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「詮無い」の意味と使い方・語源・類語・方言・読み方|仕方ない

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「詮無い」の読み方は?

「詮無い」の読み方は、「せんない」です。「詮」を「せん」と読んで使用することはそれほど多くないため、ひらがな表記で用いられることも少なくありません。

「詮無い」の意味とは?

「詮無い」の意味は、「仕方がない・甲斐がない・無益だ」です。これだけではどのようなことを表しているのかがイメージしにくいと言えるため、「詮無い」が表すことを理解できるように「仕方がない・甲斐がない・無益だ」のそれぞれにある意味を見ていきましょう。

仕方ない

「仕方がない」と言うのが正式であり、「仕方ない」は「が」を抜いた省略形となります。また、「仕方ない」は話し言葉として扱われます。「仕方ない」の正式な形である「仕方がない」の意味は、3つあります。

1つ目は「どうすることもできない・他に良い方法がない・やむを得ない」の意味で、「仕方がないからそれで行う」などの使い方をします。2つ目の意味は「良くない・困る」で、使い方としては「仕方がない人」などがあります。3つ目は「我慢ができない・たまらない」という意味で、「会いたくて仕方がない」などの使い方をします。

甲斐がない

「甲斐がない」は、「仕方がない」を「仕方ない」と言うように、「甲斐ない」や「甲斐なし」と言うこともあります。意味は、「物事を行ったことに見合う成果がない・やった意味がない」です。「甲斐」=「その行為に値するだけのしるし」の意味であり、それを「ない」で否定しているため、「その行為に値するだけのしるしがない」=「物事を行ったことに見合う成果がない」の意味になります。

無益だ

「無益」の意味は、「利益にならないこと・無駄なこと」または「そのさま」です。「利益」というのは「得」のことで、「ためになる・役に立つもの」を意味します。その「利益」を「ならない」の言葉で否定しているため、「無益」は「損・ためにならない・役に立たない」を表す言葉になります。

それらは総じて、「無駄なこと」ともいえます。「無駄」は「しただけの効果や効用がない・役に立たない」を意味する言葉ですので、「無益」は「ためにならない損なこと」を表す時に使います。

「詮無い」の使い方と例文!

「仕方ない・甲斐がない・無益だ」の意味を持つ「詮無い」は、どのような使い方をするのでしょうか。例文を通して、使い方をご紹介していきます。

「詮無い話」という形になりますが、この意味は「仕方ない」で考えれば「良くない話・困る話」になり、「甲斐がない」で考えれば「意味のない話」、「無益だ」で考えれば「無駄な話」になります。文脈によって、どの意味合いで用いられているのかは多少異なりますが、いずれにしても「良くない」意味です。以下は、例文になります。

「詮無い話をするな」
「詮無い話だが聞いてくれるかい」
「久々に会った友人と詮無い話で盛り上がった」

「話」に関しては、「無駄な話」の意味で「詮無い」が用いられている印象が強いです。「意味のない話」の意味も当てはめることができますが、「意味のない話(甲斐のない話)」=「無駄な話(無益な話)」とも考えられるため、どちらの意味でも同じことを表していると言えます。

詮無いことです

「詮無いことです」が表すことは、「仕方ない」の意味なら「どうすることもできないことです・他に良い方法がないことです」になりますが、「甲斐のない」の意味なら「行ったことに見合う成果がないことです・やる意味がないことです」、「無益だ」なら「利益にならないことです・無駄なことです」の表現になります。以下は、例文です。

「言ったところで詮無いことです」
「今となっては詮無いことだ」

以上の例文からすると、「詮無いことです」は「やる意味がないこと(甲斐のない)」か「無駄なこと(無益だ)」の意味で用いられることが多い印象があります。「言ったところで詮無いことです」=「言っても意味がないことです」、「今となっては詮無いことだ」=「今となっては無駄なことだ」の意味で使用されることが多いです。

詮無いもの

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「詮無いもの」が表すことは、「仕方ないもの」ならば「困るもの」、「甲斐のないもの」なら「意味のないもの」、「無益なもの」なら「無駄なもの」になると考えられます。以下は、例文になります。

「詮無いものと分かっているが捨てられない」
「生活にとって詮無いだろうと思い購入しなかった」

どちらの例文も、「詮無いもの」=「無駄なもの」という印象が強いです。そのことを踏まえると、以上の例文は「無駄なものと分かっているが捨てられない」「生活にとって無駄なものだろうと思い購入しなかった」ということを表しています。

詮無い人

「詮無い人」には、「仕方ない」=「困る」の意味が用いられています。「仕方ない」には「どうすることもできない」の意味もありましたが、「詮無い人」という表現では「仕方ない人」=「困る人」=「(こちらが)どうすることもできない人」といった意味合いになります。場合によっては、「詮無いやつ」とも言われます。以下は、例文です。

「いつまで経っても詮無いやつだ」
「詮無い人に情けは無用」

「詮無いやつ」と言う方が、「困った人でありどうしようもない人」感が強い表現になります。また、「やつ」という表現は丁寧な言葉遣いではないため、時と場合によっては使わない方が良いです。日頃から、「人・者」といった表現を使用しておいた方が良いと言えます。

「詮無い」の語源は?

