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ノックの回数が表す意味・場面ごとのノックの正しい回数とマナー

更新日:2024年07月10日

ノックには場面ごとに正しいノックの回数やマナーがあることをご存知でしょうか。ビジネスシーンでは、ノックのマナーが重要なポイントとなることがあります。ノックの回数に迷った経験のある方、社会人としてノックのマナーを身につけたいという方はぜひ参考にしてみてください。

応接室に通されたら、室内に人がいないとわかっているときでもノックするのがマナーです。ノックの回数については、国際標準となっている4回が正式なものとなりますが、日本のビジネスシーンでは3回に省略されることが多いため、3回でも問題はありません。

応接室の広さにもよりますが、普段よりは少し大きめの音量でノックするといいでしょう。商談などで先客がいることがわかっている場合には、到着を知らせるとともに入室の許可を得るためにノックします。大切な会話の途中であることも考えられるためゆっくりとノックし、入室許可を得ても少し間をおいてから入るようにするといいでしょう。

会議室

会議室をノックする場合は、会議開催前の入室、会議中の途中入室の2つのパターンが考えられます。会議開催前である場合には、会議のメンバーであれば入室することの合図としてノックをします。入室することが前提となっているため、入室許可をとるためにノックする必要はありません。

ノックの回数に特にこだわることはありませんが、3回~4回であれば問題はないでしょう。マナーを重視する企業では、正式なノックの回数やマナーにも注意が必要です。

会議によっては、メンバーが揃うまでドアが開放され、会議開始前に閉められるということもあります。全開放されている際にはノックする必要はありませんが、半開きの場合には、念のためノックする習慣を身につけておいた方がいいでしょう。会議に出席する方からビジネスマナーが身についていると評価されることにもつながります。

会議中に途中入室する際のノックには、回数だけでなくタイミングや音量などへの配慮が必要となります。会議の進行を妨げることのないよう、入室許可を得てから入るようにします。活発な意見が交わされている際には、ノックの音に気づいてもらえないこともあるため、少し大きめの音量ではっきりとノックします。

回数は3回でも4回でも構いませんが、4回ノックする場合には、連続してノックするのではなく、2回ずつに区切ると耳障りになることもありません。

社長室

社長室は、企業の顔であり中枢である社長の執務室です。社長のデスク以外に、大きなテーブルと椅子が設置されていることも多く、簡易的な会議を開くこともできます。社長室は、日々、社運を左右するような大きな意思決定が下される特別な空間です。社長室をノックするという経験は誰にでもあるというものではないため、回数やマナーにも迷うことが多いでしょう。

社長室をノックする機会が多いのは、秘書です。来客の案内、お茶出し、書類提出、スケジュール調整、伝言など、1日に何度も社長室を訪れることがあります。しかし、秘書は、社長のスケジュールを全て把握しており、電話も秘書が繋ぐことが多いため、在室確認をするためにノックするということはありません。

ノックの回数は、社長の方針によっても異なりますが、3回~4回が一般的となります。接遇マナーに精通している秘書のノックは、国際標準である4回が普通です。

クライアントとして社長室を訪れる場合には、秘書に案内されることが多いため、何回ノックすればいいかと考えたことはあまりないでしょう。しかし、ドアの前まで案内された場合は、入室許可を得るためにノックをしなければなりません。

ノックの回数は3回でも構いませんが、国際標準のマナーである4回の方が、よりフォーマルで敬意を表すものとなります。秘書から話が通っている場合でも、ノックの後に、所属、氏名、要件などを伝えて入室するケースもあるでしょう。

職員室

職員室に用事があって入室するために、ノックをしていたことを懐かしく思い出すことはないでしょうか。生徒にとって職員室の入室は、ノックの意義やノックの適切な回数について知る最初のきっかけをつくってくれるものでもあります。特に、入試や就活と深く関係している中学校や高校では、面接試験の練習の一環として職員室の入室の仕方を指導されることも多いものです。

中学校では、職員室の扉に「正しい入室の仕方」の表示物が貼られていることがよくあります。何らかの要件があって職員室に入室する必要があるため、在室確認ではなく入室の許可を得ることを目的としてノックします。

適切なノックの回数は3回ですが、日本人になじみの深い2回で統一されている学校もあります。学校によっても異なりますが、ノックしてから、学年、クラス、氏名、「○○先生に用事があります。」などのマニュアルにそった入室の仕方があります。

