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「先んじて」の意味と使い方・読み方・敬語・類語・ことわざ

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「先方からの要望に先んじて、いくつかのパターンを用意する」
「他社に先んじて、商品の品質向上に努める」
このように、ビジネスシーンにおいてよく見かける表現として「先んじて」という言葉があります。

ビジネスシーンでも、主に改まった雰囲気の堅い場面で使われる言葉ですが、実は「先んじて」自体は敬語ではありません。では、「先んじて」にはどのような意味と使い方があるのでしょうか。

この記事では、「先んじて」の正しい意味や由来、使い方や類語などについて紹介していきます。この記事を読むことで、「先んじて」という表現をビジネスシーンにおいて適切に使いこなすことができるようになるでしょう。

言語を正しく使い、より格式の高いビジネス会話を目指す方は、ぜひチェックしてみてください。

「先んじて」の読み方

「先んじて」は何と読むのでしょう。「先立って」を「せんだって」「先んじて」を「せんじて」と読みがちですが、正しくは「さきんじて」と読みます。同じように「先立って」は「さきだって」が正解です。

書類上だけならば問題は無くとも、会話での使用では間違いを指摘されかねませんので、しっかりと覚えておきましょう。

「先んじて」の意味

テレビ番組やビジネスシーンにおいて、「先んじて」という言葉を耳にしたことがあるはずです。では、「先んじて」とはどのような意味なのでしょうか。また、どのような時に使うのが正しい使用法なのか。しっかりと理解して、使いこなしましょう。

あらかじめ行う様子

予定や計画に基づいて起こりうる事柄や事象を予測して、あらかじめ何かしらの行動を行うという意味を表します。ハプニングや緊急事態に備えて、手を打っておく時など「先んじて準備をしておく」といった風に使用します。

他の誰か(何か)よりも先に行う様子

「先にする」から「先んずる」になったという説もあり、自分以外の誰かに対して、相手よりも先に何かを行うといった意味もあります。

例えば、ライバル会社と競合しそうな製品をこちらがいち早く出す。といった場合にも「〇〇社に先んじて発売した」というように使用する事ができます。

「先んじて」の由来

「先んじて」という言葉は、動詞の「先んじる」に接続詞の「て」を付けた変形に当たります。元々の語源は「先にする」が訛って転じたものとされています。そのため、「先んずる」と表記することもあるようです。

「先んじて」と「先だって」の違い

「先だって」という言葉も、「先んじて」と同じよな言い回しで使うこともあります。「先だって」は「さきだって」もしくは「せんだって」と読みます。「先んじて」と同様に、「あらかじめ」「誰かより先に…」という意味です。

では、2つの違いは何でしょうか。実は「せんだって」という読みの場合には「過去を表すことができる」という特徴があります。

例えば、「先だって(せんだって)は、お誘いいただきありがとうございました」などという使い方をします。この場合は「先日」という意味を含むニュアンスになります。

「先んじて」には過去を表すニュアンスが含まれていないという点が、明確な違いと言えるでしょう。

「先んじて」の例文

ここまでは「先んじて」という言葉の意味や基本的な使い方をご紹介してきました。では、実際に使う際にはどのように使えば良いか、以下に例文をいくつかご紹介していきます。こちらを参考として、「先んじて」という言葉を使いこなせるようにしましょう。

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先んじて挨拶する

「御社への出向が決まりましたので、先んじてご挨拶に伺いました」

これからお世話になる相手に向けて、実際に足を運ぶよりも前もって挨拶をしておくという言い回しとなります。様々な場面で使うことができるフレーズなので、ぜひ覚えておきましょう。

来月の出張に先んじて~

「来月の出張に先んじて、交通手段と宿泊先を手配いたします」

「出張に先んじて」とは、「出張の前に」という意味になります。この場合は、あらかじめ出張の準備をしておくという言い回しです。上司などに報告する際に使えるフレーズとなっています。

