Search

検索したいワードを入力してください

2018年01月27日

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「枢軸」と聞くと、どんなイメージが湧いてきますか。悪の組織の中心人物のような、ネガティブな意味を感じる人もいるのではないでしょうか。この記事では、「枢軸」の言葉の意味や語源、歴史にまつわる出来事を紹介しています。「枢軸」について学びましょう。

「枢軸」の読み方と意味

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「枢軸」は「すうじく」と読みます。物事の中心となる部分を意味し、主に政治や権力が集中している部分を意味します。

また、戦争になると、連合軍やアメリカと対立した国を「枢軸国」や「悪の枢軸」と呼んで区別します。

「枢軸」の語源と意味

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「枢軸」の「枢」は、「くる」「くるる」「くろろ」「とぼそ」と読み、ドアの開け閉めするための仕掛けの意味です。ドアの回転部分の上下にある突起を指し、枠組の上下にある窪みに入れることで回転します。戸締りのための差し木を意味することもあれば、ドアをのものを意味することもあります。

「枢軸」の「軸」は、車輪の心棒を意味しています。車輪やコマなどの回転するものの中心にある棒のことで、「中心にあって支えになるもの」という意味から、転じて「集団や活動の中心的な存在」を意味しています。

「枢軸」とは、回転の中心を示す2つの言葉で意味していますので、より強い「政治や権力の中心」という意味になります。

「枢軸」が使われている言葉と意味

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

枢軸時代

枢軸時代とは、「世界史の軸となる時代」という意味で、紀元前500年頃(紀元前800年から紀元前200年にかけて)起こった、世界的な哲学・文明・歴史の始まりの時代のことです。

枢軸時代では、中国では孟子や孔子などの「諸子百家」が活躍し、インドではジャイナ教や仏教、イランではゾロアスター教などが成立し、パレスチナではイザヤやエレミヤなどの預言者が現れ、ギリシャでは、ソクラテス・プラトン・アリストテレスの三大哲学者や詩人ホメーロスが輩出されて、後世の哲学や宗教の礎となりました。

枢軸時代の始まりとともに、エジプト、メソポタミア、インダス、中国の4大文明が終焉をつげ、そして枢軸時代に始まったものは、今日に至るまで生きていると実感できる、まさに「人類の枢軸となる時代」です。

中国の枢軸時代

中国における枢軸時代は、紀元前8世紀ごろの「春秋時代」と呼ばれている時代です。それまで周(しゅう)の国が中国を統一ている封建社会でしたが、紀元前8世紀ごろに異民族が侵略してきて、周は崩壊してしまいました。

そこから中国は、春秋時代と呼ばれる単一の国家が中央政権を握る社会ではなくなり、諸国は富国強兵のために新しい思想を求めました。そこで、各地で活発な思想活動が行われ、「中国思想の黄金時代」と呼ばれるようになります。

インドの枢軸時代

インドは、紀元前1000年頃から、バラモン教という階級制の社会でした。しかし、紀元前800年頃から、鉄器の登場により工業や商業が盛んとなり、バラモン教の思想が揺らぐようになりました。

政治的な分裂や貧富の差が生まれ、国家統一のための新しい思想が必要になってきました。そこで、多くの哲学者や思想家が登場したのが、インドの枢軸時代です。その代表的な人物が、仏教の祖であるゴータマ・シッダールタ(ブッダ)と、ジャイナ教の祖であるヴァルダマーナ(マハーヴィーラ)です。

ちなみにブッダとは、「仏の悟りを開いた人」を意味し、マハーヴィーラは「偉大なる勇者」を意味しています。

二人の活躍年代はほぼ一致してい、仏教はのちにインド以外の国々にも派生し、世界三大宗教に挙げられるほどの数多くの信徒がいます。一方、ジャイナ教は、現在信徒の数はわずかですが、インド国内に深く根付き、インド文化に影響を与え続けています。

中東の枢軸時代

紀元前7世紀ごろのイランでは、ゾロアスター教が起こりました。「善神と悪神の戦い」「終末論」などの思想は、のちのユダヤ教やキリスト教、イスラム教などにも影響を与えました。

また、同じころメソポタミア(現イラク)では、新バビロニア王国が起こり、中東の社会に影響を与えました。

イスラエル王国は、紀元前10世紀頃に南北に分裂し、南側はユダ王国となりました。紀元前9世紀ごろから、パレスチナに著名な預言者がパレスチナ現れ始め、紀元前7世紀に新バビロニア王国にユダ王国が攻め滅ぼされて、イスラエル人は捕囚としてバビロニアに連行されました。

苦難にあったイスラエル人を、パレスチナの預言者エレミヤは、「いつか救世主(メシア)が現れる」と励ましました。そして、紀元前538年に解放されたイスラエル人は、故郷に戻り、首都のエルサレムに神殿を建ててメシアの到来を待つようになり、ユダヤ教が成立しました。

