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「長崎弁の方言に興味がある!」
このような疑問などはお持ちではないですか?
長崎といえば日本の観光地として有名な県です。世界遺産である天草地方から美味しい海の幸まで色々な楽しみ方がありますね。
本記事では、この長崎の方言について詳しくお伝えします。長崎の方言には、標準語とはまた違った、方言らしい味わい深い表現がたくさんあります。
記事を読み知識を少しでも付ければ、もし長崎に行かれた際には、よりスムーズにコミュニケーションが取れるでしょう。また、普段は標準語をお使いの方でも、長崎の方と、ほんの少しだけでも長崎弁を入れて会話できたら、カッコイイですよね。
特に長崎に興味がある方や、長崎弁の知識を深めたい方はぜひ本記事をご覧ください。多様に広がる長崎弁の面白い世界をお伝えしましょう。
長崎弁の特徴
長崎弁には標準語とは違った独自の発音ルールやパターンがあり、標準語話者にとってはなかなか理解することが困難なことも多いようです。ここでは長崎弁における4つの特徴をピックアップしてお伝えします。
- 特徴的な子音が使われる
- 地域によってアクセントが違う
- 外国語の要素が含まれる
- 大きく分けると4種類の方言がある
特徴的な子音が使われる
また、ら行の子音であるrが脱落することもあるようです。「あれ」と何かを指し示す言葉が「あい」になるといった変化ですね。
地域によってアクセントが違う
特に中南部方言と北部方言はアクセントが全く違います。アクセントとは単語を幾つかの音節に分けたとき、どの部分の音節を強調するかということです。
北部方言は、同音の単語にすらアクセントの区別がない無アクセントと分類されるものです。中南部方言は、九州南、熊本に似たアクセントをしています。これには、単語のアクセントが2パターンしかないそうです。
外国語の要素が含まれる
そのため、長崎弁には特にポルトガル語から転用された外来語が数多くあります。例をあげると、「ビードロ(ガラスの意)」「おんぶする」などです。こうした長崎を経由した外来語もすっかり私たちの日常の中に溶け込んでいますね。
大きく分けると4種類の方言がある
・中南部方言
・北部方言
・南部離島方言
・北部離島方言
長崎県には北にある離島の壱岐島や対馬も含みます。長崎県内でも971もの島々も含めて様々な地方があるので、方言にもそれぞれ違いがあるようですね。ちなみに県庁所在地である長崎市は中南部方言が主に使われる地域です。
「ありがとう」「どういたしまして」を伝える時に使う長崎弁
特にその誰かが恋人だったりすれば、日頃からちゃんとあなたの気持ちを伝えておきたいですよね。ここでは3種類の長崎弁による「ありがとう」をご紹介させて頂きます。
どーも(どうも)
「どーも、どーも。おちゃかしてしもうた」
(標準語による意訳:「ありがと、ありがと。落としちゃった」)
どうもありがとう、ならば標準語でも使いますが、「どーも」だけでお礼の言葉になるのだそうです。さらに後ろの「も」は上がり調子になるそうです。ややおっとりした印象でかわいらしいですね。
おーきん
(標準語による意訳:「おぶってくれて、ありがとう」)
大阪弁の「おおきに」は有名ですが、長崎弁や宮崎弁には「おーきん」があるようです。関西の方言同士少し語感が似ているかもしれないですね。
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よかとですよ
(標準語による意訳:「いえ、どういたしまして」)
「と」は人や物を表す代名詞だそうです。直訳すると「いえ、良かったですよ」です。お礼を言われたあとに用いると「どういたしまして」になります。直接的に「ありがとう」と伝える表現ではありませんが、ポジティブな表現を通じて感謝を返せますね。
長崎弁で使われる特徴的な語尾12選
1:「~たい」
(標準語による意訳:「ほらね、今日来るって言ってたじゃないか」)