先んじて報告する

「異動が決まりましたので、先んじてご報告にあがりました」

「先んじてご報告」は、「前もって、またはあらかじめ報告します」という意味となります。この場合は、「異動が決まったことをあらかじめご報告します」ということを、主に上司に報告する際に使う例文です。

他社に先んじて~

「他社に先んじて、新商品の開発を推し進める」

「他社に先んじて」という表現は、「他社より先に」何を行うという意味になります。この言い回しは、「他社より先に、新しい商品の開発に力を入れる」ということを表しています。

「先んじて」の言い換え表現

「先んじて」と同じような意味をもつ言葉は数多くありますが、微妙にニュアンスが違っていたり、使い分けが必要な言葉もあります。前後の文章の関係性や、状況に応じて正しい言葉が選択できるように、いくつかの類義語をあげてみましょう。

「前もって」

日常的によく使う言葉ですが、その意味としては「~より以前に」「~より早い時間で」となり、あらかじめ準備や対策を講じる場合などに使われます。

先述した「あらかじめ何かを行う様子」に当てはまり、直前というよりは数日前や数時間前といった、比較的時間を置いた過去を表す時に使います。

「乗り物に酔わないように、前もって薬を飲んでおいた。」「ケガ人がでた時に備えて、前もって救急箱を用意しておいた。」など、予測される物事に対する予防や対応を表す時に使われます。

「先駆けて」

「先立って」「先んじて」と同じような意味で用いられる事がある言葉ですが、実はニュアンスが少しちがいます。「先駆ける」という言葉にはそれを先にやる事が重要であったり、何か新しい事を始める時のその最初の段階という意味が含まれています。

ある分野において「~の先駆け的存在」と評される人物や事柄がありますが、今までにない革新的であったり、おそらくその物事で一番最初なのではないかと目される時に使います。

「早々と」

「はやばやと」「そうそうと」と読み方はありますが、「先んじて」とはどう意味が違うのでしょうか。「早々と」は行動や動作の素早い様子を表す言葉です。予測を立てた上での言動を指すというよりは、物事の変化や行動の素早さを表現する時に使われます。

「先んじて」よりも「早々と」に近い言葉として、「早く」「直ちに」「急いで」などがあり、いずれもスピード感を表すものが揃っています。「先んじて」の代わりとして使用するには、少し違和感があります。

また、「開始早々に~」という風に用いられることがあり、この場合は「先んじて」とは逆に何か物事のすぐ後を表します。「試合開始早々に雨が降り出した」など、直後に怒った現象や事柄を表します。

「先に」

会話の中で気軽に用いる事が多い言葉ですが、その意味や用途は多様です。「先んじて」同じように「予め」「先手を打って」「前もって」といったような意味も持ちますが、「先に申し上げましたように~」など会話の中でその直前に話した事柄を指す場合があります。

「先に行いました〇〇において~」といった風に、数時間もしくは数日前の出来事を表す時にも使われたり、「先程から~」という様なある過去の一点から、現在に向けて続いている物事を表したりもします。

凡庸性が高く、あらゆる過去の事柄を「先に」という言葉で表す事ができるので、「先んじて」や「先立って」よりも使いやすく、日常的に耳にしたり利用する事が多いでしょう。

ビジネス上では「先に」を連発するよりも、状況によって他の言葉に置き換える事で、相手への印象を変える事ができます。

「いの一番(に)」

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「先んじて」の「他の誰か(何か)よりも先に行う」の意味に類似する言葉です。「一番最初に」「まず第一に」「真っ先に」「いち早く」と同じように利用することが多いでしょう。「先んじて」という表現よりも、より一番である事を強調する時に使います。

「いの一番」の語源は大工さんが家を建てる時に使う、木材だと言われています。「いろは」と「数字」を家を建てる木材に割り振り、「いの一番」の木材を一番最初に建てないと組み上げる事ができないように他の木材を配置するそうです。

