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「一理ある」とは
「一理ある」が使われるタイミング
論術の基本
この「一理ある」という評価を示す言葉は主に「論述」で用いられることが非常に多いため、ディベートや討論の場だけではなく、筆記に際して仕上げられる「論文作成時」にも普通に使われる場合が見られます。
会話表現での「一理ある」
「その道理には一理ある」や「君の言うことにも一理ある」などと、「そのことやテーマについてあらかじめ考えていなかった場合でも、それでも自分や相手の言った内容に核心部分がある」と言う場合に使われる「一定の評価を示す言葉」として認められ、その場合の「一理ある」という言い方には多くの場合「相手の言い分を認める」という認識になります。
文語表現での「一理ある」
特にドキュメント記事などにしても「言文一致体」で執筆されている「会話表現形式」で語られる場合は普通に使われますが、公式な書類として扱われる論文などにおいては、「道理がある」や「こうした考え方にも正解があるだろう」などと、「一理ある」という言い方が多少変えられて使用される場合が多くなります。
「一理ある」の「理」は道理の意味
「一理ある」と「一利ある」の違い
・その試みは国際経済において一利ある。(利益がある)
・君の考え方には、このテーマを考える際に一理ある。(正解がある)
この上記の文意にすでに「一理ある」と「一利ある」の明確な違いが見受けられており、それぞれの言葉の利用法はまったく違ったものとして見受けられます。
「一理ある」の意味と使い方
・あなたの考え方には一理あるように認められます。
・その反動にはすべての環境において一理あります。
・こうした考え方をする際にも、科学的発展から見れば一理あります。
・論文作成時にその参考書を開くことも一理あるでしょう。
・その意見がすべて正解とは言いがたいが、基本的な考え方には一理あります。
確かに
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・君が言うことも(確かに)一理ある。
・彼のそのテーマに対する考え方にも(確かに)一理ある。
・A国がその条約を突き付けられて撤退していくのも(確かに)一理あります。
このように、「一理ある」という言葉の直前には必ず「確かに」という言葉が付属してもその意味がとおる場合が見られるため、この「一理ある」という言葉と「確かに」という言葉は主に併用される場合が多くあります。
「一理ある」の類義語
筋がとおっている/理に適っている/それで理屈がとおっている/筋道が明瞭な/理があります/論理に適っている/論理に適切である/尤もである/合理的な/条理に適している/正論を得ている/的を突いている/本質を捉えた
これらの言葉が「一理ある」の類義語として並べられ、どの言葉を使用する場合にも「そこで述べられていること・考えられている見解」が正論を得ていることを示す評価の言葉として認められます。
「一理ある」の語源
特に「一理ある」という言葉が言われる場合は「話者が相手を褒めるときに使う言葉」として多く認められ、ただし「その相手の意見をすべて認めるわけではないけれど、その表現に含まれている見解や意見の本質については認める」といった、部分的な評価(褒める見解)として使われていることがほとんどです。
元ネタ
「一理アルミン」という表現を頻繁に使用しているこの「アルミン」というキャラクターのセリフは「一理ある」という言葉の意味合いをそのままもじって使用されており、「相手の言うことや見解、また多くの身の周りのできごと」などに対して評価する際に、「一理ある」という評価を投げかける形で使われます。
敬語での「一理ある」の使い方
・ごもっともな意見です。
・さすが○○さまのご見解は素晴らしいです。
・わたくしもそのように考えております。
・非常に合理的なお考えと拝見いたします。
このように「一理ある」という言葉がそのまま使われることはなく、多くの場合は「ごもっともです」や「素晴らしいです」などと、「敬意を払うべき相手の調子や機嫌を損ねることなく賛成する」という姿勢が多く見受けられます。
「一理ある」の例文
・あなたの見解にも一理あります。
・彼が求めた行動には、誰から見ても一理ある理由があります。
・彼女の論文には、このテーマについて考える際、一理あるとの評価が見られます。
・A国が経済的支援を求めることも、この状況を見る限りでは一理あります。
・彼らが日本という国についてそのように考えることも一理あります。
「一理ある」という言葉の基本的な意味合いには「特定の意見や見解について評価する際に、その全部を肯定することはできないが、ある部分においては正論を得ている」といった「意見や見解の一部分への評価」があります。
目上の人への「一理ある」の使い方
ごもっともなご意見です/わたくしどもも賛成です/誠に素晴らしいご意見です/ご正解とお見受けいたします/わたくしどももそのように考えております
基本的にはこれらの言葉をもって「一理ある」という言葉の意味合いを伝えることが多く、どの場合にしても「敬意を払うべき相手に対する賛辞の言葉・同調する言葉や考え方」を示す姿勢で言われる言葉となります。
「一理ある」の対義語
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道理がとおっていない/不合理な/不条理な/見解が乏しい/あやふやな/曖昧な/まったく誤った/論理がとおっていない/理屈が合わない/道理を得ていない/不正論/不正解/的を外した/的が外れた/当てが外れた
これらの言葉が並びますが、どの言葉の意味合いにも「正しい見解や意見が一つも含まれていない」といった全面否定の姿勢が見受けられます。
「一理ある」の英語表記と意味
「一理ある」の英語表現(1)
・There is also one thing you said.
「君の言った内容にも一理あります。」
・In that view, there are points to look for.
「その見解にも、明らかに一理あります。」
・There is also a correct view on their opinions in religious affairs.
「宗教問題に関する彼らの意見にも一理あります。」
「一理ある」の英語表現(2)
・In presenting the scientific opinion on the human body structure, there is a point in the conclusion of her presentation.
「人体構造についての科学的意見を述べる上で、彼女の発表の結論には一理あります。」
・When considering the theme of “Do not value things”, there is also a point to think about “satiety era”.
「「物を大切にしない」というテーマを考える際、「飽食時代」について考えることにも一理あります。」
「一理ある」の正確な意味と用法を把握しましょう
「一理ある」という言葉は基本的に「話者が相手の言い分や見解を聞いた上で、その内容のすべてを肯定することはできないが、その内容の一部分を認めて評価する」といった「相手の考え方や見解を褒める」といった一定評価を示す場合によく使われます。
しかし、目上の人や敬意を払うべき人に対して「一理ある」という言葉がそのまま使われることはなく、そのほとんどは「もっともです」や「わたくしもそのように考えます」などといった「相手の意見・見解を褒める賛辞の言葉」を伝えると同時に「同調する言葉」として使われます。場面に応じた「一理ある」という言葉の使い方を覚えましょう。