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「他社に先んじて、商品の品質向上に努める」
このように、ビジネスシーンにおいてよく見かける表現として「先んじて」という言葉があります。
ビジネスシーンでも、主に改まった雰囲気の堅い場面で使われる言葉ですが、実は「先んじて」自体は敬語ではありません。では、「先んじて」にはどのような意味と使い方があるのでしょうか。
この記事では、「先んじて」の正しい意味や由来、使い方や類語などについて紹介していきます。この記事を読むことで、「先んじて」という表現をビジネスシーンにおいて適切に使いこなすことができるようになるでしょう。
言語を正しく使い、より格式の高いビジネス会話を目指す方は、ぜひチェックしてみてください。
「先んじて」の読み方
書類上だけならば問題は無くとも、会話での使用では間違いを指摘されかねませんので、しっかりと覚えておきましょう。
「先んじて」の意味
あらかじめ行う様子
他の誰か(何か)よりも先に行う様子
例えば、ライバル会社と競合しそうな製品をこちらがいち早く出す。といった場合にも「〇〇社に先んじて発売した」というように使用する事ができます。
「先んじて」の由来
「先んじて」と「先だって」の違い
では、2つの違いは何でしょうか。実は「せんだって」という読みの場合には「過去を表すことができる」という特徴があります。
例えば、「先だって(せんだって)は、お誘いいただきありがとうございました」などという使い方をします。この場合は「先日」という意味を含むニュアンスになります。
「先んじて」には過去を表すニュアンスが含まれていないという点が、明確な違いと言えるでしょう。
「先んじて」の例文
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先んじて挨拶する
これからお世話になる相手に向けて、実際に足を運ぶよりも前もって挨拶をしておくという言い回しとなります。様々な場面で使うことができるフレーズなので、ぜひ覚えておきましょう。
来月の出張に先んじて~
「出張に先んじて」とは、「出張の前に」という意味になります。この場合は、あらかじめ出張の準備をしておくという言い回しです。上司などに報告する際に使えるフレーズとなっています。
先んじて報告する
「先んじてご報告」は、「前もって、またはあらかじめ報告します」という意味となります。この場合は、「異動が決まったことをあらかじめご報告します」ということを、主に上司に報告する際に使う例文です。
他社に先んじて~
「他社に先んじて」という表現は、「他社より先に」何を行うという意味になります。この言い回しは、「他社より先に、新しい商品の開発に力を入れる」ということを表しています。
「先んじて」の言い換え表現
「前もって」
先述した「あらかじめ何かを行う様子」に当てはまり、直前というよりは数日前や数時間前といった、比較的時間を置いた過去を表す時に使います。
「乗り物に酔わないように、前もって薬を飲んでおいた。」「ケガ人がでた時に備えて、前もって救急箱を用意しておいた。」など、予測される物事に対する予防や対応を表す時に使われます。
「先駆けて」
ある分野において「~の先駆け的存在」と評される人物や事柄がありますが、今までにない革新的であったり、おそらくその物事で一番最初なのではないかと目される時に使います。
「早々と」
「先んじて」よりも「早々と」に近い言葉として、「早く」「直ちに」「急いで」などがあり、いずれもスピード感を表すものが揃っています。「先んじて」の代わりとして使用するには、少し違和感があります。
また、「開始早々に~」という風に用いられることがあり、この場合は「先んじて」とは逆に何か物事のすぐ後を表します。「試合開始早々に雨が降り出した」など、直後に怒った現象や事柄を表します。
「先に」
「先に行いました〇〇において~」といった風に、数時間もしくは数日前の出来事を表す時にも使われたり、「先程から~」という様なある過去の一点から、現在に向けて続いている物事を表したりもします。
凡庸性が高く、あらゆる過去の事柄を「先に」という言葉で表す事ができるので、「先んじて」や「先立って」よりも使いやすく、日常的に耳にしたり利用する事が多いでしょう。
ビジネス上では「先に」を連発するよりも、状況によって他の言葉に置き換える事で、相手への印象を変える事ができます。
「いの一番(に)」
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「いの一番」の語源は大工さんが家を建てる時に使う、木材だと言われています。「いろは」と「数字」を家を建てる木材に割り振り、「いの一番」の木材を一番最初に建てないと組み上げる事ができないように他の木材を配置するそうです。