家を建て始める最初に掛ける声が「いの一番」である事から、「一番最初」を表す言葉になりました。

使用例としては「いの一番に駆け付ける」「いの一番に場所取りをした」など、誰よりも早く一番に行動を起こした時に使う事が多いでしょう。

「リードして」

他の誰かよりも先に何かをやるという意味では、「リードして(する)」という言葉も同じような言葉になるでしょう。自分以外の誰かがいる事が前提として使用するため、「先んじて」のすべての場合に置き換えるとニュアンスが違う場合が出てきます。

「リード」には「率いる」「先頭に立って」といった意味があり、何かしらの集団を一定の方向に導いたり、流行や時代といった大きな流れを作ったりする人物や事柄に用いられる事もあります。

またデートなどで、男性が女性を「リードする」という風にも使われますが、この場合は個人の女性に対する「気遣い」であったり、さり気なく不安や不快感を取り除くように立ち振る舞う事という意味合いが強いでしょう。

「先行して」

他よりも先に行うという意味を持つ「先行して」という言葉は、「先んじて」と同様に使われる言葉だと言えます。ただ、どちらかと言えば「先に向かう」という意味合いで使われることの方が多いため、その際には注意が必要です。

「先行」には「他の人より先に行くこと」「他の事柄より先に進むこと」という意味があり、より未来を言い表す意味合いが強くなります。

逆に「それ以前に行われていること」を表すこともできるため、前後の文脈にも気を配る必要があります。

せん‐こう〔‐カウ〕【先行】 の解説
[名](スル)

㋐他の人に先だって行くこと。前行。「―したグループと合流する」「―部隊」

㋑他の事柄よりも先に進むこと。「実力より人気が―する」「時代に―する意見」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%85%88%E8%A1%8C/

「予め」

「予め」は「あらかじめ」と読みます。「前もって」や「前々から」といった「ある物事が始まる前に」という意味を持つ言葉で、こちらも「先んじて」の言い換えとして適切です。

「前もって」という言葉と比較すると、より堅い表現になりますので、ビジネスシーンでの出番も多い言葉となっています。

余談ですが、実は「予め」を「あらかじめ」と読むのは常用ではないので、ビジネス文書などで使う場合においては極力平仮名で表記するということに注意しましょう。

ただし、平仮名が多用される文章においてはこの限りではないので、文章全体のバランスを見て漢字表記か平仮名表記を使い分けることが重要です。

あらかじめ【▽予め】 の解説
[副]物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって。「―調べておく」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BA%88%E3%82%81/#jn-7081

「逸早く」

「逸早く」は「他の誰よりも早く」という意味になります。前もって何かを行うという意味ではなく、何か起こったことへの対処として使われます。「先んじて」の代わりに使うことも可能ですが、文脈を考慮して使うように注意が必要です。

また、「一早く」と書かれていることも多いですが、これは誤記に当たりますので注意しましょう。さらに言えば、「逸」というのも当て字であり、正式な表記ではありませんので、本来は「いち早く」と書くのが望ましいとされています。

言葉 逸早く
読み方 いちはやく
意味 他人よりも早く行うこと。真っ先に。

https://kokugo.jitenon.jp/word/p2659

「先んじて」の対義語

「先んじて」の対義語は「おくれる」です。漢字で表すと「後れる」となり、「遅れる」とは意味が異なりますので注意が必要です。混同しがちな2つの言葉ですが、正しく意味を理解して使いこなしましょう。

「後れる」

「後れる」とは、物事に対する後ろ前。つまり基準が人であったり事柄であり、それよりも後ろであるという意味になります。

使い方としては「今まで流行の最先端を走ってきたが、今回は後れをとった」「テスト前に風邪をひいてしまったせいで、友達に後れをとった」といった風になります。

「遅れる」

「遅れる」の方はどう意味が違うのでしょう。「後れる」が物事や人を基準にしているのに対して、「遅れる」はある時を基準に、その時間や期限よりも遅くなってしまった時に使います。

