団旅行客が店内に入って料理を頼んだところ、皆が同じ料理を注文した事に店のスタッフはビックリしました。これも日本人ならではの集団意識から来る行動の一例ですが、「自我」が見えない日本人の行動は、欧米人にとっては奇異に映っています。

最近では、このような集団旅行客は海外でも見かけなくなりましたが、その代わりに外国のレストランで「を注文して欲しい」という注文が日本人観光客から出る事が良くあります。

色々な情報が手に入れやすくなった現在では、以前の様な集団意識は無くなってきてはいますが、自我が見えない日本人の行動は欧米人にとっても日本人はあまり変わっていないと考えられています。良くも悪くも集団意識に染まりやすいとも言えます。

帰国子女の反応

子供の頃に親の仕事の都合で海外で育ち、成長した後に日本に帰って来た「帰国子女」の人には、集団意識をもって動く日本人が奇異に映っています。

暗黙の了解で女子社員が当番制でお茶淹れを行うような事は、海外の会社では面接の段階で拒否をすることは可能な場合もあります。しかし、日本の会社では集団意識の喚起を訴えて、お茶淹れを嘆願されることがあります。

海外の労務経験に慣れた人からは、業績を上げてさえいれば良いだろうという意見もありますが、和気あいあいとした雰囲気を大切にする日本の社会で暮らしていくには、わきまえる必要があることの一つとして覚えておく方が無難です。

外国人の良い意味での反応

高い集団意識を持った集団は、家族のようなまとまりを見せます。良い意味で和気あいあいとしながら目標に向かって邁進して行きます。

阪急ブレーブス(現オリックスバファローズ)に所属していた助っ人外人、アニマル・レスリー投手は当時の球団の様子を、チームのナインも裏方も皆が家族のようだという風にその仲の良さを絶賛していました。彼によると、メジャーのチームは個人主義による弊害が目立っているのとのことでした。

集団意識から日本の良さに魅せられた彼は、野球を引退した後も日本でタレントとして活躍した事はご承知のとおりです。

韓国人の集団意識

韓国人は家族を大切にするほか、何か自分と共通点があると「グループ」としてまとまりを見せる傾向があります。例えばシェアハウスで皆と同じ屋根の下で暮らすという状況になれば、自分のものを気前よくシェアする傾向もあります。

ですから、もしも韓国人の仲間とうまくやっていきたいと思ったら、自分のものもシェアしてあげましょう。最近では日本人でも「お一人様」が増えたようですが、韓国人は何をするにもみんなと一緒という少し前の日本の文化が残っており、ある意味集団意識は「濃い」といえます。

[no_toc]

これからの集団意識の在り方

「ムラ社会」と言われる日本社会では、集団意識は周囲との和を保つためにも、生産性を上げる上でも大切なものでした。それは終身雇用制度と相俟って、社員がその会社で長く勤めていくうちに「阿吽の呼吸」を会得してチームプレイを行う上でも欠かせないものです。

しかし、終身雇用制度が崩壊して会社の社員構成が流動的になった現在では、その会社での集団意識を持とうにもある事情で転職せざるを得ないこともあります。そのため会社内で共有する集団意識を徹底させることは以前に比べて難しくなってきています。

日本の会社員の集団意識の特徴は「空気を読む」「上司の意向を汲む」事に収斂されがちですが、いつなんどき大きな変化を求められるか判らない現在では、勇気を持って変革の声を上げることも必要になります。その声を受け止める度量が、今の日本の会社で集団意識を持っている人に求められています。

モバイルバージョンを終了