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この記事では「いたしました」の意味や使い方など、例文を交えながら詳しく解説し、言い換え表現や注意点なども紹介しています。
この記事を読むと「いたしました」の正しい使い方が理解できるだけでなく、相手に合わせて言い換えたり、状況に合わせて上手く使いこなせるようになります。間違った敬語表現を使って、相手に不自然な印象を与えてしまうことも防げるでしょう。
「いたしました」はビジネスシーンで頻繁に使用しますが、何気なく使ってしまいがちな表現でもあります。相手に敬語ができない印象を与えないためにも、この記事を参考にしてみてください。
「いたしました」の意味
「いたしました」は聞き手や読み手に対して自分を下げている言い回しです。「いたす」に「ました」を付けて丁寧な言葉を使っていることから、「いたしました」は自分がする行為を相手に対して丁重に述べる場合に使う謙譲語となります。
「いたしました」の使い方・例文
ここからは状況に合わせた使い方を紹介します。例文も交えながら解説していますので、正しく使いこなせるように確認してください。
宣言する場合
「することといたしました」は、新しいことを始めた際に、「~することにしました」という意味で使用します。「~を始めます」と目上の人にと宣言する場合に最適な表現です。
「志望いたしました」は就職や転職の面接で志望動機を伝える際に使用します。履歴書やエントリーシートで使用する場合は、「貴社を志望いたしました」と記載しましょう。「御社」でも間違いではありませんが、文書では「貴社」の使用が一般的です。
- 来月より応募を開始することといたしました。
- 自身の経験を活かしたく、御社を志望いたしました。
報告する場合
- お問い合わせいただいた件、確認いたしました。
- 先ほど、作業が無事に完了いたしました。
言葉を接続する場合
「いたしましたところ」は「~しましたところ」を意味し、主に何かをした際に、そこから得た情報を目上の人や上司に報告する場合に使用するフレーズです。ビジネスメールで頻繁に使用するため、覚えておくと便利でしょう。
「いたしましたため」も同様に、「~をしたため」を意味するフレーズで、こちらも何かをしたことによって得た情報を伝えるフレーズです。「確認」や「連絡」でも使えますが、「ご迷惑をおかけいたしましたため」というように、謝罪の言葉としても使用できます。
- 確認いたしましたところ、問題はありませんでした。
- 内容を変更いたしましたため、再配布させていただきます。
「いたしました」を使用するときの注意点
相手に敬語ができない印象を与えないためにも、ここから紹介する注意点をしっかりと理解することが大切です。
二重敬語に注意する
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二重敬語は文法的に間違いであるだけでなく、丁寧過ぎてかえってくどくなり、相手から不評を買ってしまうことも考えられます。丁寧に伝えようとして、それが逆効果となってしまわないように注意しましょう。
連続で使用しない
「いたしました」のあとは「させていただきます」や「申し上げます」など、違う表現を続けましょう。
- 確認いたしましたのでご連絡させていただきます。
誤用に注意する
目上の人に使う言葉であるからこそ、失礼な印象を与えないように誤用には注意しましょう。
「いたしましたでしょうか」
「いたしました」は謙譲語であるため、相手に尋ねる場合は「いかがなさいましたでしょうか」が正しい表現となります。
「いたしました」を使用する場合は「それを誰がしたか」に注目し、正しい敬語を使うようにしましょう。
「了承いたしました」
「了承いたしました」は間柄によって堅苦しくなるので、その場合は「了承しました」で良いでしょう。次の例文のように、相手との関係性によって使いわけてみましょう。どちらも正しい敬語です。
よりフォーマルな言い方 | 夏休みの日程の変更、了承いたしました。 |
---|---|
よりカジュアルな言い方 | 夏休みの日程の変更、了承しました。 |
「しました」と「いたしました」は混在できる
むしろ、文章が「いたしました」ばかりになってしまうと不自然になりますので、注意が必要です。メールなどを送る際は一度文章全体を確認し、「いたしました」や「しました」をバランスよく混在させるようにしましょう。
動詞として使う場合は「致しました」
- 大変ご迷惑をおかけいたしました。
- 確認をいたしました。
- 書類を拝受いたしました。
- ご連絡を致しました。
- 来客の案内などを致しました。
- (わたくし)が致しました。
「メールいたしました」は不自然な表現
「いたしました」は行動について使う言葉であるため、「メール」や「電話」などの名詞のあとに続けると不自然な文章となってしまいます。
相手に伝える場合は「メールを送信いたしました」「お電話でお伝えいたしました」というように、名詞のあとに続く動詞を省略しないようにしましょう。
くどい表現にならないようにする
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例えば「いたしました次第です」というフレーズが挙げられます。「次第です」は「事情や状況」を表す言葉で、「~という次第です」というように使う丁寧な表現です。「いたしました」も「次第です」も、それぞれが丁寧な表現であるため、2つ続ける必要はありません。
それぞれの丁寧な表現の意味を理解し、スマートな文章になるように心がけましょう。
「いたしました」の言い換え表現
いくつか注意点もありますが、相手によっては「いたしました」よりも言い換え表現の方が適している場合もあります。
それぞれ使い方を確認していきましょう。
「させていただきました」
敬語表現は正確な使い方をしないと、せっかく丁寧に伝えようとしている事柄が伝わりにくくなってしまいます。「させていただく」とへりくだりすぎると、状況によっては相手側がバカにされたと感じる場合もあるため、注意して使いましょう。
「しました」
相手によっては失礼にあたるため目上の人に対しては注意が必要ですが、謙譲語の働きがないからこそ、自分だけでなく誰の行動にも使うことができます。
同等の立場の人や部下に対して以外にも、「彼は入社しました」「彼女は出発しました」のように、あらゆる場面で使用できる敬語表現です。
「いたしました」の丁寧・尊敬表現
では、目上の人や同僚や部下に対して使う場合は、どのような敬語表現に言い換えると良いのでしょうか。ここからは「いたしました」の丁寧語と尊敬語を紹介します。
丁寧語は「しました」
丁寧語のため目上の人に対しても使用できますが失礼にあたる場合があるため、ビジネスシーンでは「いたしました」を使用する方が無難です。
しかし、自分の行為だけでなく相手の行為にも使用できますので、上手く使いこなせるとあらゆる場面で使用できる表現と言えます。
尊敬語は「なさった」
また、「なされた」も「なさった」と同じ意味として使用できる尊敬語であるため、覚えておくと良いでしょう。「なさった」「なされた」どちらも過去形なので、相手が起こした行動を表すことができます。
「いたしました」の使い方を理解して適切な場面で使おう
そのためにも、敬語にたくさん触れる機会をつくると、敬語に対する理解も深まります。例えば、目上の方や敬語を正しくきれいに使う方と話す機会を増やしたり、アナウンサー達が使う敬語を真似してみるのもいいでしょう。
地道な努力と敬語への慣れがコツであり、あなたを正しく敬語が使える「マスター」に変えてくれるでしょう。