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「従事する」は「じゅうじする」と読み、特に履歴書や職務経歴書など働く上では欠かせない書面や、ビジネスシーンでの会話でもよく使用される言葉です。
この記事では、「従事する」の正確な意味、使い方、同義語、英語での表現などを紹介していきます。さらに、「従事する」の類義語や言い換え表現、それらとの使い分けについても解説します。
この記事を読むことで、「従事する」の使い方を知ることができるでしょう。
「従事する」の意味や使い方について正確に把握し、ビジネス上で正しく使用できるようにしましょう。
「従事する」の意味
「従事」という言葉の意味についてはその仕事や研究、物事などに、携わることを意味していると思慮されます。
上記の背景から、「従事する」という言葉は、仕事や研究、業務などに携わることを意味する言葉であると考えられそうです。
「従事する」の使い方
「従事する」という言葉は、上記でもご紹介したとおり、仕事や研究、物事などに携わることを意味する言葉です。そのため、「従事する」という言葉は、その仕事や物事に携わっていたり、関係していたりしたことを表現する際に使用されることが多いと考えられます。
自己紹介での場合
この面接の場での求職者と面接官との間のやり取りにおいて自己紹介することを求められたときに使用できる言葉が、「従事する」です。
自己紹介で「私は事務職員として一般事務に5年間従事しておりました。」といったように、就業経験を伝えるときに使用できます。
また、「従事する」は書き言葉でも使用できる表現です。「従事」は、履歴書や職務経歴書などの書面上で自己紹介する場合にも使用できます。
履歴書や職務経歴書を作成するときに「事務職員の仕事に5年間従事」などのように、今までに経験した仕事を紹介するときに使用できる熟語です。
「従事する」は、携わる、取り組むという意味があり、ビジネスに限定して使用される言葉ではないため、ビジネスシーン以外にもボランティア、研究など、自分が携わった物事を紹介するときにも使用できるでしょう。
職業を聞かれたときの場合
例えば、採用面接の場で面接官に「これまでにあなたが従事された職業について教えてください。」と聞かれます。それは「これまでにあなたが就いてきた職業について教えてください。」という意味で、過去に携わった業務の種類を尋ねられているのです。
面接の場面以外でも、取引先や顧客との会話、セミナー、レセプション、上司や目上の方との会話などにおいても、同じように職業を聞かれることがあるでしょう。
例えば、「あなたはどのような仕事に従事している人ですか。」「過去にあなたが従事してきた仕事を教えてください。」といったように、現在や過去の職業を聞かれることがあります。
そのように聞かれたら、「私は中国語の翻訳業務に従事しております。」「学校事務として従事しておりました。」のように、「従事」を使用して、あなたが携わった仕事について紹介しましょう。
「従事する」を使った例文
「従事する」は家族や友人、学校での日常会話などで使われることは多くないので、「従事する」という言葉を見慣れていない人や、使い慣れていない人もいるでしょう。
具体的な例文や言い方を把握することで、「従事する」の使い方をしっかりつかんでみてください。
自己紹介での例文
「私は、海岸のゴミを拾うボランティア活動に従事しています。」
「私は、人工知能の研究に従事しています。」
このように、自分が携わった物事を紹介するときに「従事する」は使うことができます。
職業を聞かれたときの例文
「私は現在、子会社に出向し生産設備のメンテナンス業務に従事しています。」
「私は営業として新規開拓業務に従事しています。」
「私は学業の傍らアルバイトをしていて、韓国語の翻訳業務に従事しています。」
また、「従事」の言葉が入った職業も存在します。「医療従事者」などです。医療従事者は医師や看護師、薬剤師など、医療に携わる仕事に就いている人のことを指します。
「従事する」を使うときの注意点
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特にビジネスシーンにおいては、「従事する」などを日本語として間違った使い方をしてしまうと信頼を失いかねません。きちんと押さえておくべき注意点を確認して、「従事する」をしっかりと使用しましょう。
趣味に対して使わない
「従事する」が使用できる対象は仕事に関する事柄に限定はされていませんので、研究やボランティア活動などを指すときにも使用できます。
ですが、「従事する」は仕事のように何かを務めるときに使用する言葉のため、趣味やレジャーに使用することはやめましょう。
例えば、「私は趣味の音楽に従事しています。」とは使いません。これがもし仕事のことを指している場合は「私は演奏業務に従事しています。」と使用できます。
会社など組織に対して使わない