「~たい」には相手による同意・確認を求めるニュアンスがあります。ときには言外に相手の落ち度を責めるようなニュアンスが含まれることも。注意して聞いておきたいところです。
2:「~ばい」
(標準語による意訳:「今日のテストは良い点数だった!」)
「~ばい」は事実や理由を話者の視点から断定するニュアンスで用いられます。こちらは「~たい」と違って言外の含みはなく、単に主観的な事実を表す言い方です。
3:「~と」
(標準語による意訳:「どうして急いでるの?」)
「うったまぐると」
(標準語による意訳:「びっくりしたの」)
「~と」という語尾を付けて、上がり調子にすると相手に対する疑問文になります。標準語に意訳すると「~なの?」と問いかける意味です。
逆に「~と」という語尾を付けて、下がり調子にすると二文目のように事実を表す肯定文になります。
4:「~やん」
(標準語による意訳:「昨日はとても疲れたね」)
「そいは、よかとやん」
(標準語による意訳:「それは良かったね」)
「~やん」は、相手に同意を求めていますが、「~たい」より柔らかく優しい話し方です。これを標準語にすると「~だよね」にあたります。
5:「~やけん」
(標準語による意訳:「このみかん黄色くなってるから、とっても美味しいよ」)
「~やけん」の語尾を付けた文は、標準語における接続助詞「~ので」「~から」と同じく理由を表します。
6:「~ね」
(標準語による意訳:「びっくりしたね」)
「~ね」も相手に確認を取る話し方ですが、優しい印象を残すため若い方を中心に用いられるようです。標準語にすると「~なのね」となります。
7:「~さ」
(標準語による意訳:「ここで鍋に白菜を入れますよ」)
単に事実を伝える話し方です。「~ね」と組み合わせて「~さね」と用いるとより優しい言い方になります。
8:「~なか」
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(標準語による意訳:「仕方ないよ」)
「~なか」を付けると否定「~ない」「~とは違う」を表します。具体的には「じゃあなか(違う)」、「さぶなか(味が薄い)」のように他の語と組み合わせた造語として用いられるようです。
9:「~い」
(標準語による意訳:「決まりが悪いよ」)
「~ばい」「~たい」にも含まれていた語尾「~い」ですが、これ自体に自分の意思をはっきりさせる意味があるそうです。確かに「~ばい」「~たい」にも「こうだよ!」と強調する「意図」が含まれていますね。
10:「~っちゃん」
(標準語による意訳:「おととい遊園地に行ったらね、そしたら同級生に会ったの」)
「~っちゃん」は話し初めに用います。続けて話したい話題へ繋げることができます。標準語だとまず「ところで~なんだよね」と切り出す話し方ですね。
11:「~ばってん」
(標準語による意訳:「頑張るけれど、無理だから仕方ない」)
主に九州地方で「逆接」の接続詞「~けれども」として用いられる言葉です。長崎の他には、福岡、熊本、佐賀でも用います。
12:「~よる」
(標準語による意訳:「あなたは、何しているの?」)
標準語における「~している」で現在、進行中の動作や状態について表す語尾となります。英語の進行形と同じで動作を強調する意味で用いられる場合もあるとのことです。
覚えておきたい長崎弁15選
1:ちょんちょん
(標準語による意訳:「ここに座っておいて」)
幼児を相手にする際の優しい言葉遣いで、「座る」の意です。かわいらしさが特徴とされる長崎弁の中でも有名な言葉の一つになります。
2:ねまる
(標準語による意訳「それは腐っているだろ」)
食べ物が痛むことや腐ることを指す言葉です。日常的に使われる語彙で、熊本・宮崎・鹿児島でも用いられています。
3:とっとっと
(標準語による意訳:「(それ)取ってあるの?」「(そうだよ)、取っておいてるの」)
何か食べ物などを取っておいてあることを、「とっとっと」と表現します。「と」の語尾で出てきましたが、語尾を上がり調子にすると疑問文になり、語尾を下がり調子にすると肯定文となります。ほとんど「と」だけで会話が成り立つなんて、面白いですね。
4:ふとか
(標準語による意訳:「よく大きくなったねぇ」)
