マジックミラーの原理・仕組み・作り方｜フィルム/構造/シート
更新日：2024年11月01日
スパイ映画に出てくるような、その名も「スパイ眼鏡」があります。まさに映画さながらに、後ろに目があるかのように見える不思議な眼鏡を、自分で作ることができます。
このスパイ眼鏡もマジックミラーの原理を上手く活用したものになります。ご家庭でも簡単に作ることができるので、お子さんと一緒に作ってみてください。
不思議！スパイ眼鏡の原理・仕組みとは？
「スパイ眼鏡」は色の濃い半透明の素材を使用します。これが、マジックミラーの原理を実現しているため、その空間の明るさによって透視できたり、鏡に見えたりします。
自身がいる空間の後ろが明るいスペースで「スパイ眼鏡」をかけて見ると、顔の影になる眼鏡の中央部分は暗くなって前がよく見え、逆に両端は後ろの風景が映ります（前が透けて見えながら）。
準備する道具
マジックミラーの原理を活用するので、できる限り「色の濃い」・「半透明」のプラスチックの下敷き（B5サイズ）が必要になります。また、耳掛けに使う曲がるストローも併せて用意してください。
製作する際に、カッターや鋏、セロハンテープも必要になります。小さいお子さんがカッターや鋏を扱う場合は、十分に注意してください。
作り方
まず、「スパイ眼鏡」の作り方を紹介している（下記、リンク先参照）サイトから、スパイ眼鏡の図をプリントアウトしてください。
次に、その図を参考にしながら眼鏡の形に、下敷きを切り抜きます。切り抜いた下敷きの上部の両サイドに約1cm程度の切り込みを入れます（切り込みを入れる箇所は、顔幅に合わせましょう）。
用意した曲がるストローの真っ直ぐな方を切り、ストローの長さを約17cm程度にしてください。また、その切り口に約7mmの切り込みを入れましょう。
ストローの切り込みを入れた方を下敷きにある切り込みに差し込み、ストローの切り込みを左右に開きます。その左右に開いた部分をセロハンテープで留めます。そして最後に、耳に掛ける部分を曲げると、子供が喜ぶ「スパイ眼鏡」の完成です。
【用途別】マジックミラーの原理を活用する！
「マジックミラー」の基本原理は、射した光の一部を反射し、一部を透過させるというもになります。
この原理を用いたマジックミラーを明るい部屋、もしくは晴天の屋外と暗い部屋の間に設置すると、明るい側からの光の一部が反射することで明るい側からは鏡に見え、暗い側からは光の一部が透過することでミラーの先を透視できます。
マジックミラーの原理による光の透視と反射を、日常のさまざまなシーンで活用しています。その主な用途に、「匿名性保護」、「目の保護」、「建築物」、「車の窓ガラス」、「光学部品」が挙げられます。
そこで、上記の5用途について解説していきます。
用途1：匿名性保護
刑事ドラマや映画などでよく見かける光景に、刑事による取り調べがあります。取り調べを行なう際に、被疑者を隣の部屋から見ているシーンがあります。
取り調べを受けている被疑者をその事件を目撃した被疑者、あるいは被害者自身が確認するために、隣室から覗く「面通し」を行なうために用いられているのがマジックミラーです。
マジックミラーの原理を用いることで、目撃者や被害者のプライバシーを保護することができるだけでなく、被疑者からの逆恨みを防止するのにも役立っています。
用途2：目の保護
マジックミラーの原理を、サングラスに活用したものを「ミラーグラス」と呼んでいます。ミラーグラスは、日光の日差しの透過量を非常に少なくし、その強い日差しから目を保護できます。
用途3：建築物
マジックミラーの原理を建物などの窓ガラスに張るシートに応用すると、建物内からは外が透視でき、その一方で外側からは建物内が見えない状況を作ることができます。ただし、夜間においては、光の透視と反射が逆転し、外側から建物内が透視できるようになってしまうことは、留意した方が良いでしょう。
また、マジックミラーの原理を活用したシートを張ることによって、赤外線を遮断し断熱効果を得ることができます。そのため、高層ビルなどではビルの装飾や省エネルギーなどから利用されています。
けれども、反射した風景がビル面に映るために鳥が激突する事故、建物の形状によっては光の焦点に入り火傷を負うといった事故が発生する場合もあり、建物にマジックミラーを用いる場合には周囲の自然環境を考慮する必要があります。
初回公開日：2018年02月21日
記載されている内容は2018年02月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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