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「造詣が深い」の意味と使い方・反対語・読み方・敬語・人の特徴

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「造詣が深い」の意味と使い方・例文

「造詣が深い」という言葉を目にすることは多いですが、意外に意味や読み方や正しい意味が知られていない言葉です。「造詣が深い」の読み方や意味、使い方や例文をみていきましょう。

読み方と意味

造詣は、「ぞうけい」と読みます。「造詣が深い」の意味は、学問や芸術、技芸などある特定の分野について広い知識や見識があり、高い水準にあることを指します。

「よく知っている」「詳しい」「物知り」は目上の人に対して失礼にあたることがあるので気を付けましょう。「造詣が深い」は年配の識者に使いやすい言葉で、正しく使用すれば嫌な気分になる人はまずいない便利な言葉でもあります。

一点気を付けなくてはならないのは、「造詣が深い」は日本語では珍しい、尊敬を込めた誉め言葉という点です。

あなたが仮に知識に自信があっても、自分自身のことを「○○に造詣が深い」という言い方はしないようにしましょう。あくまでも相手から言われる言葉です。「僕はこの分野では造詣が深いから何でも聞いて」などと言ってしまうと高慢な印象を与えるので気を付けましょう。

例文

「造詣が深い」の例文としては、次のようなものが考えられます。「彼は歌舞伎や能などの古典芸能に造詣が深いようだ」「彼女は西洋文化に造詣が深いので、話を聞いてみると参考になるよ」「彼はフランス留学の経験があり、フランス文学への造詣が深い」などです。

すぐにネットなどで調べて分かることではなく、誰もが知っていることではない少々マイナーなことや、実際に経験がないと分からない深い知識であることが多いです。そのような知識を持っている人に対する褒め言葉として使うと、好印象を与えます。

「造詣が深い」の反対語・対義語

「造詣」という言葉には、「造詣」という語だけで、すでに高い水準に達していることを示します。あとに続く語は「深い」という言葉、あるいは「深める」という言葉のみになります。

したがって、「造詣がない」「造詣が浅い」という言葉は存在しません。ではどういった表現があるのでしょう。

シンプルに「知識が浅い」「知識がない」などが考えられます。または四字熟語で「浅学非才」などが該当します。「浅学非才」とは、学問や知識が浅く未熟で、才能が欠けていることを意味します。

「造詣が深い」の読み方

造詣の読みは、大変読み誤りの多い言葉です。正しい読み方と、他にも主にビジネスシーンで読み間違いやすい語を集めてみました。

ぞうしなど

造詣は、「ぞうし」と読まれることがありますがこれは間違った読み方ですので、注意しましょう。ビジネスシーンなどで相手を褒める場において重宝する言葉なので、間違えて使ってしまうと相手を褒めたつもりが恥をかいてしまいます。

上手に造詣を使えば、好印象を与えることができる言葉なのでぜひ正しい読み方で覚えることをおすずめします。

読み間違いの多い単語

読み間違いの多い単語を少し紹介します。次第に、だんだんという意味がある漸次(ぜんじ)を「ざんじ」と読んでしまったり、すさまじい勢いで勢力を広げるという意味の席巻(せっけん)を、「せっかん」と読んでしまったりすることが非常に多いです。

ビジネスマナーや常識として知っておきましょう。受験生の人は、読みの問題としても受験問題によく出題されるので、意味だけでなく読み方を覚えておきましょう。

「造詣が深い」の敬語

造詣が深いの敬語表現は、「造詣が深くていらっしゃる」になります。「造詣が深くいらっしゃる」でも会話は成立しますが、「て」を入れるのが一般的で、正しいとされています。

ビジネスにおいて、取引先の相手や上司などに「さすが、知識がおありですね」と言うよりも「さすが、造詣が深くていらっしゃいますね」と言った方が、スマートな印象を与えることができます。

しかし誉め言葉である「造詣が深い」に対し、さらに敬語を使っているので、相当のことをした人に対してでないと、ヨイショしているようなあざとい感じを与えてしまう可能性もあります。相手との関係性を考慮して使用しましょう。

さりげなく、これから歌舞伎を夫婦で見に行くという上司に対し、「ご夫婦でご観覧ですか。部長は歌舞伎に造詣が深くていらっしゃいますね」などと自然な感じで使うと、「若いのに言葉を知っているな」と、一目置かれる可能性もあります。

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造詣が深い人の特徴

造詣が深い人の特徴を挙げてみました。派手さには欠けますが、独特の落ち着きや知的な雰囲気を纏った人が多いでしょう。詳しく考察してみました。

教養がある

造詣が深い人の特徴は、まず教養があることです。教養とは、ただ物知りであるだけでなく、人格や精神の部分に深く関係している知識です。そういった知識を身に着けている人は、新しいものに流されたり流行を追いすぎることなく、一本筋が通った人が多いでしょう。