「ふとか」は太るの意もあるようですが、子どもが成長した、大きくなったということを指す言葉です。長崎弁話者でない方だと「太った?」と言われたのかと勘違いしてしまいそうです。
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5:好いとっと
(標準語による意訳:「あなたのことが好き」)
おそらく長崎弁の中でもかなり知名度の高い言葉の一つでしょう。方言の中でも、「好いとっと」の可愛らしさはシチュエーションも含めて抜群ですね。もっとも仲の良い友だち同士で使うこともあるようですよ。
6:好きばい
(標準語による意訳:「あなたのことが好きなの!」)
「~ばい」の語尾は自己を主張する話し方ですから、「好いとっと」よりも一層、情熱的ですね。また「好いとっと」は、友人同士のようなフランクな言い方ですが、「好きばい」は前者よりもややフォーマルな言い方になります。
7:いっちょん
(標準語による意訳:「あなたは全く、風邪を引かないね」)
「いっちょん」は頻度の副詞「全く、全然」を表します。否定的なニュアンスですが、日常会話でも頻繁に用いられるようです。
8:じゃがいも
(標準語による意訳:「靴下に穴が空いているから、足の指が見えてるよ」)
もちろん、野菜の「じゃがいも」で用いる場合もありますが、靴下と関連付けて用いられると、その靴下に穴が空いていることを指します。九州一般のものでなく、長崎特有の表現になるようです。
9:すっちょんちょん
(標準語による意訳:「(洋服の)丈が短いよ」)
洋服のサイズ、丈や裾が小さ過ぎるときに用いる表現です。もし知らない誰かに言われてしまったら、やや恥ずかしいですね。ちなみに富山県でも使われている様です。
10:うったち
(標準語による意訳:「私たち、学生です」)
うったちは、主に関西の方言である「うち(私)」を複数形にした言葉です。九州地方の方たちはよくお使いになられるようです。
11:しける
(標準語による意訳:「あの子は最近、赤ちゃん返りしてる」)
子どもに対して用いる言葉です。ある程度幼いお子さんの場合、弟や妹が生まれたことなどをきっかけとして、赤ちゃんのような態度をとるときがあります。これを赤ちゃん返りと呼びますが、「しける」はこれを指します。
ちなみに赤ちゃん返り自体は、保護者の方の愛情が足りていない訳ではなく、お子さんが自己肯定感を得るために必要な自然な反応だそうです。優しく見守ってあげたいですね。
12:おっちゃかす
(標準語による意訳:「全然、落ちる所じゃない」)
「おっちゃかす」は「落ちる」の意を表します。単に物理的な意味だけでなく、試験などに落ちた際も用いるようです。
13:はぶてる
(標準語による意訳:「なぜ、拗ねてるの?」)
「拗ねる」の意となります。九州地方だけでなく、広島、山口でも用いられる言葉です。気に入らないことがあっていじけている様子に対して、日常的に用いられます。
14:さるく
(標準語による意訳:「今日は歩き回り過ぎて、疲れたよ」)
「歩く」「歩き回る」の意です。
ところで長崎国際観光コンベンション協会では長崎の街を観光ガイドと歩くことを「長崎さるく」と呼んでいます。情緒と歴史ある長崎の街をぜひさるいてみたいですね。
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15:つ
(標準語による意訳:「かさぶたが取れたよ」)
「つ」とは怪我などで皮膚に生じるあの「かさぶた」のこと。特に北部方言で年配の方が用いられるようです。中南部以南では通じないこともあるようですよ。
長崎弁での「ありがとう」や他の方言について知ろう
語尾に関しては、長崎弁話者以外の方、特に関東方面の方が会話で使い分けることはやや難しいだろうと考えられますが、こうして知っておくだけでもコミュニケーションで戸惑うことは少なくなるはずです。
他にも沢山の長崎弁を紹介させて頂きましたが、いずれも可愛らしくて、どこかおっとりした印象を残す表現が多かったですね。実際に長崎に行ってみたくなった方も多いのではないでしょうか。