Search

検索したいワードを入力してください

2018年04月02日

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

芸術関係に興味を持つと、「アングラ」「サブカル」という言葉に行き当たります。しかしその言葉が示すものは、同じように見えてしまい、違いが良く分からないという人も多いでしょう。この記事では「アングラ」と「サブカル」の違いについて紹介します。

「アングラ」と「サブカル」の違い

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

「アングラ」とは「アンダーグラウンド(underground)」の略で、「サブカル」とは「サブカルチャー(subculture)」の略です。

サブカルチャーとは社会の中で主流になる文化(メインカルチャー)に対し、主流文化とは異なった信条や行動を行う人々が持つ文化です。

そして「アングラ」は、メインカルチャーに反抗する「カウンターカルチャー」と言われるサブカルチャーの1つです。

サブカルの成り立ち

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

昔の「文化」というものは文学・美術・演劇・音楽など、大学で学んだり、知識層や裕福層に支持されるような物をさしていました。

例えばクラシック音楽を楽しむには、その曲にまつわる知識や音楽の形式などの知識が必要ですが、大衆が好む音楽は誰でも感覚的に楽しむことができます。文化を楽しむのは、それなりの教養や資金が必要で、一般の人が楽しむ大衆文化(ポップカルチャー)は低俗な物とされていました。

しかし20世紀に入ると、大衆文化が発達してきました。一般人が文学全集を手にしたり、逆に知識人が大衆文化に注目する事も多くなりました。

1960年代に入ると、ベトナム戦争が起こります。それに反対し愛と平和を訴え、自然回帰する「ヒッピー」と呼ばれる人々が出現し「サブカルチャー(サブカル)」が生まれたと言われています。

日本での「サブカル」の意味

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

一方、日本は元々独自の文化を持っていたからか、「サブカル」と意義が諸外国とは異なります。欧米ではメインカルチャーに反抗するサブカルチャーの出現は、政治問題にも触れる切実な社会問題となっていました。

サブカルの概念が日本に入ってきたのは1980年代に入ってからです。その頃の日本では「ニュー・アカデミズム」という、専門外の人が物事を語る事が流行していました。

その中で紹介された「サブカル」は既存の社会や価値観、伝統とは異なる文化というように紹介され、それは多くの若者に受け入れられました。そして日本では「サブカル」は「マイナーな趣味」「オタク文化」というように使われるようになりました。

「アングラ」の意味

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

「アングラ」の元々の意味としては「地下運動」を指し、社会体制に対する反発や批判をする「反体制運動」の中でも、水面下で動く事をを言いました。例えば戦時中のレジスタンス運動や、芸術や文学作品などで反抗するものもあります。

1960年代に、前述した「ヒッピー」のように反体制者が築いた独自の文化は、多くのポピュラー音楽、映画、現代芸術などの分野に強い影響を与えました。同じ頃、日本でも前衛的な芸術作品のブームが訪れました。

また、日本では「エログロナンセンス」のような表現も「アングラ」と称されます。法律に抵触するほどの「エロ」や、猟奇的な「グロ」、無意味だけどクスリとくる「ナンセンス」は、水面下で楽しむものと言われています。

「アングラ」が使われている分野

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

アングラという言葉は、実際にはどのような分野で多く使用されているのでしょうか。アングラな世界観が適応される分野を、いくつか紹介します。

インターネット

インターネット上には「アングラサイト」と呼ばれるものが存在します。アングラサイトはインターネット初期はまだ一般のユーザーが少なかったため、インターネット自体が「アングラ」でした。

アングラサイトで行われていたのはBBSによる情報とファイルの交換でした。どのようなものがやりとりされていたかというと、「著作権もの」と呼ばれる、不正コピーや不正ダウンロード、不正改造データなどです。

次にクラッキングや、クレジットカードの偽造などの技術を公開する「テクニカル」と呼ばれるもの、裏情報や危険情報を扱う「危険もの」と呼ばれるものもありました。

「著作権もの」や「テクニカル」は近年では法整備がされて、一般ユーザーの目につく事は、あまりありませんが、「危険もの」と呼ばれるサイトは近年でも怖いもの見たさで楽しむ一般ユーザーもいます。

薬品売買

アングラサイトの一種で、違法薬物を取り扱っているサイトがあります。もちろん公にばれてしまったら、販売者も購入者も逮捕されてしまうでしょう。そこで隠語を使ってやりとりします。

サイトのサーバーも海外の物を使ったりと、追跡できないようになっています。またネットの普及により、高校生や中学生もアングラサイトにアクセスする事により、簡単に購入できてしまい、社会問題となっています。

アングラ演劇

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

アングラ演劇は1960年代に起こった、日本独自の舞台表現です。学生運動や市民運動の思想と連動していて、反体制的・反商業的な面もあります。「見世物小屋」的な雰囲気を取り込み、当時の風潮として「低俗」とされていた要素も加え、独特な世界観が作られました。

それまでの華やかな舞台のイメージのある演劇とは一線を画していて、当初「アングラ演劇」は蔑称として使われていました。しかしその実験的な演出や独特の世界観は、その後の日本演劇にとどまらず、多くの分野に影響を与えました。

現在では「アングラ」はごく普通の演劇用語として使われています。

アングラ映画

元々は、1930年代から1940年代の映画黎明期に、個人が、個人的なテーマを、個人的な手法で撮った「実験映画」を指していました。有名なものでは映画監督のルイス・ブニュエルと画家のサルバドール・ダリが共同で手がけた『アンダルシアの犬』です。

