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「そもそもどうして丁が使われるようになったの?」
「銃と砲の違いを知りたい」
なぜそのような数え方になったのか知りたいと思っているでしょう。
本記事では「銃」の数え方について解説していきます。また、銃の定義や砲となにが違うのかに加え、関連する数え方の単位や銃と同じ数え方をするものについても記載していますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読むことで「銃」の数え方の単位が分かり、銃の定義や単位の由来を知ることで適切に用いることができるでしょう。
ものの数え方の単位を知りたい人、なぜ銃とは関係のないものと同じ数え方なのか知りたい人は、本記事をご覧ください。
「銃」の数え方とは?
「丁」は常用漢字で画数も少ないため、「銃」以外の数え方にも使われます。例えば、後述する「豆腐」や「パンツ」などがそうです。住所の〇〇丁目といった使い方もできます。
また、お店で「出前一丁」「ラーメン一丁」などの言葉を聞いたことはありませんか。これは諸説ありますが、景気づけのために助数詞「丁」が数詞に添えられているそうです。
このように「丁」はさまざまな場面で使われる単位であることが分かりました。
では、なぜ「銃」に「丁」という単位が使われるようになったのでしょうか。そもそも「銃」の定義とはどのようなものなのでしょう。
「銃」の定義
しかし、口径が20ミリ未満という基準は銃を運用する組織によって異なっているようです。例えば、米軍および陸上自衛隊は20ミリ以下で銃、それ以上で「砲」、海上保安庁(自衛隊)では30ミリ以下を銃、それ以上を「砲」と呼んでいます。
ここで登場した「砲」は「銃」と似たような言葉ですが、銃となにが違うのでしょうか。それぞれの漢字の部首に注目してみると分かるかもしれません。
「銃」と「砲」との違い
投石器とは、中央部分の幅広の布に石を包み、両端にある紐を持ち振り回すことで回転力を得られる構造です。タイヤのついた移動式カタパルトもあります。
一方で「銃」は、既述したように金属の筒に火薬を充填させる構造となっており、石偏と金偏に明確な違いがあることが分かるでしょう。
しかし、この説明を読む限りサイズの違いによる区別はありません。元来は銃のことを「鉄砲」と呼んでいた時期があり、漢字表記は「砲」なのに構造は「銃」なのです。
それぞれ口径も構造も異なり、さまざまな定義がありますが「銃」と「砲」の区別はあいまいなようです。
「銃」に関連する数え方の単位
普段使っている漢字のほか、馴染みのない漢字もあるかもしれません。どのような場合に、なにを対象として使われるのか知っておくことで、数え方への理解が深まるでしょう。
「丁」以外の単位は以下の5つです。
- 挺・梃・丁
- 門
- 口
- 発
挺・梃・丁
「挺」は「てい」「ちょう」と読み「ぬきん出る」「ずば抜けている」という意味です。危険を顧みず、自分から進んで前に出る様子を表しており「身を挺して守り抜く」といった使い方ができるでしょう。
1挺2挺と数えられ、農具や銃などの長いものを数える際に用いられる場合があります。
一方「梃」は「てい」「ちょう」のほか「てこ」とも読み、重いものを動かすための棒(または原理)を表す言葉です。同じく1梃2梃と数えられます。
ただし「挺」「梃」のどちらも常用漢字ではないため、数える際は「丁」が充てられるようになりました。
門
これは「砲」の数え方で使われることが多く、大砲の弾が発射される口を意味する「砲門」に由来していると言われているのです。
また、船の側面にいくつもの大砲が乗せられていた時代、大砲を撃つ際には小さな扉が開く仕組みになっていました。つまり「大砲」の「門または扉」を開くという意味で、単位としての「門」が使われるようになったのでしょう。
口
既述した「丁」「挺」「梃」は手に持って扱う武器を数える際に使われ、「口」も大銃、小銃にかかわらず用いられるため例外ではありません。