「詮無い」という言葉がどのようにして生まれたのか、語源に関する言葉や説をご紹介します。

「詮」には、「明らか・道理を解き明かす・物事の道理・その行為に見合う効果(しるし・甲斐)・手段・肝要な点」といった意味があります。意味の中に「甲斐」があるように、「その行為に見合う効果」の意味では「詮」と「甲斐」は同じ意味になります。つまり、「甲斐ない」と「詮無い」は同義語ということです。

詮ずる

「詮無い」の「詮」を使った、「詮ずる」という語もあります。この意味は「詳しく調べて考える」で、「詮」の意味にあった「道理を解き明かす」が濃い言葉だと言えます。「詮ずる所」といった表現は「所詮」と同義で、「あれこれ考えたりした結論として」の意味で使います。この意味および使い方は、「結局」と似ています。

せんかたない

「せんかたない」は、漢字で書くと「為ん方無い」になります。意味は「なすべき方法がない(仕方ない)」と「たまらなく悲しい(悲しみに耐え難い)」の2つで、「詮無い」に関するのは前者の意味です。

「せんかたない」と「せんない」は言葉の響きが似通っているため、「為ん方無い」の漢字が変化して「詮方無い」となり、そこから「詮無い」が誕生したのではないか、という説もあります。

「詮無い」の類語は?

「詮無い」の意味としてご紹介した「仕方ない・甲斐がない、無益」も類語になりますが、意味などに関して既にお伝えしているため、類語の項目では省きます。それら意味にある言葉たち以外にも類語が存在するするため、言い換えの参考に見ておきましょう。

やむを得ない

「やむを得ない」の「やむ」は「止む」または「已む」のことで、「続いてきたことがそこで終わりになる」意味を持ちます。「得ない」は「得る(できる)」の否定形ですので、「できない」の意味があります。

それらが組み合わさった「やむを得ない」は、「止まることができない」の意味になりますが、それから派生して「仕方がない・しようがない・他に手立てがない」ことも表す語になりました。「仕方がない」の意味と同義になると言えます。

果敢ない

「はかない」と読み、一般的には「儚い」の表記が主流てす。意味は7つほどありますが、その中で「詮無い」と同じ表現になる意味は「甲斐がない・無駄である」です。古文で見かける意味であり、現代では「虚しく消えていく」の意味で用いられることが多い「果敢ない」ですが、今でも「詮無い」と類語になる意味として使うことも可能です。

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むなしい

漢字では「虚しい」または「空しい」と書きますが、どちらも常用漢字表外になります。「むなしい」の意味は「空虚・かりそめ・事実無根」などがありますが、「詮無い」の類語になる意味は「無益である(無駄である・甲斐がない)」です。

無駄

「無駄」の意味は、「しただけの効果や効用のないこと(役に立たないこと)」と「無駄口」の2つです。「詮無い」の類語になる意味は前者の「しただけの効果や効用のないこと(役に立たないこと)」で、「詮無い」よりも一般的によく用いられています。

徒爾

「とじ」と読みます。意味は「無益・無駄」で、「詮無い」の類語になります。一般的にはあまり見聞きしない上に、使用されている漢字が難しいため、使える時に使ってみると良いでしょう。

不毛

「不毛」の意味は、「見るべき成果がない」です。「そのことに合った成果が得られない(無益・無駄)」ことを表す言葉ですので、「詮無い」の類語になると言えます。

「詮無い」は方言?方言にもなる地域とは

「詮無いって方言?」と思われることもありますが、「詮無い」は標準語です。古文にも登場しており、辞書でも標準語として説明されています。そのため、どこの地域で使用しても問題はありません。

山口弁「せんない」

山口県の方言には、「せんない」という言葉があります。これは主にひらがな表記で用いられており、標準語としての「詮無い」とは別の扱いになります。山口県の方言としての「せんない」にある意味は、「面倒くさい・つまらない」です。「つまらない」は「無益な」につながるとも言えますが、「詮無い」と方言「せんない」は別物になります。

「詮無い」は方言ではない!正しく解釈しよう

「詮無い」の意味は、「仕方ない・甲斐がない・無益だ」です。「困る人・意味のないこと・しただけの効果などが得られないこと」などを、表す時に使用します。方言と思われることもありますが、全国共通の標準語です。

類語には「果敢ない・むなしい・無駄・徒爾・不毛」などがありましたが、表す内容によってはこれらに言い換えた方が良い場合もありますので、「仕方ない・甲斐がない・無益だ」の言葉も含め、状況や内容に応じた使い分けをしましょう。

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