「従事する」は仕事の内容に対して使用する言葉です。組織に対して「株式会社〇〇に従事しています。」とするのは誤用ですのでやめましょう。
もし組織に対して表現したいときは「従事する」を使用せずに、「株式会社〇〇に勤めています。」や「〇〇研究所に属しています」などと表現する方が適切です。
「株式会社〇〇に勤めていて、営業事務に従事しています。」といったように、仕事の内容に対して表現する場合は「従事する」を使用できます。
役職に対して使わない
「私は、株式会社〇〇の営業部長に従事しています。」とするのは誤りです。「従事する」は仕事や業務の内容に対して使用する言葉なので、そのような誤用は避けましょう。
抽象的になりがちなので具体的な内容を加える
例えば「私は教育に従事しています。」というと、その人は学校の先生なのか、教育関係の企業の人なのか、教育学の研究している人なのか、具体的なことが分かりません。
もう少し詳細な内容を加えて「私は中学校で教師として従事しています。」などと表現すると、相手に分かりやすく伝えられるでしょう。
「従事する」の類語・言い換え表現
「従事する」と類似した意味の言葉や言い換え表現を押さえておくことで、表現の幅が広がり、より豊かな言葉の描写が可能になるでしょう。
尽くす
また、できる限りのことをして物事などをきわめたり、人や社会などに貢献できるよう、献身的に努めることを意味するケースもあるとされています。
就業する
「従事」という言葉には、大きくわけて2種類の意味があります。1つ目の意味は、その日の業務を開始したり、取り掛かったりすることだとされています。そして2つ目の意味は、職業につくことだと言われています。
遂行する
「遂行」とは、仕事や任務などをやり遂げることを意味する言葉だと読み取れます。
従業する
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企業に雇用されて業務を遂行する人のことを「従業員」と呼びます。この言葉はよく聞く、聞きなじんだ言葉でしょう。「員」は人、役割をもつ人を指します。「従業する人」という意味で「従業員」です。
服務する
従業員が守る必要がある組織や会社の規則のことを「就業規則」と言いますが、これは「服務規程」とも呼ばれることがあります。「仕事に就くことの規定」という意味で「服務規定」です。
執務する
「部長が執務室で執務しています」といったような表現が可能です。「室」は部屋を表す意味で、「執務室」はその言葉のとおり、仕事をする部屋を意味します。
携わる
例えば、採用面接などで「過去にどのような仕事をしてきましたか?」と聞かれたときに、「営業として新規開拓業務に従事してきました。」と答える代わりに「営業として新規開拓業務に携わってきました。」と、「従事する」の代わりに「携わる」という表現に置き換えて答えても、とても自然な受け答えです。
「携わる」という表現は「従事する」という表現と共にビジネスシーンではよく使われる言葉ですので、「携わる」も使いこなせると、ビジネスシーンでの会話や書類作成での表現の幅が広がります。
携わる
読み方:たずさわる「携わる」の意味・定義
携わる(たずさわる)とは、事業や事業計画に関与する、参画する、従事する、という意味で用いられる表現。「関わる」よりは積極的な参加のニュアンスがあり、「手掛ける」というほど支配的な意味合いはない。
就く
「就」は音読みは「しゅう」、訓読みは「つく」「つける」「なる」と読みます。つきしたがう、物事に取り掛かる、という意味をもつ漢字です。「就」という漢字は「就職する」「就業する」「就任する」といった熟語で用いられます。
「就く」は、「仕事に就く」「職に就く」というように使われる言葉です。
つ・く【就く】 の解説
[動カ五(四)]《「付く」と同語源》
1
㋐(「即く」とも書く)ある地位に身を置く。特に、即位する。「王座に―・く」
㋑ある役職に身を置く。また、就職する。「管理職に―・く」「販売の仕事に―・く」
業務に当たる
「業務に当たる」は「業務」と「当たる」の2つに分けられます。「業務」は仕事や作業など、社会生活において反復と継続して行う活動のことを指す言葉です。
「当たる」は、人が物事に対応する、担当する、従事するという意味をもちます。従って「業務」と「当たる」の2つの言葉を合わせた「業務に当たる」は、仕事などに取り組むという意味です。
勤務する
勤めを行う、仕事をするという意味の「勤務する」も、仕事に携わるという意味の「従事する」と似た意味をもつ言葉です。
事に当たる
「事」とは、仕事、用件、できごと、ことがらという意味を、「当たる」は、人が物事に対応する、担当する、従事するという意味をもつ言葉です。
「事」と「当たる」の2つの言葉を合わせて、「事に当たる」とは仕事や物事に取り組む、担当するといった意味をもつ表現になります。
例えば、「早く事に当たろう」は、「早く仕事に取り掛かろう」という意味になる言葉です。
