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「使命感にかられる」の意味と使い方とは?類語についても紹介

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「”使命感”って言葉は重い語感だけれど、具体的にどんな意味?」
「”使命感にかられる”はどんな状況で使うの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?

この記事では、日常生活では耳にする機会の少ない「使命感にかられる」という言葉について解説します。

「使命感にかられる」の意味や例文だけではありません。さらに、使命感を用いた語いや、使命感に関する類義語(似ている意味を持つ他の言葉)も紹介します。この記事を読むことで、日本語の語い知識を大きくパワーアップさせることができるでしょう。

日本語の語いが豊富であることは、他の方から教養ある大人に見えるだけではありません。私たちの生活に豊かな彩りを添えてくれます。

散発的に言葉の知識を増やすだけに留まらず、この記事をきっかけに日本語の魅力を再発見できるような興味深く面白い内容になっています。ぜひ、最後までご覧ください。

「使命感」の意味

さて、そもそも”使命”とは何でしょうか。使命感にかられるを解説するまでの前座として、この表現のパーツを詳しく見てみましょう。

1 使者として受けた命令。使者としての務め。「特別な―を帯びる」

2 与えられた重大な務め。責任をもって果たさなければならない任務。「教師の―」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BD%BF%E5%91%BD/

「使命」とは、身分や位の高い方から命じられた務めのことです。それが転じて、神から与えられた天職を指すこともあります。また、務めを果たすその人自身を表すこともあるということです。

今より古い時代には、やんごとなき方に使命を受ければ、身命を賭してでも成し遂げねばならないこともありました。使命という語の重みには、こうした背景が今もなお残っていると言えるでしょう。

では次に、「感」という漢字について見てみましょう。

1 外部の物に触れて心が動く。心の動き。「感激・感謝・感情・感心・感想・感受性/哀感・共感・語感・好感・実感・情感・多感・痛感・反感・予感・責任感・優越感」

2 五感に触れてある感じが生じる。「感覚・感官・感触/触感・体感・臨場感」

3 外部の物に触れて内部に変化を生じる。「感染・感電・感応(かんのう)・感冒・感光紙」

4 「感冒」の略。「流感」

https://www.weblio.jp/content/%E6%84%9F

このように「感」は何かに感動すること、または心の動きや様子そのものを指す言葉です。特に、ある物事(名詞)に関する心の動きや様子を指すときに「(名詞)+感」と語尾に付けて熟語にすることができます。

つまり使命感とは、「使命+感」で自分より位の高い人から与えられた尊い務めに対して生ずる心の動きを指しています。

最後に、より具体的な「使命感」の説明を見てみましょう。

与えられた任務をなしとげようとする気概や責任感。特にその任務に格別の意義と誇りをもってあたる場合の感情をいう。

https://kotobank.jp/word/%E4%BD%BF%E5%91%BD%E6%84%9F-523987#:~:text=%E3%81%97%E3%82%81%E3%81%84%E2%80%90%E3%81%8B%E3%82%93%E3%80%90%E4%BD%BF%E5%91%BD%E6%84%9F,%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%83%85%E3%82%92%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82

「使命」自体は仕事ですが、「使命感」はその仕事に対する誇り、責任そして気概があるゆえに生ずる心の動きを指しています。

「使命感にかられる」の意味

かられるとは、何でしょうか。漢字で表すと「駆られる」であり、動詞「駆る」の受け身形です。受け身とは、他者からされること、動作を受けることを意味します。つまり、「私は使命感に駆られている」ならばこの文の述語動詞は主語の「私」に掛かっています。

続いては、動詞「駆る」の意味を見てみましょう。

1 追いたてる。せきたてて追う。「牛を―・ってさくの中に追い込む」

2 速く走らせる。急がせる。「車を―・って現場へ急ぐ」

3 ある行動を取らなければならないような気持ちにする。また、ある感情をますます強くする。「好奇心が探求へと―・る」「うわさが人々を不安へと―・った」

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%A7%86%E3%82%8B/#jn-46424

「使命感にかられる」の「駆る」は3に該当します。ですから、使命を成し遂げたいという感情を高ぶらせて、ますます強める様子、それが「使命感にかられる」です。

背景にはその人の持つ誇り、気概、責任感があり、「使命を全うせねばならない」という強い意志がこの言葉に示唆されているのです。

「使命感にかられる」の使い方

使命感にかられるは、まず自分に大切な役割があることが前提になっています。その役割・役目はその人が巡りあった天職なのかもしれないし、あるいは目上の方や企業から与えられた仕事かもしれません。

さらに今、簡単ではない状況であるという認識も暗に示されています。仕事をするのに、切迫した状況だからこそ、よりいっそう使命感にかられている訳です。

そのため、例えば新入社員などが「使命感にかられて、仕事に取り組みます」と言ってしまうと、明らかに違和感があります。この場合「使命感を持って、仕事に取り組ませていただきます」の方が良いでしょう。

受け身の「かられる」によって、「使命感にかられる」は否応なしに状況に引っ張られているような印象を与えます。

ですから、前者だと、懸命に仕事に励みますの意味以外に、会社や自身が厳しい状況だからこそよりいっそう頑張ります、といった受け身な態度を示唆するニュアンスを与えかねません。これでは意図を誤解されかねないですし、決して好ましい用い方ではないでしょう。

