cms-import-tapbiz-wp

「諸々」の意味・言い換えとは?使い方や例文・注意点も解説

[allpage_toc]

「『諸々』って言葉をよく使うけど、使い方あってるかな?」
「『諸々』のちゃんとした意味を知りたい」
「『諸々』の別の言い方って何があるのかな?」
このように、「諸々」という言葉を普段使っていて、不安や疑問を持っていないでしょうか。

「色々」と並んで、曖昧に多くのものを表現できる単語ですから、ビジネスシーンやプライベートで同じ意味として言い換えるなど多用している方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、この「諸々」という単語の意味を始め、適切な使い方や類語との使い方の違い、注意点などについて紹介します。

記事を読むことで、「諸々」の正確な意味や多くの言い換え表現について知ることができるでしょう。ぜひ参考にしてください。

「諸々」の意味・読み方

「諸々」とは、「もろもろ」と読み、数多くのものや多種多様なものを漠然と指す言い方です。

「諸々の事情」「諸々の人」「その他諸々」等といった使い方をします。「諸」を重ねた単語で、文字を「しょ/もろ」と読み、「いろいろな」や「多くの」「共にする」といった意味の漢字です。

「多くのもの」を示す単語ですから、「諸々の○○さん」や「この諸々」といった単数に対して使うのは誤用となります。

日常会話やビジネスシーンなど、様々な場面で使える単語ですが、正しく使えているのでしょうか。

「諸々」の使い方・例文

ここでは、「諸々」という単語の使い方や例文について紹介していきます。

前述した通り、「諸々」は曖昧に多くのものを表現できる単語です。使う場面を選ばずに使える便利な単語と言えるでしょう。普段から無意識に使って、用法を間違えていた、なんてこともあるかもしれません。

様々な場面で使える単語ですから、誤った使い方をしないよう例文や言い換えについても詳しく解説していきます。

依頼や要望を受けたときに承諾する場合

・「諸々承知しました」
・「諸々の件かしこまりました」

依頼を引き受けました、という意味で使える文面です。

諸々とついているので、「あらゆる事柄を承諾しました」と、複数の事柄をまとめて受け入れたといったニュアンスになります。

依頼や要望の中に受け入れられないものがあった場合に使うと、誤解を招いてしまう恐れがある為、注意が必要です。そういった場合は「諸々」とは使わずに別の言葉「○○について承知しました」等、具体的に言い換えて伝えるようにしましょう。

その後の文章で、承知出来ない件について言葉を付け足すと、より相手にこちらの意図が伝わります。何にでも「諸々」を使うのではなく、内容に応じての言い換えが必要になるでしょう。

依頼や要望を伝える場合

・「諸々の事情をご勘案いただき、ご判断いただければと思います」
・「諸々の件につきましても、よろしくお願いいたします」

複数の事柄について先方に依頼する、要望を伝える際に使える表現です。「諸々」の前に、「○○等の」と付け加えて言い換えれば、より丁寧で伝わりやすい文章になるでしょう。

もし、依頼する事柄が単数であった場合に使ってしまうと誤用となります。相手に伝わりやすいように「○○の件につきましても~」など、具体的な文面に言い換える必要があります。

「諸々」は比較的曖昧な意味の単語になりますから、ビジネスシーンに限らずプライベートなやりとりでも、使い方に気を付ける単語です。類語も多く存在するため、適切な言い回しに言い換えながら使っていくようにしましょう。

「いろいろな」の代わりに使う場合

「諸々の件、ありがとうございます」
「諸々ご迷惑をおかけしました」

どちらも「いろいろ」と言い換えることが出来ます。

ビジネスシーンで使うならば「諸々」の方がより適している単語になりますので、「いろいろ」と使うのであれば、例えば友人同士の親しい間柄や、同僚との気楽なやりとりで使うようにするのが無難でしょう。

また、「いろいろ」ではニュアンスが変わってくる場合もある為、言い換えには注意が必要です。より適切な文面にする為にも、言葉遣いや文面には慎重に言葉を選ぶようにしましょう。

「諸々」と間違いやすい言葉との相違点

[no_toc]

