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スムースとスムーズはどちらが正しい?意味や使われるシーンを紹介

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「スムース」と「スムーズ」、同じ意味に対して2つの外来語が存在していますが、どのように使い分けをすれば良いか迷ったことはないでしょうか。

フランクな会話であれば、あまり気にする必要もないでしょうが、きちんとした使い分けが必要とされるシーンもあります。

本記事では、「スムース」と「スムーズ」の意味や使い分けをはじめ、なぜこの2つの外来語が生まれたかなどについて説明しています。

この記事では「スムース」と「スムーズ」の類義語や対義語も紹介しているため、うまく使い分けられない場合の手助けになるでしょう。

「スムース」と「スムーズ」はビジネスシーンでもよく使用される単語です。社外の方との交渉やスピーチなど、とっさにこの単語を使用するシーンが訪れる場合もあるでしょう。

そんな時のために、この記事を参考にして、「スムース」と「スムーズ」の使い分けのルールを決めておくようにしましょう。

スムースとスムーズはどちらが正しい?

たとえば、仕事の進行に支障が出る可能性はあったものの、何事もなく無事に終わった時などに「スムースに仕事が終わった」と言う人もいれば「スムーズに仕事が終わった」という人もいます。

ここでは、同じ意味合いの単語として、語尾が濁音となる「スムーズ」と語尾が清音「スムース」の両方が使われていることになります。この場合、どちらかが正しくて、どちらかが誤りとなってしまうのでしょうか。

今のところ、どちらかが正しくて、どちらかが誤りとなるわけではないようです。両方とも問題がないというのが、使い分けの難しさにも繋がっていると言えるでしょう。

スムースとスムーズの意味は同じなのか

結論どちらも同じ意味合いで、どちらを使っても問題はないということになります。

次に、英語の「smooth」は、日本語の意味に加えて、(表面などの)滑らかさ、口当たりの良さという意味も含まれていました。

「スムース」や「スムーズ」という単語は、日本語の意味だけでなく、英語の意味も含んだ形で使われている場合が多いため、この意味合いでも「スムース」と「スムーズ」のどちらを使っても誤りではないと言えるでしょう。

スムースとスムーズの表記について

一般的に、「スムーズな車の流れ」「スムーズな会議の進行」というように、「スムーズ」を形容動詞として使用する場合の表記は、濁音となる「スムーズ」が使用されるケースが多いようです。

そして、円滑な流れという意味の「スムース・フロー」、滑らかな状態という意味の「スムース・コンディション」といった、後に単語が続く場合は、清音となる「スムース」が使用されるケースが多いでしょう。

しかしながら、これは絶対のルールではありません。ここでは、新聞や辞書ではどのように表記されているかを見て行きましょう。

新聞での表記

新聞での表記は、新聞ごとの表記ゆれを少なくするために、外来語(カタカナ)表記ガイドラインや記者ハンドブックといったルールブックに基づいています。

また、新聞では読者から表記に対する疑問を受けることもあり、しっかりと対応するためにも、このルールブックの存在は重要です。

このルールブックでは、推奨表記として「スムーズ」、原則使用しない表記として「スムース」と説明されています。

しかしながら、「推奨表記」や「原則使用しない」という説明に鑑みれば、絶対のルールというわけではないでしょう。

あくまでも、「強いて優先順位を決めるのであればこちらが良い」というレベルのものと理解しておきましょう。

辞書での優先順位

ネットの国語辞書で「スムース」を検索すると、ほとんどの場合「スムーズ」を参照するように指示されています。

「スムース」が掲載されていない辞書も見受けられます。

しかしながら、語尾が清音か濁音かといった表記のゆれや、語形のゆれのある外来語については、文化庁の国語施策・日本語教育の審議でも、いまだに統一されていません。

そのため、ここでも「強いて優先順位を決めるのであればどちらか」というレベルでの理解となるでしょう。

スムースとスムーズの正しい発音について

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「スムース」と「スムーズ」を口語で使う場合の発音については、どちらかが正しいというルールはあるのでしょうか。

表記の場合と同様に、一般的な口語で使用する場合は「スムース」と「スムーズ」のどちらを使っても誤りではありません。

ここでは、アナウンサーがどちらの発音を使っているのか、英語の場合の発音はどうなるのかについて見て行きましょう。

アナウンサーの発音はどちらか

アナウンサーと言えば、正しい日本語を話す人の代表格とも言えますが、「スムース」と「スムーズ」、どちらの発音を使っているのでしょうか。

NHKの「放送用語委員会」では、外部識者を交えて定期的に放送用語の議論がされています。その中で、「スムース」と「スムーズ」の使い分けに触れているものはないようです。