ギリシャの枢軸時代

ギリシャ人は、紀元前8世紀からギリシャから小アジアにかけて、ポリス(都市国家)を形成し始めました。ポリス間の構想は、絶え間なく続きましたが、共通の言語や宗教があったので、同一民族であるという認識は持っていました。その基盤となったのは、紀元前8世紀の詩人、ホメーロスとヘシオドスの歴史と神話の叙情詩でした。

紀元前6世紀になると、ポリスの市民たちは生活の大部分を奴隷の労働に任せていたため、生活にゆとりができ、哲学や学問、芸術が盛んになりました。数学者として有名なピタゴラスもこの時代の人です。

そして、5世紀になるとポリスがもっとも繁栄する時代を迎えます。しかし、哲学の世界では、次第に「真理を追究すること」よりも「討論に勝つこと」を重視するようになり、そこで再び「真理の絶対性」を説いたのがソクラテス、プラトン、アリストテレスの「三大哲学者」です。

枢軸国

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「枢軸国」とは、第2次世界大戦の時に、連合軍と対立した国々を意味する言葉です。

第2次世界大戦直前のドイツとイタリアは、思想的には近かったですが、関係は良好ではありませんでした。1934年のドイツ首相のヒトラーと、イタリア首相のムッソリーニの会談でも成果は得られませんでした。その直後、ハンガリー首相が「ベルリンとローマとは、枢軸の両端を成している」と演説を行い、両国の均衡がとれれば、ヨーロッパ全体の平和に繋がると語りました。

その後、1936年にドイツとイタリアは同盟を組み、戦争へとなだれ込みます。イタリアの首相ムッソリーニは、演説の中で「ローマ・ベルリン枢軸」という言葉を使い、一般的に広まりました。

1937年には、日本とも協定を結び、「ローマ・ベルリン・東京枢軸」という言葉が生まれ、以降、第2次世界大戦中にドイツ・イタリア・日本の3国側に加わった国々を「枢軸国」と呼ぶようになりました。

枢軸サリー

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「枢軸サリー」とは、第2次世界大戦中にナチス・ドイツが連合国に向けて放送した、プロパガンダ放送の女性アナウンサーを意味しています。

プロパガンダとは、特定の思想や世論などに誘導することを意味し、敵国の言語で語り掛けるように放送することで、敵国軍の士気を下げる効果を狙いました。日本でも「東京ローズ」が有名です。

枢軸サリーと呼ばれた女性アナウンサーは、アメリカ人で本名をミルドレッドと言います。女優を夢見ていましたが、挫折し、ドイツで英語教師をしていました。その後、ベルリン放送で採用され、ナチス政権崩壊まで、アナウンサーとしてナチスの宣伝活動を行っていました。

その官能的な声色は連合国軍の中でも話題となり、「枢軸サリー」と呼ばれるようになりました。サリーは英語の女性名ですが、「挑発」「からかい」という意味もあります。

悪の枢軸

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「悪の枢軸」とは、2002年1月に行われた、アメリカのジョージ・ブッシュ大統領の演説の中で、「テロ支援国家」とされていた国々を批判するために使われた言葉です。

2001年9月11日に、アメリカは同時多発テロ事件が起きていて、それを念頭に置いた発言です。「悪の枢軸」は、イラク、イラン、北朝鮮の3カ国を意味し、大量破壊兵器を所持、もしくは開発していると見られていました。そして2003年には、アメリカの先制攻撃によりイラク戦争がはじまります。

「悪の枢軸」という表現は、第2次世界大戦の「枢軸国」と、1983年のロナルド・レーガン大統領の演説内にあったソビエト連邦への批判表現である「悪の帝国」を掛け合わせたものとみられています。

「枢軸」と似た意味の言葉

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

中枢

「中枢」も、枢軸と同じ「中心」や「集中している部分」を意味する言葉ですが、より「大切で重要な部分」という意味合いが強いです。「中枢神経」は、動物の体の中でももっとも大事な部分の1つです。他にも「中核」や「心臓部」という言葉もあります。

核心

核心も、「中心」や「最も重要なもの」を指す言葉ですが、こちらはどちらかというと、「物事」に対して使われます。その範囲もごく僅かな部分で、「核心をつく」「核心に触れる」は、物事や議論の最も重要ところをピンポイントで攻める時に使います。

根幹

「根幹」は、木の根と幹を意味する言葉で、「最も重要な部分」を指します。枢軸は、なくてはならない「中心部分」を意味しますが、「根幹」はそれがないと始まらないような「基本部分」を指していて、「根本」や「根源」とも言います。

枢軸はネガティブじゃない

「枢軸」の意味と使い方・語源・読み方・類語|枢軸国/枢軸時代

「枢軸」という言葉は、第2次世界大戦の敗戦国に使われていた事もあり、「悪い人たちの中心」のような、ネガティブなイメージを持つ人もいるでしょう。しかし、「枢軸」という言葉自体にはネガティブなイメージはありません。

また、第2次世界大戦中に使われた「枢軸」も「世界の中心」という意味で使われたのであって、ネガティブな意味は含まれてはいません。安心してどんどん使っていきましょう。

Related