「諸々」という単語について用法をいくつか例として挙げましたが、使い方を間違えやすい、似たニュアンスの単語がいくつもあります。

「諸々」とは、曖昧に「多種多様なもの」「数多くのもの」を表現できる単語ですから、便利に使って誤用してしまうというケースもあるかと思います。

ですから、場面に応じて、適切な言い換えをする必要があります。類語は無数に存在しています。言い換えるにしても、種類が多いとどれを使うべきか迷うこともあるでしょう。

ここでは、間違いやすい言葉との使い方の違いについて解説していきます。それぞれ適した場面や用法がある為、言い換えや言い直しの参考にしてください。

「諸般」との違い

「諸般」とは、「しょはん」と読みます。意味としては「いろいろな」というもので、「諸々」と似た単語です。

「諸般」は、例えば「諸般の事情」といった言葉として使われることが多く、こちらも「いろいろな事情」という意味で使用されます。言葉の響きがかたいため、日常生活でよく使う言葉ではなく、主にかしこまった場や目上の人に向けてなど多くはビジネスシーンで目にすることが多い言葉です。

例文を挙げると、

・「諸般の事情があり、今回は欠席させていただきます」
・「諸般の事情をご賢察いただき、どうかご了承いただきますようお願いいたします」

と、「諸々」とは異なるかたい文面となります。

また「諸般」には、「言いにくいので察してほしい」というニュアンスもある為、様々な意味を一言に纏める「諸々」とは類語であれど言い換えには向かないでしょう。

「諸所」との違い

「諸所」とは、「しょしょ」と読みます。意味は「諸々の場所」「あちこち」「ところどころ」「方々」といったものがあります。

意味にもある通り、「諸々」とは近いニュアンスで使用可能ですが「諸所」は場所について示す言葉となるため、「諸々」と言い換えて使うときは注意が必要です。また、「場所」と言っても実際の土地のみを示すのではなく、「第三章の諸所を参照」といったように場所ではなく文章の一部等に対しても使われます。

多くの意味を持つ「諸々」とは使う場面が少し異なる為、言い換えるときは気をつけなければなりません。
「諸所」を使った例文としては、

・「修業のために諸所を巡り歩くこと」
・「修行のために諸所を遍歴する僧」

といった使い方がされます。どちらも、「場所」を示すために使われています。「諸々の場所」と言い換えても間違いではありませんが、この場合は「諸所」と表現した方が伝わりやすいでしょう。

「色々」との違い

「色々」とは、「いろいろ」と読み、種類が豊富である様や色とりどり、彩り豊かである様などを意味する表現となります。「諸々」とかなり近いニュアンスで使用できますが、別の言葉であり、使い方に違いも存在します。

・「色々な人がこのブログを見ているようです」
・「私は休日によく色々な場所をバイクで訪れる」
・「私はそこを訪れる度に色々な発見があります」

これらの例文の「色々」を「諸々」と言い換えることも可能ではありますが、少し言い方や文面を変える必要が出てきます。また、「諸々」と異なり、カジュアルな印象を読み手や聞き手に与える為、かしこまった場面やビジネスシーンでの使用にはあまり向かないでしょう。

友人同士や付き合いのある同僚相手であれば「色々」という表現も向いていると考えられます。「諸々」とは意味の違いはありませんが、使うシーンに違いがあると言えます。

「諸々」の注意点

ここまで「諸々」という単語について使用方法や言い換えるべき似た語句について紹介してきましたが、この「諸々」を使うべきではない場面も存在します。

多くのことを表現できる便利な単語ですが、どんな場面でも使って大丈夫というものではありません。

相手の反感を買ったり、ビジネスシーンで使用して適さず先方に悪印象を与えてしまったりすることもあります。そういった事態を避けるため、ここでは「諸々を使う際に注意する点について解説していきます。

謝罪には使えない

・「諸々の件について、申し訳ございません」

この文章は、謝罪としては適しません。なぜなら、謝罪しているのにどうして謝罪すべき事態になったのかの説明が無いからです。

謝罪をするときは、謝罪すべき内容を明確に相手に伝える必要があります。ですから、謝罪が必要な場面において、「諸々」「色々」「様々」といった、複数の事柄をひとまとめにしてしまう表現はこういった場面において不向きです。

正しく謝罪するならば、

・「○○の件ですが、作業工程において問題が発生したため納品が遅れてしまいます。たいへん申し訳ございません」

こういった文章であれば、相手に謝罪すべき内容も伝わります。「諸々」は便利な言葉ですが、使う場面や使い方をしっかり考えて使う単語です。

敬語ではない

「色々」「様々」といった言葉の言い換えとしてビジネスシーンで活躍する「諸々」という単語ですが、これ自体は敬語ではありません。改まった場面で使うには適さない単語になります。

「諸々」とは、具体的なものを示さず複数のものをざっくりと一纏めにした表現だからです。言葉を丁寧に扱う必要のある場面では「諸々と一纏めにせず、一つ一つの物事を丁寧に言い換え説明して話す方が良いでしょう。