使い方としては「朝寝坊をしたので、授業に遅れてしまった」「予想外の事故で、電車の発車時刻が遅れた」など、何かに間に合わない時や遅刻してしまった時に使います。

「先んじて」を使ったことわざ

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「先んじて」そのものを使ったり、その意味を表したことわざにはどのようなものがあるのでしょう。「先んじて」という言葉をより活用するために、いくつかのことわざをご紹介します。

「先んずれば人を制す」

「何か物事を実行する時、誰よりも早く行動を起こす事で自分の立場を優位に保てる」という事です。何事も先に始めた方が強く、行動が後手に回る事で支配される側になってしまうので、先を見据えて素早く立ち回る事が肝心といった意味になります。

先んずれば人を制す

人よりも先にものごとを行えば、有利な立場に立つことができる、という教え。

https://kotobank.jp/word/%E5%85%88%E3%82%93%E3%81%9A%E3%82%8C%E3%81%B0%E4%BA%BA%E3%82%92%E5%88%B6%E3%81%99-509483

「転ばぬ先の杖」

「万が一にも失敗をしないように、前もって十分な準備をしておくことを例えたもの」転んでしまってから杖を用意しても何の意味もなく、そうなる可能性を考えて転ぶ前に杖を準備し、用心しておくべきだという意味です。

このことわざが示す「先」とは実際に目の前にある道などの事ではなく、時間的に今を基準とした場合よりも前という事。「転ばぬ」とは「転ぶ」の打ち消しを意味する助動詞です。また、同じようなことわざとして「濡れぬ先の傘」などがあります。

転ばぬ先の杖
【読み】 ころばぬさきのつえ
【意味】 転ばぬ先の杖とは、失敗しないように、万が一に備えてあらかじめ十分な準備をしておくことのたとえ。

http://kotowaza-allguide.com/ko/korobanusakinotsue.html

「備えあれば憂いなし」

「普段から十分に準備をしておけば、不測の事態にも慌てずに済み、何の心配もしなくてすむ」という意味です。「遠慮なければ近憂あり」「後悔先に立たず」なども同義のことわざとして使われます。

備えあれば憂いなし
【読み】 そなえあればうれいなし
【意味】 備えあれば憂いなしとは、普段から準備をしておけば、いざというとき何も心配がないということ。

http://kotowaza-allguide.com/so/sonaeareba.html

「先んじて」の英語表現

「先んじて」を英語にした場合、特にポピュラーとされているのは、「先に」という意味の「ahead」や、「前進」の意味を持つ「advance」を用いた「in advance of」という言葉を使って表現することができます。以下に例文をご紹介します。

英語での会話やメールを使うことも多いビジネスシーンにおいて、この2つはぜひ頭に入れておきたい英語表現です。

in advance ofとは
意味・読み方・使い方
意味・対訳
…に先立って、より進んで

https://ejje.weblio.jp/content/in+advance+of

ahead

「He finished his work ahead of his colleagues.」

意味は「彼は同僚に先んじて仕事を終わらせた」となります。「ahead of 〜」という表現を用いることで、「先んじて」と同様の意味として機能します。

in advance of

「This book is far in advance of its time.」

意味としては「この本はその時代より遥かに先んじていた」となります。より先を見通していたという意味として使え、ビジネスシーンでの出番も多い英語表現です。

「先んじて」の意味と使い方を理解しよう

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いかがでしたでしょうか。今回は「先んじて」の意味やその用途、それに纏わることわざから反対の意味をもつ言葉まで、幅広く紹介しました。今まで何となく、「先んじて」のはっきりとした意味が理解できないまま使用していた方も多かったのではないでしょうか。

普段は多用しない言葉でも、しっかりとマスターして取り入れる事で、周りから一目置かれる会話やスピーチをする事ができるようになるでしょう。

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