しかし、特別なルールがないながらも、ほとんどのアナウンサーは「スムーズ」という濁音で発音しています。

アナウンサーには、新聞における「ルールハンドブック」のようなものは存在しません。

しかし、アナウンサーそれぞれで発音が異なっていれば、テレビを視聴している人は「聞きにくい」といった印象を持つ場合もあり、ひいては、そのテレビ局のアナウンサーの質を疑う可能性すらあるでしょう。

そのため、1放送局の中での発音の差をなくし、なるべく統一するべきだという考えがあるのは当然と言えるでしょう。

英語の発音はどちらか

「スムース」と「スムーズ」の由来となる、英語の「smooth」は、どのような発音となっているのでしょうか。

英語では、「th」の語尾を「ス」と発音したり、前歯の隙間に舌先を挟むようにして息を吐いて、「ス」と「ズ」の中間に聞こえる音で発音したりします。

「smooth」は後者の発音方法で、日本人であれば「スムーズ」と聞こえる場合が多いと言われています。

この「smooth」の「th」の発音は、有声歯摩擦音と呼ばれ、日本人が聞き分けるのが難しいと言われている発音の1つです。

何故スムースとスムーズに分かれたのか

先述した英語「smooth」の発音が、日本語における「スムース」と「スムーズ」2つの発音の存在に関わっていると言われています。

「smooth」の「th」発音は有声歯摩擦音と呼ばれ、日本人がとても聞き取りにくい発音です。そのため、人によって「スムース」と聞こえたり、「スムーズ」と聞こえたりした人がいたと想定できます。

聞き取りにくいということは、発音しにくいということにも繋がるため、「スムース」と「スムーズ」の2種類の単語が生まれてしまったのでしょう。

スムースが使われるシーン

基本的に、「スムース」と「スムーズ」で厳密な使い分けをする必要はありませんが、特定の場合において「スムース」だけが使われる場合があります。以下で詳しく見て行きましょう。 

まず、テニス用語で使われている「スムース」です。テニスでは試合をスタートさせる時にサーブをとるか、レシーブをとるかをコインの表裏や、ラケットの表裏で決める場合があります。その時のテニスラケットの表面・上面を「スムース」、裏面・下面を「ラフ」と言います。この意味合いの場合「スムーズ」は使えません。

次に、ファッション業界では、柔らかく、肌当たりが良い革のことを「スムースレザー」と呼んでいます。革の種類に関係なく、起毛や型押し加工がされていない、表面が滑らかな革全般を指すファッション業界特有の用語です。固有名詞的存在となるため、「スムーズレザー」とは呼べません。

最後に、チワワの犬種の中に「スムースチワワ」という種類があります。短毛で光沢のあるストレートな毛質を持つチワワのことを指します。これも固有名詞的存在となるため、「スムーズチワワ」とは呼べません。

スムースとスムーズの類語・対義語

「スムース」と「スムーズ」の類義語と対義語を見て行きましょう。

物事・動作が「円滑な」という意味の類義語としては、「流暢な」「順調な」「すらすらと」「滞りなく」といったものがあります。対義語は、「手際が悪い」「もたもたと」「のろのろと」「段取りが悪い」などです。

物が「なめらかな」という意味の類義語としては、「すべすべした」「つるつるした」「さらさらした」「きめ細かい」「平らな」といったものがあります。対義語は、「ざらざらした」「ごつごつした」「粗い」などです。

「スムース」や「スムーズ」のどちらを使えば良いか迷った時には、上記のような類義語の知識があると役立ちます。

また、「スムースではない」と表現したい場合などは、対義語を使用した方が理解しやすい文章となるでしょう。

スムースとスムーズの意味や違いを知り正しく使おう

ここまで見てきたように、「スムース」と「スムーズ」では、特定の分野を除き、どちらを使った方が正しいと判断できる要素はまだ存在していないようです。

そのため、この場合は「スムース」を使い、この場合は「スムーズ」を使うなど、自分の中で使い方を決めておくのも1つの方法です。

また、辞書や新聞、アナウンサーは「スムーズ」を優先して使っているため、これに倣った方が無難とも言えます。

特定の分野については「スムース」しか使えない場合があるという点に注意し、自分なりの使い方を見つけましょう。

「スムース」と「スムーズ」を正しく使い分けられるよう、是非こちらの記事を参考にしてみてください。

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