「諸々」と纏めてしまうと、自分と相手の認識に齟齬が発生してしまいかねないので、きちんとした場面での話やメールには不向きです。

「諸々」の言い換え表現

曖昧で多くの意味をもつ「諸々」ですが、それゆえに類語も多く、言い換えの表現も多数存在します。この項目では、「諸々」の言い換え表現について紹介していきます。

どれも使用に適した場面が存在する為、使用には気をつけましょう。

「様々」

[no_toc]

「様々」という単語は、「さまざまと読み、使われている「様」という文字はものごとの形やあり方、様子など包括的に表す語であり、「様々」と2つ繋げると種類や形、様子などがいろいろである様を表す単語になります。

使い方としては「様々な生き方」「様々な形」といった具体的なものを示してそこに多様性があることを表現する際に使えるでしょう。

「諸々」と似た単語ではありますが、単純に多くのもの、多くの人という意味である「諸々」とは使うシーンが異なってきますので注意して使う必要があります。

「種々」

「種々」は読み方が複数あり、「しゅじゅ」「しゅしゅ」「くさぐさ」等と読み、これらでどう読んでも間違いにはなりません。

種類がたくさんあることを意味しており、「諸々」のように複数のものごとを一纏めにするというよりも、使われている文字が「種類」などの「種」であることから、示すものの種類がたくさんあることを表すのに使う単語です。

「種々」の類語としては「数々」「多種多様」「千差万別」「バラエティー」などがあります。

多くのものごとを一纏めにして表すのではなく、様々な種類が存在することを伝えたい場合は「諸々」ではなく「種々」と言い換える方が適切と言えるでしょう。

「多彩な」

「多彩な」とは「たさいな」と読み、意味するところは「数や種類が多い様」「関係するものごとが広い様」「能力が様々な方面に及んでいる様」になります。

類語表現が多くあり、例として挙げると「多方面にわたる」「広範囲にわたる」「間口の広い」「多岐にわたる」「多士済々の」「マルチな」「ワイドな」等、様々に言い換えることが可能な単語です。

複数のものを纏める表現ではなく、ものが多くに広がっている、多方面に及んでいることを表現する単語となる為、「諸々」とは用途の違う単語になります。

複数の事柄を一纏めにするよりも、ものごとが多く広がっていることを表現したい場合は「多彩な」という表現に言い換えるのが正しい用法となるでしょう。

「多種多様な」

「多種多様」とは「たしゅたよう」と読み、種類が多く様々であること、またそのような様を意味します。

使い方としては「多種多様なプラン」や「多種多様な文化」「多種多様の理由」等といったものが挙げられます。

「諸々」と言い換えても違和感はありませんが、色々なものを一纏めにすることと、沢山の種類があることを表現するのでは意味合いが変わってくるため、言い換える際には誤った用法にならないか確認する必要があるでしょう。

「各様」

「各様」とは「かくよう」と読み、それぞれに違っているという意味の単語です。

「各種各様(かくしゅかくよう)」「各人各様(かくじんかくよう)」といったように、「各様」とそれ単体で使うケースは多くない単語です。

「各種各様」は様々な種類があることで「各人各様」は人によってそれぞれ違う、ということを意味しています。違いがあることを一言に纏めているという点では「諸々」と似た用法の言葉と言えるでしょうが、様々に違っていることを表現している為、使い方は少し変わってきます。

安直に言い換えれば間違った用法になってしまいかねないので、意味を理解し適切に使えるよう気を付ける類語と言えます。

「諸々」の英語表現

ビジネスシーンでは、時に英語表現を求められることもあるでしょう。そういった時、「諸々」とはどう表現したらよいでしょう。単語としては「various」と訳されます。

例文としては

・various teachings:諸々の教え
・various things:諸々の物

などといった使い方があります。
また、「various」を使わなくても表現することが可能です。

・Lots of other things:その他諸々

といった表現もあり、英語でも多様に扱える言葉になっています。

「諸々」の意味・言い換え表現を理解して正しく使おう

ここまで「諸々」という単語について活用法や注意点などを説明してきました。

数多くのものや多種多様なものを漠然と示す言い方であり、多くのもの、様々なものや多くの人という意味を表現できる便利な単語です。

また言い換えに適した類語も紹介しました。便利な単語ですが、解説した通り使いようによっては丁寧にも不適切にもなる言葉ですから、実際のビジネスシーンや人とのやり取りで使う際は誤用に気を付けて正しく使いましょう。

モバイルバージョンを終了