事に当たる
読み方:ことにあたる
別表記:ことに当たる物事に取り組むさま、携わるさま、従事するさまなどを意味する表現。事に当たっている者を当事者という。
https://www.weblio.jp/content/%E4%BA%8B%E3%81%AB%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8B#
「従事する」の謙譲表現
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謙譲語を使うことは、相手に敬意を表して失礼のない会話するために、ビジネスシーンにおいて欠かすことのできない言葉の選び方と言えます。しっかりと「従事する」の謙譲語について確認をして、ビジネスを円滑に進められるように備えましょう。
従事しております
「私は学校事務に従事しております」といったように、自分が現在も行っている仕事や業務について丁寧に表すときに使います。
従事いたしております
従事させていただきます
「させていただく」は、相手側の許可を受けて何かを行い、そのことで自分が恩恵を受ける場合やその気持ちがある場合に使われます。
例えば、自分の雇用主に対して「本日より業務に従事させていただきます。」と挨拶する、といったように使用できる表現です。
従事させていただきました
「従事させていただきました」は、もう終わった過去の業務や仕事について業務に携わりました、という旨を表現するときに使われます。
従事しておりました
つまり、「従事しておりました」も、既に終わった過去の業務について携わっていましたという旨を表す表現です。
例えば、「私は2年前まで、AIの研究に従事しておりました。」のように、過去に従事していた仕事について表すときに使います。
「従事する」の尊敬表現
尊敬表現は目上の方に対して敬う気持ちを表す表現です。謙譲表現と同様に、相手に対して敬意を表し、失礼のないコミュニケーションをとるためには欠かせない表現と言えます。
「従事する」の尊敬表現もしっかりと確認をして、ビジネスに滞りなく取り組めるように備えましょう。
従事なさっています
従事されています
従事していらっしゃいます
こちらも、「〇〇さんはメンテナンス業務に従事していらっしゃいます。」のように、相手や目上の方が業務や仕事に取り組む様子を表しています。
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「従事する」の英語表現
外資系や海外の企業への就職活動・転職活動をする人は、「従事する」の英語表現は履歴書や職務経歴書、CV(curriculum vitae)でもよく使用されますので、押さえておきましょう。
その他にも英語でのやり取りをする人、例えば海外の知人や文通友達に自己紹介するときにも役立つ英語表現です。
具体的に使用するシーンがイメージしやすいように、英語例文も用いて分かりやすく解説します。
「engage in〜」
「I was engaged in 〇〇 project.」と表現すると、〇〇プロジェクトに私は従事していました、という意味になります。
engage inとは
意味・読み方・使い方
意味・対訳
・・・に従事する
「work」
workとは意味・読み方・使い方
意味・対訳
(ある目的をもって努力して行なう)仕事、労働、作業、努力、勉強、研究、(なすべき)仕事、任務、仕事、務め
「engagement」
engagementとは
意味・読み方・使い方
意味・対訳
(会合などの)約束、契約、債務、婚約、婚約期間、雇用、雇用契約、交戦、(歯車などの)かみ合い
「business」
businessとは
意味・読み方・使い方
意味・対訳
職業、家業、事務、業務、仕事、執務、営業、商業、実業、事業
「job」
「my job is secretary」で、秘書業務に従事しています、という表現です。「secretary」は秘書という意味をもっています。
ですが、従事しているという意味として「my job is ~」という表現は、ネイティブにとっては少し稚拙な表現で、あまり使用されない傾向にあります。
jobとは
意味・読み方・使い方
意味・対訳
仕事、手間仕事、職、勤め口、地位、任務、役目、機能、大変難しいこと、事
「task」
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taskとは意味・読み方・使い方
意味・対訳
(つらくて骨の折れる)仕事、(課された)務め
「従事する」の使い方を知ろう
「従事する」という言葉には、仕事などに携わったり、取り掛かったりすることを表現する意味があるとされています。
そのため、意味などを覚えておくと、ビジネスシーンや、就活・転職活動などで使えることが多く、何かと便利です。この機会にぜひ、「従事する」の意味や使い方について、覚えておきましょう。