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「不用意」の意味と使い方・発言をなくす方法・類語|不容易

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「不用意」の意味と使い方

テレビや新聞のニュースなどで、政治家やタレントといった有名人の失言が取り上げられた際に「不用意な発言」という言い方を耳にします。ここではその「不用意」という言い方について、意味や使い方などさまざまな観点から見てみましょう。

「不用意」という言葉の意味

「不用意」という語の意味は、字から考えると「用意をしていない」ということです。

ここで「用意」という語についてもう少し詳しく見てみると、一般的によく使われるような「準備」「支度」(前もって必要なものを揃え整えておく)という意味もありますが、一方では「用心」や「配慮」(細かいところにまで気を配る)という意味も持っています。

「不用意」という言葉における「用意」は、どちらかと言えば後者の意味合いが強く、「注意や配慮が足りずうっかりしていること」という意味になります。

使い方としては、「不用意に」という形で副詞として用いられる場合と、「不用意な」という形で形容詞として用いられる場合が一般的です。そこで次にそれぞれの使い方を見てみましょう。

「不用意に」

「不用意に」という形で用いられる場合、前述のように後に続く動詞などを修飾する副詞という形になり、「注意や用心が足りない」という意味合いを持っています。

「不用意に飛び出す」

急いで道を渡ろうとして、周りをよく確認しないままでいきなり前へ出てしまった場合や、見通しの悪い曲がり角などで、前に気をつけずにそのまま曲がりかけて慌てて立ち止まる場合などで用いられます。


・車が来ていたのに不用意に飛び出した。不用意に飛び出して前から来た人とぶつかりそうになった。

また、誰かの身に危険が迫っている時などで、何も考えずとっさに身体が動いて前に出てしまうといった場合にも用いられます。


・子どもをかばおうとナイフの前に不用意に飛び出した

「不用意に言葉をかける」

誰かが集中して何かに取り組んでいる最中などに、深く考えず気軽に声をかけてしまい、作業を中断させたり効率を悪くしてしまったりした場合などに用いられます。


・不用意に言葉をかけられ作業が滞ってしまった

また、悲しみにくれる人を皆が気遣って遠巻きに見守っている中、そのことに全く気付かずに気軽に慰めの言葉を口にしてしまい、当人や周囲に怒られるといった場合にも用いられます。


・不用意に頑張れと言葉をかけたため周りから顰蹙を買ってしまった

「不用意な」

では次に「不用意な」という形容詞として使われる場合について見てみましょう。この場合の「不用意」には、「用心や心遣いが足りない」という意味と「準備が行き届いていない」という両方の意味合いがあり、前後の文脈や状況によって変わります。

「不用意な発言」

「不用意な」という言葉において、よく見られる使い方です。改まった席での発言では、謙遜としての意味合いで用いられることもありますが、この場合の「不用意」は注意や配慮という意味だけではなく、準備が行き届いていないという意味合いも含まれています。


・不用意な発言をおゆるしください
・不用意な発言によって失脚した

「不用意なまま~する」

また、「不用意」という言葉を用意が整っていないことという意味で、「不用意なまま~する」という言い方も一般的です。


・不用意なまま作業をしてミスにつながった
・不用意なまま試験に臨むはめになった

「不用意」という語の類語や言い換え

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ここまで「不用意」という語の意味や使い方を見てきましたが、次に類語や言い換え表現にはどういったものがあるかを見てみましょう。

軽率/軽はずみ

深く考えずに軽々しくその場のはずみで物事をしてしまう様子を表します。


・軽率な振る舞いは控えるように
・軽はずみな言動で誤解を招く

迂闊

慎重さや注意力が足りずにぼんやりしている様子を表します。


・迂闊にもよく読まずにサインをして大損になってしまった

手抜かり/手落ち

不注意によって、しなければならないことを損なってしまうことを表します。


・会場係の手抜かりによって入口に大行列ができてしまった
・手落ちがないようよく確認してください

油断

気が緩んで注意を怠ることを表します。


・油断してミスを連発してしまった
・油断大敵

不行き届き

注意や配慮が行き届かないことを表します。


・監督不行き届きで辞任した

「不用意」と似た言葉との違い

「不用意」という語と似た意味を持つ言葉は他にも数多くあります。類語として挙げてきたのはごく一部ですが、次に意味だけではなく漢字や字面のよく似た言葉について見てみましょう。

不用心(無用心)

この言葉には大きく分けて二つの意味があります。一つめは警戒を怠り用心が足りないことという意味です。


・戸締りが不用心な家

もう一つは治安が悪く物騒なさまという意味です。


・夜道の一人歩きは不用心です

特に一つめの意味に関して、「不用意」という語と共通する部分もありますが、二つめの意味を考え合わせると言い換えが可能なほどよく似た表現とは言えないでしょう。

不注意

注意が足りず、重要なことに気が付かない様子を表す言葉です。


・不注意な一言が相手を傷付けた

「不用意」という語と比べると、「配慮が足りない」という意味ではよく似た表現ですが、「準備が足りない」という意味合いで用いられるよりは「うかつな」という意味合いで用いられることが多くなっています。