しかし1960年代末ごろから、アングラ映画とは非合法で風俗的な映画という意味で使われるようになりました。日本ではこちらの意味で定着してしまっています。

漫画

アングラ漫画と呼ばれるジャンルは主に「現代日本の裏社会」を描いた作品につけられます。ヤクザや闇金、賭博、刑務所、犯罪などを扱い、暴力表現やグロ表現も多く含まれます。

一般人には想像もつかない、けれど日本のどこかに、もしかしたらすぐ隣にあるかもしれない、自分も一歩間違えればこの世界に踏み込んでしまう可能性もあるという、ギリギリのリアルさに、アングラ漫画を愛好する人も少なくありません。

ガロ系

「ガロ」はアングラ文化を代表する漫画雑誌で。1964年から2002年まで刊行されていました。時代の流行に捕らわれない「異色」と呼ばれる作家たちの表現の場でした。ガロに掲載された漫画家たちだけでなく、独特な表現の漫画家も「ガロ系」と呼ばれるようになりました。

ファッション

アングラファッションは、前衛的で個性的なファッションを言います。奇抜なファッションは日常的な風景では浮いてしまいますが、ファッションをどのように楽しむかは個人の自由です。

近年ではあえてアングラファッションをデザインするブランドもあり、アングラファッションをテーマにしたファッションイベントも開催されています。

アングラゲーム

「アングラゲーム(地下ゲーム)」というと「不謹慎ゲーム」と呼ばれるジャンルになります。これらは公に発表されるゲームではなく、アングラサイトなどで無料ダウンロードできるパソコンゲームです。

実際の事件を題材にして、中傷したり悪ふざけをしているため、マスコミに取り上げられて批判された事もあります。しかしほとんどのゲームは、現在主流のパソコンでは作動する環境ではなく、ダウンロードできてもインストールできず、遊ぶことはできません。

消滅都市

スマホゲームに「消滅都市」というゲームがあります。とある都市が消滅し、運び屋の男性が「タマシイ」を呼び出す少女が冒険する物語です。

「タマシイ」にはいくつかの系統と属性があり、「アングラ系」のタマシイは攻撃特化型です。前衛的で反抗的なイメージからそういうステータスとなったのでしょう。

音楽やバンドでのアングラの意味

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

アングラ音楽(アンダーグラウンドミュージック)の定義は難しく、正しく定義できる人は少ないでしょう。アングラ音楽と言われる音楽は主に「パンクロック」「レゲエ」「ヒップホップ」「ラップ」などがあります。

これらは攻撃的で反骨精神が溢れる音楽と言われていますが、それらの源流はやはり1960年代のヒッピーブームにあります。

パンクロックとは

1960年代のヒッピーブームには「ネオ・ボヘミアニズム」と呼ばれる思想の源流となりました。「ボヘミアン(ボヘミア人)」とは15世紀にボヘミア地方にいたジプシー(ロマ族)の事で「定住せず、異なる文化を持ち、周囲の目を気にしない人」という比喩です。

そしてロックは元々1950年代にアメリカで生まれた大衆音楽のジャンルですが、ネオボヘミアニズムと融合し、それに影響を受けたイギリスのバンド「セックスピトルズ」がその発祥と言われています。

当初は反体制的・保守的な政治色の強い曲が作られましたが、中には政治思想的な反骨精神はただのパフォーマンスだったという人もいました。

レゲエとは

レゲエは1960年代後半に、ジャマイカで発祥した大衆音楽です。独特のリズムとコミカルな歌詞は人々の目にとまり、あっという間にブームとなりました。

その歌詞の多くは社会や政治、価値観への反発を歌っていました。これはジャマイカの国民の90%が奴隷の子孫である事や宗教も関係しています。

ヒップホップやラップについて

ヒップホップは、1970年代にニューヨークのブロンクス区にいた黒人系の住人の間にあった文化でした。音楽やダンス、アートやファッションを含める「文化」なので、音楽を指す時は「ヒップホップ・ミュージック」とするのが正しい表記です。

ヒップホップには「MC(ラップ)」「DJ(スクラッチ)」「ブレイクダンス」「落書き(スプレーアート)」があり、ヒップホップ・ミュージックは同じリズムやセリフを、リズミカルに繰り返す事が特徴です。

ラップは、スラングを多用し韻を踏んだ、リズミカルな演説と定義されていて、古くはグリオ(アフリカの伝承を伝える人)にも、その手法の原型が見られます。

フォークソング

元々は民謡や民族音楽という意味ですが、それから派生した大衆音楽も含めます。大きな特徴は「電子楽器を使わない」という点にあります。

1940年代のアメリカのプロミュージシャンの間で、民謡を編曲して演奏する人々が現れました。やがて民謡だけでなく、それに影響を受けたオリジナルソングを歌う人も出てきました。1960年代にはオリジナル曲が主流になっていて、その歌詞は反戦を訴えるものでした。

社会に疲れたらサブカルやアングラに触れてみよう

「アングラ」の意味と使い方・「サブカル」との違い|ネット

サブカルもアングラも本来の意味は「反体制」を含むものですが、その違いは過激さにあると言えるでしょう。サブカルはメインの文化と並行してある異なる文化ですが、アングラはカウンターカルチャーと言って、メインの文化に反抗している文化となるからです。

アングラの動力は「ルサンチマン」とも言えます。政治や社会、上流階級者などの社会的強者に対する怒りを音楽や芸術作品で昇華しようとしているので、同じようなやりきれない怒りを抱えている人々に突き刺さるのでしょう。

もしも、「何かとは具体的に言えないが、居心地の悪さややりきれなさを感じる」といった場合は、サブカルやアングラに触れてみましょう。あなたの居場所が見つかる可能性があります。

Related