「使命感にかられる」の例文

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続いては、使命感を用いた他の表現を解説します。また、「使命感にかられる」の項では映画のセリフのようなキャッチーなセリフの例文を紹介します。

使命感はこれ自体がやや重い語感なので、日常生活で安易に用いると違和感のある表現になりやすいことには注意しましょう。

ただし、先ほどの例のように「使命感を持って~」などの表現は、意欲の高い社会人であることをアピールするのに適しています。使命感自体がフォーマルな表現なので、どのような場面で用いるべきかは状況次第とも言えるでしょう。

使命感が強い

「この人は使命感が強い」という表現は、ある人が与えられた仕事に対する意識を高く持っていることを示しています。この人は、仕事をやり抜くための強い意志の持ち主です。ポジティブな意味で用いられることが多いでしょう。
(例文)
  • 彼女は、入社して以来、次々に与えられた業務をこなしてきた。常に仕事に対する使命感が強い様子を周囲に見せている。

使命感に駆られる

ここで紹介する例文は、映画などで使われそうな5つのセリフです。映画では、切迫感のある状況や見栄えする場面などに「使命感にかられる」が使われることが多いでしょう。それぞれの状況を想像してみて下さい。
(例文)
  • この難しい戦況だからこそ、使命感にかられるのはわかる。だが、戦場で冷静さまで失えば自分の命を犠牲にするだけでは済まない。
  • あんたはなぜ、使命感にかられることがない。いつもそうだ。やる気なく斜に構えているだけ。その癖、任務ではいつも完璧だ。
  • お前の使命は何だ。何を託された?使命感にかられるのも良いが周りをもっと頼れよ。
  • 君はそう驚くけれど、この任務は、僕の命そのものだ。だからこそ、どんな状況でも諦めはしなかった。使命は僕のハートと常に共にある。使命感にかられるんだ。それがどんな困難があろうとも、僕がここまで来れた素敵な理由さ。
  • あなたが使命感にかられるのも、夢中になるのもいい。いいと思う。でもそれじゃ、仕事を助けられるはずもない、ただあなたが大好きなだけの私って、一体何なのよ。

使命感で行動する

使命感に基づいて、それを行動に移す様子を表した表現です。使命感にかられるが心の動きに着目したもので、使命感で行動するが実際の具体的な活動を表していることに注意しましょう。

使命感で行動するはポジティブな意味もあれば、熱心だけれど行動自体は空回りしているようなネガティブな状況を表すこともあります。

(例文)
  • これまでの活動において、私は使命感で行動してきた。だが、残念ながら徒労に終わったのだ。恐らく何かを間違えていた。

使命感を燃やす

使命感が強いは性格や意志の強さに注目していましたが、使命感を燃やすは、具体性を伴う心の動きです。ある具体的な活動に対して、強く情熱を持っている様を示しています。

それはメラメラと燃え盛る炎のように、他の人からもその強い熱意が見えるような情熱的な振る舞いなのです。

(例文)
  • 彼が数学者としてのキャリアを歩み始めて早30年。すでに彼も50代だが、ますます使命感を燃やして、数学の研究に日夜、打ち込んでいるようだ。

「使命感」の類語

使命感は、仕事に対する強いポジティブな心の動きを表すものです。したがって類義語としては、熱意、意志、やる気、モチベーション、バイタリティが挙げられます。

使命感は他と比較するとよりかしこまった表現です。日常生活では、やる気やモチベーション等を使うことの方が多いでしょう。だからこそ、使命感という語を表現に組み込んだ場合は、逆にそのフォーマルさで自身のプロフェッショナルとしての姿勢をアピールできます。

(例文)
  • この業務に、いっそう使命感を燃やして、取り組ませていただきます。

「使命感」と「責任感」の使い分けについて

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先に述べたように、使命感と責任感はどちらも意味が似ている言葉です。しかし、これらにはニュアンスの違いがあります。

責任感という語には、「たとえ結果次第では非難・批判されることもあっても、この状況に自らが責任を持つ」という悲壮な覚悟の含みがあります。

これに対して使命感は、「結果を度外視して、いかなる苦難をも乗り越える」という精神的な強さにフォーカスしています。

例えば、「責任感によるプレッシャーに悩まされている」という表現はありますが、「使命感によるプレッシャーに悩まされている」とは一般的に言いません。なぜなら、プレッシャーすら容易く乗り越えて結果を出すという強い意志が、この使命感という語自体にあるためです。

「使命感にかられる」の意味と使い方を理解しよう

この記事を読む前は、使命感にかられるという言葉を聞いたことはあるけれど、意味については何となくしか知らないという方のほうが多かったかもしれません。

使命感の根幹には、まず使命と言えるだけの重大な仕事・務めがあります。さらに、これを実行する上で困難な状況に直面しています。だからこそ務めを必ずやり遂げようと、よりいっそう強く感情を高ぶらせている様子が、使命感にかられるでした。

かなり限定的な状況を指していて、少し珍しい言い方でもあるようです。しかし、使命感という語から様々な表現への広がりや関わりがあることを考えると、日本語の話者として知っておきたい言葉のひとつだと言えるでしょう。

さて、使命、誇り、気概、責任。本記事の説明で用いた言葉です。いずれも気品にあふれたカッコいい日本語ですね。私たちも社会人としての使命感にかられながら、この4つを胸に社会生活を送っていきたいものです。

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