精神的にも安定し、迷いのない落ち着いた印象の人が多いでしょう。

自分のために知識を深めようとしている

自分の豊富な知識を自慢したり、周囲にひけらかすことは考えていない人が多い傾向にあります。むしろもっと探求して知識や見識を深めたいという気持ちの方が強いので、はたから十分に思える水準であっても、自分のために知識を深めようと努力している人も多いでしょう。

「造詣が深い人」は精神的に熟成した人が多いので、そういった人と話をすると勉強になります。関わりを持つチャンスがあれば大切にしましょう。

謙虚で頼りになる

本人がわざわざ公言しなくても、「あの分野なら○○さんに聞けばよい」という風に、一目置かれた存在になっている人が多いでしょう。その分野で分からないことがあれば頼りにされ、尊敬される存在でもあります。

本人は、先述したように、まだまだ探求心が強く奢ったところがありません。何か質問した際も、謙虚な姿勢で丁寧に物事を教えてくれるでしょう。

「造詣が深い」は目上の人に使うと失礼か

「造詣が深い」は目上の人に使うと失礼にあたるのか考察してみました。また目上の人や年輩の人に対して使わない方がよい言葉、「造詣が深い」の代わりに使える言葉もまとめています。合わせてご覧ください。

重宝する言葉

結論から言うと失礼ではありません。日本語において、目下の者が目上の者を褒めるという表現は少なく、むしろ重宝する言葉といってよいでしょう。

目上の人に「頭がいいですね」「賢いですね」「よく知っていますね」という表現を使うと、どこか上から目線で、場合によっては失礼に聞こえることがあります。そんなときに「造詣が深い」と言い換えるとスマートな表現になります。

その他に使える言葉

その他にも「博識ですね」「御聡明ですね」「博学ですね」「流石ですね」なども使うことができます。くだけた関係の人であれば「物知りですね」という表現を使うことができます。相手との関係性によって、使い分けをするのが好ましいでしょう。

「造詣が深い」の類語

「造詣が深い」の類似語を挙げてみました。少しずつ意味が異なるので、使用するシーンなどを覚えて適切に使いましょう。

詳しい

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「詳しい」のみであれば、「最近のアイドルのスキャンダルに詳しい」、「お菓子作りに詳しい」なども含まれます。少しかじったことでも「詳しい」と言っても誤用ではありません。

対して「造詣が深い」という言葉は、知識や見識が深く、そのことに対して深く理解していることを指します。また、芸術や学問、技や芸などに使われることが多いでしょう。「詳しい」の中でも、かなり高いレベルの事柄に対して使用されます。

尊敬を込めた誉め言葉でもあるので、いくらそのことに対する知識に自信があっても、自分自身のことを「○○に造詣が深い」という言い方はしません。「僕はこの分野では造詣が深くてね」などと言ってしまうと高慢な印象を与えるので気を付けましょう。

精通など

「精通する」は「造詣が深い」と似た言葉ではあります。いずれも「ある物事について詳しく知っていること」を表します。「造詣」は学問や芸術、技能などの専門分野について広い知識があり、表面的ではなく奥深い理解があることを表しています。

精通は、例えば「彼は出版業界の事情に精通している」といった使い方をします。広く深い知識がある「造詣」とは異なり、「彼は出版業界の事情について詳しい」という意味になります。

他にも「芸能界の裏事情に精通している」「裏社会に精通している」なども含まれ、内容・レベルは問わず、何かを詳しく知っていれば「精通」していると表現できます。

それぞれ何かに詳しいことを指しますが、対象が異なるのでその場に即した言葉選びをしましょう。

学識が高い

「学識」とは、学問から得た高い見識や豊かな知識をいいます。「○○先生は豊かな学識で、生徒から尊敬されている」などの使い方があります。

「学識」と「造詣」の違いとしては、「学識」は学問から得た豊かな知識を指し、「造詣」は、その分野について広い知識と深い理解を言います。

厳密な違いはありませんが、どちらかと言うと「学識」は点数化されやすい分野で、「造詣」は芸術や技芸、学問といっても経験や研究から身につく「古典文学」や「民俗学」など深い知識を指す傾向があります。

造詣が深い人は自分を成長させてくれる

いかがでしたでしょうか。ふだん目にすることが多い「造詣が深い」という言葉ですが、まず読み間違いが多い言葉です。正しい読みを知らないと、恥をかいてしまうのでビジネスマナーとして頭にいれておきましょう。

知っている人もなんとなく誉め言葉のひとつぐらいに捉えている人も多かったのではないでしょうか。いくつか類似語がありますが、「頭がよい」「賢い」「物知りだ」という言い方は、年輩の人や目上の人には失礼にあたります。相手との関係性を考えて使うように気をつけましょう。

特に精通していると、造詣が深いは混同しやすいので意味の違いを理解しておくと一目置かれます。

造詣の深い人は、水準の高い知識や見識を持ちながらも、探求心が強く謙虚な人が多いです。一つのことを極めることができる人は、目新しさに振り回されない精神的な安定感があります。造詣が深い人と付き合うと生き方も含めて勉強になることが多いでしょう。

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