高校になると就活のための接遇研修などが実施されることもあり、より高度な入室の仕方について指導されます。ノックの回数だけでなく、ノックするスピードや大きさ、間合いの取り方、ノックの後に発する声の音量など、細かなポイントでチェックされることもあります。ノックに国際標準マナーがあり、4回が正式なものであると知るのもこの頃でしょう。

診察室

病院の診察室をノックする際は、体に何らかの異常があるときか健康診断の問診を受けるときでしょう。急患やひどく体調がすぐれない場合には、ノックする余裕もありませんが、それ以外のときにはマナーとしてノックすることを心掛けましょう。

病院では受付を済ませているため、マイクを通して医師から名前を呼ばれたり、看護師に促されたりして診察室に案内されます。前の患者の診察が終わってから名前を呼ばれているため、改めてノックする必要はないと思われがちです。

患者の診察が終了した医師は、カルテの記入や処方箋の作成、看護師へ指示など、やらなければならないことがたくさんあります。ノックして医師に許可を得てから入室するようにしましょう。

病院の構造にもよりますが、最近では患者のプライバシーを守るため、厚い引き戸タイプのドアが採用されていることがほとんどです。普段よりも少し強く3回ノックすると、繰り返し何度もノックして時間をかけずに済みます。ノックして入室を促されたら、「こんにちは」「おはようございます」と時間に合った短い挨拶だけするようにします。

トイレ

日本人にとって、ノックで一番なじみ深いのが、トイレではないでしょうか。うっかり鍵をかけるのを忘れてトイレで用を足しているときに、いきなりドアを開けられるほど、恥ずかしく嫌な思いをすることはないでしょう。また、鍵をかけていてもノックなしにドアノブをガチャガチャと回されるのも不快なものです。

トイレのノックは、空室を確認するために行うものです。ノックの回数は2回が一般的で、2回のノックは「トイレノック」と言われることがあるほどです。トイレのドアはそれほど分厚いものではないため、中にいる人に聞こえる程度の音量で優しくノックしないと、驚かせてしまうことにもなります。

強く叩きすぎたり、連続して何回もノックしたりすると、「早く出てこい」と言っているのと同じことで失礼にあたるので注意しましょう。

日本人のノックの習慣はこのトイレノックが始まりで、その後、人がいるのにいきなりドアをあけて驚かせてしまう、プライバシーを侵害してしまう、などを回避するために徐々に浸透していったものと考えられます。しかし、ビジネスシーンでもノックの回数を2回と誤ってとらえている人も多く、マナー違反ととらえられることもあるため注意が必要です。

ノックの回数が表す意味とは?

日本人がよく使う2回のノックが、国際標準マナーでは「トイレノック」とされているように、ノックの回数が表す意味には違いがあります。場面にそぐわないノックの回数は、マナーに反するだけでなく周りの人に不快な思いをさせてしまうこともあります。以下の1回~4回までのノックの回数がどのような意味を表しているのか考えてみましょう。

ノックの回数が1回

1回のノックは、試験の面接やビジネスシーンで用いられることはほとんどありません。ノックの回数にあまりこだわらないといわれることがあっても、1回のノックはノックとしての意味をなさず失礼にあたります。1回だけ「コン」とドアをノックすると、部屋の中にいる人は何か物がドアにぶつかった音ととらえるでしょう。

また、1回だけでは、気づかれないこともあります。在室確認や入室許可を得るためのノックとみなされることはないので、ノックの回数として1回は不適切であることを覚えておきましょう。

ノックの回数が2回

2回のノックは、日本人によくなじみがあるノックの回数です。「トイレノック」ともいわれるもので、国際標準でも日本のビジネスマナーでも、トイレでしか使用しないものとされています。トイレのノックの回数が2回とされているのは、空室を確認することを目的としているからです。

日本人はトイレ以外で2回のノックを頻繁に使用することがありますが、正式にはマナー違反となります。特に、海外では常識としてとらえられているため、注意が必要です。

ノックの回数が3回

3回のノックは、国際標準では、家族や友人など親しい間でノックをする際の回数として示されているものです。日本では、ビジネスシーンでも3回のノックが主流であるため、面接試験でもノックの回数を3回と指導されることがほとんどです。フォーマルな場や礼儀が重んじられるシーンでは、マナー違反ととらえられることを理解しておきましょう。

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初回公開日:2017年10月30日

記載されている内容は2017年10月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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