しかし、数を表す語に添える助数詞としては「合」や「門」のように対象が限定的なため、1口2口以外の使い道は少ないでしょう。
発
1発2発といったように、発射された銃弾の数に対して使われることが多く、「銃」でも「砲」でも区別はありません。ただし、まだ撃っていない状態の銃弾に対しては「個」を使う場合があり、発射前と後で助数詞が変わる珍しい例です。
ほかに助数詞が変化するものとして「ミサイル」があります。発射前の状態では、据え置いているものを数える「基」を使い1基2基のように、発射後は1発2発として数えられるのです。
何気なく使っている「発」ですが、ものの状態によって変化する場合があることを覚えておきましょう。
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「丁」という単位の由来
銃も細長く手で持てるもののため「1丁2丁」という数え方ができるようになったのでしょう。
また、手で持つ(担ぎ上げる)ことから、人力車や駕籠(かご)の持ち手を数えるのにも使われます。1台2台のように「台」を使う場合もありますが、1丁(挺)とも数えられるのです。
「銃」と同様に数え方に「挺(丁)」を使うもの
日常で馴染み深いものもあれば、普段めったに目にする機会のないものまで、「挺(丁)」を使ったものはいくつもあるのです。
「これも銃と同じ数え方なの?」と驚く方もいるかもしれませんが、ぜひ知識として参考にしてください。日常で正しく使ってみましょう。
- 豆腐
- バイオリン
- 三味線
- パンツ
豆腐
元々、豆腐は2個で1組(1丁)として販売されており、1個だけ買いたいときは「半丁ください」と言うのが一般的でした。
博打で使う「丁か半か」はこれが由来だとされており、サイコロの目が偶数(丁)か奇数(偶数の半分)かの意味はここから来ています。
また、当時の豆腐は形が細長かったため、長いものを数える際に使われた「丁」が用いられるようになったそうです。
今では細長くもなく正方形や長方形、小判型などさまざまな形の豆腐があります。
バイオリン
しかし、手で持てるとはいえ、そのフォルムは細長いとは言えません。では、なぜ「挺」を使うのでしょうか。
理由は、バイオリンが弓を持って演奏する弦楽器だからです。そのため、バイオリン以外にもチェロやコントラバスも1挺2挺と数えます。つまり、バイオリン本体ではなく弓に対しての単位ということです。
ただし、長いネックがあるギターは「本」、電気を使うエレキギターは「台」で数えます。すべて同じ弦楽器ですが、楽器によって数え方の単位が違うことを知っておきましょう。
三味線
ちなみに、棹は箪笥や羊羹を数える際の単位としても使われ、羊羹の場合切る前は1棹、切ったあとは1切れのように単位が変わるのです。
このように、日頃馴染みのない楽器でも単位を知れば「豆腐や銃と同じなんだ」と感心するでしょう。
パンツ
みなさん、とくに男性の方は「パンツ1丁で寝てしまった」経験はありませんか。また、パンツ1丁で家のなかをうろうろして、家族に怒られたことがあるかもしれません。
このとき自然に使っている「丁」は、なぜシャツを数える際の「枚」やセーターやコートを数える際の「着」ではないのでしょうか。
これは「パンツ」の前身である「ふんどし」に由来しているからです。
パンツが主流になる以前はふんどしを身に着けており、その際使われていた単位が「丁」であったことから、現代にも受け継がれています。
諸説ありますが、ふんどしを身に着けた男性の後姿が「丁」の字に見えたことから、「丁」が使われるようになったとも言われています。
「銃」の数え方について理解を深めよう
「銃とバイオリンが同じ単位なの?」と驚いた方がいるかもしれません。また、「丁」以外に、常用漢字でないにしても「挺」「梃」で数えられることをはじめて知った方もいるはずです。
無理して難しい感じを使う必要はありませんが、知識として知っておくとよいでしょう。
日常的に「銃」に触れる機会はないと思いますが、数え方について理解を深めることで、正しく数を人に伝えられます。
さまざまな数え方を知って、ぜひ日常生活で活かしてみてください。