不必要

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「不必要」は文字どおり「必要がないこと」つまり「なくても差しさわりのないこと」という意味を表します。


・不必要に大きな声で話す

「不用」という言い方もあることから、字面の似た言葉ではありますが、意味や使い方は「不用意」とは全く異なると言えます。

ここで紹介した言葉以外にも、字面や使い方の似た言葉はありますが、「用意」と同じ音を持つ「容易」(「たやすい」)という語に関して、「不容易」という表現は日本語では見当たらず、「容易」を打ち消す場合には、「容易ならぬ」(「そうたやすくはない、重大である」)という形で用いられるのが一般的です。

「不用意」という語の対義語

「不用意」と似た言葉に関してここまで見てきましたが、一方で反対の意味を持つ言葉にはどういったものがあるでしょうか。順に見てみましょう。

用意周到

全てにわたって準備が整い、少しも手抜かりのないことを表します。


・用意周到な実施計画

この言葉はよくある中国語源の四字熟語ではなく、明治期における日本独自の造語であると言われています。

よく似た言葉に「用意万端(よういばんたん)」や「用心堅固(ようじんけんご)」という表現がありますが、「用意万端」は準備全般を表し、「用心堅固」はきわめて注意深いことを表す言葉です。

用心深い

「用心」とは先に挙げた「用心堅固」という言葉にもあるように、心配りや気遣いあるいは万一に備えて注意や警戒を怠らないことを表す語です。つまり「用心深い」という語は、十分に注意して警戒する様子を表す言葉です。


・登下校の様子を用心深く見守る

慎重

「慎重」という語も「不用意」の対義語の一つです。「慎重」とは、注意深くて物事を軽々しくは行わない様子を表します。


・勝敗は見えているが慎重な態度を崩さなかった

このように、「不用意」と反対の意味を持つ言葉は、意味合いから考えると他にも数多くあります。


・手堅い
・危な気ない
・手回しがよい
・手はずを整える

似た意味の言葉に関しても同様ですが、それぞれの言葉の持つニュアンスの違いをある程度把握しておくと、手持ちの語彙がぐっと増え、言葉を使い分ける技術が格段にレベルアップします。言葉の使い分けは、円滑なコミュニケーションの基本です。あまり難しく考えず、語彙を少しずつ増やしましょう。

不用意な発言をなくすには?

「不用意な発言」というと、前段で見てきたように「言わなくてもいいことを言ってしまう」場合と、「しっかりと下準備をしないままに言ってしまう」場合があります。

いずれの場合も発言者本人にはあまり悪気がないことが多いのですが、状況によっては相手を手ひどく傷付けてしまったり、反対に怒らせてしまったりと、修復不可能な関係に陥ってしまう危険性をはらみます。

そこで、次にそうした「不用意な発言」をなくすためには、どうすればいいかということについて考えてみましょう。

場の空気をしっかり読むこと

「不用意な発言」をなくす対策の一つは、「その場の空気をしっかり読むこと」です。相手が何を望んでいるのかということを見きわめ、相手の表情や声音、身ぶりといった全体的なことに気を配りながら会話を続けるよう心がけると、「不用意な発言」をある程度防ぐことができます。

できるだけ事前準備をすること

一方、事前の準備が不足しているため「不用意な発言」となってしまう場合は、まずは下準備をしっかり行う余裕を持つことが必要です。相手に関する情報収集をしたり、話す内容をあらかじめシュミレーションしておくと、必要以上に緊張したり遠慮したりせずに発言することができ、「不用意な発言」を防ぐことができます。

また、可能であれば会話の主導権を他の人に譲ったり、発言する機会を先に延ばすことで、事前準備の時間を作り出すことも、「不用意な発言」を避ける手だてとなります。

いずれの場合も、勢い任せで場当たり的に自分の考えを主張したりせず、相手や周りの反応に常に気を配りながら発言するよう心がけることが大切です。

「不用意」にならないよう備えを十分に

ここまで「不用意」という言葉に関していろいろな面から見てきました。人は誰でも「不用意な発言」や「不用意な行動」をしてしまう可能性があり、実際にそのために相手の気分を害してしまったといったことは多くの人が経験しているのではないでしょうか。

人が生きていく上で、他の誰かと関わるということは欠かせません。コミュニケーションが苦手だという話もよく聞きますが、そういう人も全ての人に対して苦手感を持っているわけではないでしょう。

コミュニケーションの基本は相手に対する思いやりです。そして、百パーセントうまくいく必要はないといった、気持ちの上での余裕を持つことが肝心です。自分に余裕が生まれると、落ち着いて周りを見渡すこともできるようになります。相手の気持ちに寄り添いながら、自信を持ってチャレンジしていきましょう。

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