家を建て始める最初に掛ける声が「いの一番」である事から、「一番最初」を表す言葉になりました。
使用例としては「いの一番に駆け付ける」「いの一番に場所取りをした」など、誰よりも早く一番に行動を起こした時に使う事が多いでしょう。
「リードして」
「リード」には「率いる」「先頭に立って」といった意味があり、何かしらの集団を一定の方向に導いたり、流行や時代といった大きな流れを作ったりする人物や事柄に用いられる事もあります。
またデートなどで、男性が女性を「リードする」という風にも使われますが、この場合は個人の女性に対する「気遣い」であったり、さり気なく不安や不快感を取り除くように立ち振る舞う事という意味合いが強いでしょう。
「先行して」
「先行」には「他の人より先に行くこと」「他の事柄より先に進むこと」という意味があり、より未来を言い表す意味合いが強くなります。
逆に「それ以前に行われていること」を表すこともできるため、前後の文脈にも気を配る必要があります。
せん‐こう〔‐カウ〕【先行】 の解説
[名](スル)
1㋐他の人に先だって行くこと。前行。「―したグループと合流する」「―部隊」
㋑他の事柄よりも先に進むこと。「実力より人気が―する」「時代に―する意見」
「予め」
「前もって」という言葉と比較すると、より堅い表現になりますので、ビジネスシーンでの出番も多い言葉となっています。
余談ですが、実は「予め」を「あらかじめ」と読むのは常用ではないので、ビジネス文書などで使う場合においては極力平仮名で表記するということに注意しましょう。
ただし、平仮名が多用される文章においてはこの限りではないので、文章全体のバランスを見て漢字表記か平仮名表記を使い分けることが重要です。
あらかじめ【▽予め】 の解説
[副]物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって。「―調べておく」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BA%88%E3%82%81/#jn-7081
「逸早く」
また、「一早く」と書かれていることも多いですが、これは誤記に当たりますので注意しましょう。さらに言えば、「逸」というのも当て字であり、正式な表記ではありませんので、本来は「いち早く」と書くのが望ましいとされています。
言葉 逸早く
読み方 いちはやく
意味 他人よりも早く行うこと。真っ先に。
「先んじて」の対義語
「後れる」
使い方としては「今まで流行の最先端を走ってきたが、今回は後れをとった」「テスト前に風邪をひいてしまったせいで、友達に後れをとった」といった風になります。
「遅れる」
使い方としては「朝寝坊をしたので、授業に遅れてしまった」「予想外の事故で、電車の発車時刻が遅れた」など、何かに間に合わない時や遅刻してしまった時に使います。
「先んじて」を使ったことわざ
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「先んずれば人を制す」
先んずれば人を制す
人よりも先にものごとを行えば、有利な立場に立つことができる、という教え。
「転ばぬ先の杖」
このことわざが示す「先」とは実際に目の前にある道などの事ではなく、時間的に今を基準とした場合よりも前という事。「転ばぬ」とは「転ぶ」の打ち消しを意味する助動詞です。また、同じようなことわざとして「濡れぬ先の傘」などがあります。
転ばぬ先の杖
【読み】 ころばぬさきのつえ
【意味】 転ばぬ先の杖とは、失敗しないように、万が一に備えてあらかじめ十分な準備をしておくことのたとえ。
「備えあれば憂いなし」
備えあれば憂いなし
【読み】 そなえあればうれいなし
【意味】 備えあれば憂いなしとは、普段から準備をしておけば、いざというとき何も心配がないということ。
「先んじて」の英語表現
英語での会話やメールを使うことも多いビジネスシーンにおいて、この2つはぜひ頭に入れておきたい英語表現です。
in advance ofとは
意味・読み方・使い方
意味・対訳
…に先立って、より進んで
ahead
意味は「彼は同僚に先んじて仕事を終わらせた」となります。「ahead of 〜」という表現を用いることで、「先んじて」と同様の意味として機能します。
in advance of
意味としては「この本はその時代より遥かに先んじていた」となります。より先を見通していたという意味として使え、ビジネスシーンでの出番も多い英語表現です。
「先んじて」の意味と使い方を理解しよう
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普段は多用しない言葉でも、しっかりとマスターして取り入れる事で、周りから一目置かれる会話やスピーチをする事ができるようになるでしょう。