「載せる」の敬語表現・載せるの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年09月18日
「載せる」の語形について
「載(の)せる」という言葉は一般的に動詞であり、文語表現でも口語表現でも同じく、下一段活用で使われる言葉の1つに認められます。
下一段活用の動詞であるため、「合わせる」や「考える」といった動詞に同じく、「載せる、載せさせる」などの用法があり、この語形変化は主に能動態と使役の用法によって変化させられます。
・載せます。
・載せさせていただきます。
・載せさせてもらいます。
・載せてもよろしいでしょうか。
・載せようと考えております。
このように「載せ」という言葉にいろいろな表記が付く形で伝えられます。
「載せる」の敬語表現
先述で「載せさせていただきます」や「載せさせてもらいます」と言い方をお伝えしましたが、ビジネス上などでの一般的な「載せる」という言葉を相手に伝える場合は、「載せさせる」という言い方はしません。
これは敬語表現としては響きがよくなく、また文法的にしつこいイメージがありますので、「載せる」の別の表現にある「掲載」という言葉をそのまま使います。
・ご掲載された○○という記事
・掲載させていただいてもよろしいでしょうか
・貴社さまのサイトでご掲載されている○○
・掲載させていただきます
このように使い分けられ、「載せる」という動詞のままで敬語表現にすることは遠慮される場合がほとんどです。
「載せさせる」や「載せさせていただいて」という表記がありますが、この表現例は話者と相手とがあるていどの信頼関係にある場合が多く、あらかじめ約束しておいた記事の掲載の件などについて言われる場合が多いです。
「乗せる」との意味の違い
「載せる」という言葉の基本的な意味は、「物の上に置くこと」や「調子を合わせること」、また「誰かが書いた記事や小説を掲載すること」を言い、「乗せる」という意味合いとは明確に区別される場合がほとんどです。
「乗せる」の意味合いと同じ点は「物の上に置く」という意味で、これは「掲載」の場合でも「紙面の上に記事を置く」や「サイトページ上に誰かが書いた文言を置く・配置する」という意味合いで同じになります。
ただ「乗せる」の意味合いには「掲載する」という意味が基本的にないため、「書物の記事や声明の内容を文字に起こして掲載する」という場合は、必ず「載せる」という言葉の方を選ぶ必要があります。
「載せさせていただきます」という言い方
先で少し触れましたが、「載せさせていただきます」という言い方は基本的に間違いではありません。下一段活用の動詞の形にそのまま添った言葉の用法が守られており、基本的な日本語の表現としても正確です。
しかし一般的な表現としては「掲載」という言葉があることに注目し、そちらの表現の方が誰にとってもわかりやすい表現であるため、「載せさせて」という言い方よりも「掲載させて」という言い方の方を採用しています。
また「載せさせて」という表現の響きにはやや発音的なしつこさがあり、聞く方・読む方にとってもあいまいな表現となり兼ねない場合もあるため、「載せる」と言い方は全て「掲載する」という言い方に統一されているケースも多く見られます。
掲載させていただく
文学界関連の分野や新聞記事、またインターネット上のサイトの多くでも、この「掲載する」という言葉が多く使われており、この「掲載」という言葉は公式の場面で認められる敬語表現として認識されています。
「掲載する」の敬語表現としては「ご掲載させていただく」や「ご紹介させていただきます」などと「御(ご)」や「紹介」という形で言われる場合が多く、「載せる」という言い方がそのままで扱われることは珍しくなります。
ご紹介される
何かの記事や声明を掲載する(載せる)という場合は、すでにその「記事や声明を読者・視聴者に紹介していること」になるため、そのまま「伝える」という意味合いをもって「紹介」という言葉が「載せる」という言葉の代わりに使われる場合があります。
この場合も「ご紹介」と「御(ご)」という言葉を接頭辞としてつけることにより、公式の場面でも採用される敬語表現に認められ、この「載せる」の敬語表現「ご紹介される」という言葉は非常に多くの場面で使われています。
・ご記憶に新しいこととは存じますが、当時の記事をご紹介いたします。
・著名人○○氏の言葉をご紹介します。
・芥川賞受賞の『○○』という作品の冒頭文をご紹介します。
こんな感じの例をもって、「ご紹介される(載せる)」という表現はきわめて一般的な用語として認められます。
「載せる」の敬語での使い方
先述において「載せる」という言葉とは別の表現をもっての敬語表現をご紹介しましたが、それでも「載せる」という言葉をそのまま使って敬語表現する場合はどうなのか、についてご紹介しておきます。
この場合は「載せる」という表現はそのまま変えずにおき、その文章全体を敬語として見合った形に直し、さらに敬語表現として適当な文句や修飾語などをつけて表現します。
・大変すばらしい原稿をありがとうございます。ぜひ○○サイトに載せることをご容赦ください。
・ご貴重なご意見を感謝いたします。○○さまのご意見は今後におきましても大変ご参考となりますので、ぜひ雑誌『○○』へ載せることをご検討いただきたく存じます。
このように「載せることをご配慮ください」といった謙譲の敬語表現を話者から持ちかけ、相手からの承諾や、相手への配慮を求める際の表現に多く認められます。
敬語の種類
日本語の敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があり、それぞれの敬語の性質や用途によって、全ての言葉の敬語表現は使い分けられます。
尊敬語は「目上の人や、自分より立場が上位にある人に対して敬意を示す敬語表現」を意味し、特にビジネス上での敬語として多く使われます。謙譲語は「相手と自分の立場や関係を問わず、話者が自発的にその姿勢や立場を低めて敬意を示す敬語表現」を言い、ビジネス上でもプライベートでも多くの場面で使われます。
丁寧語は「不特定多数に公示する丁寧な言葉遣いによる敬語表現」を意味し、尊敬語でも謙譲語でも使われる、ポピュラーな敬語表現として認められます。「です・ます口調」で言われる場合が多いです。
初回公開日:2018年02月28日
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