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2018年07月03日

国家・地方公務員の「勤勉手当」とは|成績率による基礎額の計算方法

「勤勉手当」という言葉ご存知ですか?関係者以外はあまり聞き覚えのない言葉です。これは公務員のいわゆるボーナスのことなのですが、聴き慣れないですよね。今回はこの勤勉手当や基礎額など公務員に支給される手当についてご紹介します。

勤勉手当って何?

国家・地方公務員の「勤勉手当」とは|成績率による基礎額の計算方法

そもそも「勤勉手当」とは何か?というところから始めましょう。「勤勉手当」とは公務員に6月1日、12月1日に支給される手当のことで、要するにボーナスです。公務員にはこの「勤勉手当」と「期末手当」を足したものが支給されています。どちらの言葉も聞きなれない言葉なので、まずこのふたつの手当について紹介していきます。

勤勉手当と期末手当

まず「期末手当」とは、6月1日、12月1日に在職しており、またその半年間のうち在職していた期間に応じて支給されるものです。6か月在職していれば支給額の100%、3か月未満であれば30%といった具合です。一般企業のボーナスの定率支給分にあたります。

そして「勤勉手当」とは、半年間での勤務成績に応じて支給されます。「特に優秀」「優秀」「良好」「良好でない」の4段階にランク分けされ、ランクによって支給される割合が決まってきます。仕事で出した成果に対する評価への報酬、一般企業の考課査定分にあたります。

勤勉手当の適用範囲

国家公務員も地方公務員も勤勉手当は支給されますが、内閣総理大臣、国務大臣、最高裁長官、衆議院と参議院の議長、国会議員などは勤勉手当は支給されません。一般職であれば支給の対象になります。国会議員でも事務次官や局長クラスの職種であれば、勤勉手当が支給されます。

内閣総理大臣は勤勉手当が支給されませんが、期末手当は年2回きちんと支給されます。他の勤勉手当支給対象外の国会議員なども期末手当は支給されています。ただし年1回の1.75ヶ月分です。また、地方自治体によっては給与の額が条例によって定額化されている職にある場合は勤勉手当は支給されないことになっています。

勤勉手当が支給されない場合

勤勉手当は休職している場合や派遣職員、育児休暇や産前産後休暇を取得している場合、規定日数を超えて休む場合には算定されないので支給されません。他にも、自己啓発のために休職していた場合、何らかの理由で休職になっていた場合、規定規定により給与を減額された期間に関しても支給の対象にはなりません。

勤勉手当の計算方法

勤勉手当は「勤勉手当基礎額」×「期間率」×「成績率」で計算されます。役職がある場合の勤勉手当の加算は手当の基礎額に更に基礎額を上乗せし、その上に役職の等級に応じて加算を行っていきます。

「勤勉手当基礎額」「機関率」「成績率」をひとつずつ紹介していきます。

勤勉手当基礎額とは?

まず勤勉手当基礎額です。「基本給」「地域手当」「広域移動手当」「研究員調整手当」「専門スタッフ職調整手当」をまとめて「基本部分」とします。主にこの「基本部分」がベースになります。

役職にある場合は、「基本部分」+「基本部分」×「役職段階別加算の割合」になります。役職段階別加算は行政職、教育職の級によって割合が決められています。行政職は3級で5%、4・5級で10%、6・7級で15%、8級以上で20%となっています。教育職は1級で5%、2級で10%、3級で15%、4球で20%です。

更に管理職の場合は上記に加えて、「基本給」×「管理職加算の割合」がプラスされます。こちらは行政職7級以上で10%~25%、教育職4級以上で10%~15%になっています。

地域手当

「地域手当」とは地域の民間賃金水準を適切に反映するため、物価等も踏まえつつ、主に民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給されます。そのため支給割合は地域により異なり、各都道府県、市町村別に細かく定められています。また、大規模な空港の区域についても地域手当が支給されます。成田国際空港の区域では16%、中部国際空港・関西国際空港の区域では12%となっています。

広域移動手当

「広域移動手当」とは、官署間の距離等が60㎞以上の広域的な異動等を行った職員に対し、官署間の距離に応じ、異動等の日から3年間支給されます。割合は60㎞以上~300㎞未満で5%、300㎞以上で10%になります。

研究員調整手当

「研究員調整手当」とは、科学技術に関する試験研究を行う機関のうち、研究活動の状況、研究員の採用の状況等からみて人材確保等を図る事情があると認められる機関に勤務する研究員に支給されます。

専門スタッフ職調整手当

「専門スタッフ職調整手当」とは、極めて高度の専門的な知識経験・識見を活用して遂行することが必要とされる業務で重要度・困難度が特に高い業務に従事することを命ぜられた専門スタッフ職1~3級職員に支給されます。

専門スタッフ職俸給表は、国家公務員のうち、行政の特定の分野における高度の専門的な知識経験に基づく調査、研究、情報の分析等を行うことにより、政策の企画及び立案等を支援する業務に従事する職員に適用されます。

勤勉手当期間率とは?

期間率は規定の半年間の在職期間です。

・6ヶ月で100%
・6ヶ月未満~5ヶ月15日以上で95%
・5ヶ月15日未満~5ヶ月以上で90%
・5ヶ月未満~4ヶ月15日以上で80%
・4ヶ月15日未満~4ヶ月以上で70%
・4ヶ月未満~3ヶ月15日以上で60%
・3ヶ月15日未満~3ヶ月で50%
・3ヶ月未満~2ヶ月15日以上で40%
・2ヶ月15日未満~2ヶ月以上で30%
・2ヶ月未満~1ヶ月15日以上で20%
・1ヶ月15日未満~1ヶ月以上で15%
・1ヶ月未満~15日以上で10%
・15日未満で5%
と、細かく決められています。

勤勉手当成績率とは?

「成績率」は前年度の「人事評価」「相対評価」の結果をもとに、給与反映区分に応じた成績率が適用されます。

基本的には「特に優秀」「優秀」「良好」「良好でない」の4段階にランク分けされます。その割合は、特に優秀で83.5以上~135以下、優秀で74以上~83.5未満、良好で64.5、良好でないで64.5未満となっています。ですが、勤勉手当の支給基準日(6月1日、12月1日)以前6ヶ月の間に停職・減給等の懲戒処分を受けたり、訓戒・訓告といった服務上の措置を受けた場合は成績率が引き下げられたりすくこともあります。

なぜボーナスではなく手当なのか?

一般企業では「賞与」や「ボーナス」なのに公務員は「勤勉手当」「期末手当」なのでしょう?それは一般企業のボーナスのように会社の利益が上がったので社員に還元する、といった性質のものではないからです。公務員は年俸制のようなものだと考えた方がいいでしょう。民間のボーナス時期に合わせて年額を割り振って支給しているだけのことです。

一般企業の勤勉手当は数千円から数万円が妥当なのに、公務員の勤勉手当は数十万円と高すぎる、と思われている方も多いと思いますが上記のような理由で勤勉手当の割合が多くなっているとも言えます。

国家公務員と地方公務員でのルールの違いは?

国家公務員であっても、地方公務員であっても、手当に関してルール上の違いはありません。「期末手当」「勤勉手当」などの年に2回支給される手当についても同じく支給されています。

しかし、手当の額や支給方法については「各地方公共団体の条例などで定めること」とされていますので、細かい手当の算定額などは自治体によって変わってくる可能性があります。

勤勉手当の実態

勤勉手当の成績率を紹介しましたが、その考査システムについてはきちんと機能しているとはいいがたく、大半の自治体では全員に平均的に支給されているのが実態です。

しかも、公務員にとっての勤勉さ、というのが問題になっています。一般企業の営業職などであれば、「売り上げの数字」が成績になります。他の職業でも仕事の取り組み方や創意工夫に対する上司の評価などがあげられますが、では公務員はどうでしょう?

実は勤勉手当の支給に係る「勤勉」とは、「欠勤がないこと」なんです。この「欠勤」には有給休暇や生理休暇は含まれません。それ以外の病気休暇や無断欠勤のことです。要するに皆勤賞のようなものになっているのが現状です。

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