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「お電話」は敬語でも謙譲語でも使える?例文や英語表現を紹介

更新日:2023年11月19日

「お電話」は、敬語なのでしょうか、また過剰に丁寧な言葉なのでしょうか。本記事では、「お電話」という言葉について詳しく紹介します。「お電話」の敬語としての使い方などを参考に、公私それぞれの場所で使ってみてはいかがでしょうか。

「何となく使っているけど、『お電話』って敬語で合ってるのかな?」
「『お電話』って言葉は、大袈裟な言い方じゃないのかな?」
「『お電話ありがとうございます』ってよく使ってるけど、本当に正しい敬語の使い方なのかな?」
仕事中、「お電話」という表現についてこのように疑問に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、ビジネスや日常生活における「お電話」の使い方について解説します。敬語としての分類や使い方、さらに英語表現についても紹介しています。

この記事を読めば、「お電話」という言葉を正しい表現で使えるようになるでしょう。「お電話」の使い方について気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

「お電話」は敬語?

「お電話」という言葉は、プライベートでもビジネスシーンでも、頻繁に使われる言葉ですが、敬語としては正しいのでしょうか。

「お電話」は、一緒に使う言葉(動詞)次第で、尊敬語、謙譲語、丁寧語といった使い方ができます。

きちんと理解して使わないと、尊敬語で使っていたつもりが、謙譲語であった、という文法上の理解不足を感じることはありますが、「お電話」を使う文章が、ほぼ慣用句になっているので、相手に失礼な言い回しになることは少ないでしょう。

「お電話」は美化語でもある

「お電話」という言葉自体は、文法上「美化語」に分類されます。美化語とは、ものごとを美化して述べる表現です。他の敬語表現と併せて使うと、品のある表現になります。

美化語には、用語の頭に「お・ご」を付けるものと、用語そのものの言い換えが必要なものがあります。「お電話」は、この中の「お」を付けるパターンの言葉ということになります。

「ご電話」とは言わない

「ご電話」は美化語としては誤用です。美化語の「お」と「ご」には使い分けのルールがあります。和語と呼ばれる日本古来の言葉で漢字を訓読みするものには「お」をつけます。
例:お酒、お稽古など

「ご」をつけるのは、中国から伝わって日本語になった漢語(漢字を音読みするもの)の時です。
例:ご提案、ご年配

上記の通りのルールにしたがえば、「電話」は漢語なので「ご」をつけます。しかし、例外として「ご電話」ではなく「お電話」が正解です。

「お電話」は尊敬語?謙譲語?

「お電話」は敬語として使えます。敬語は、相手によって、尊敬語にして使うか、謙譲語か丁寧語かなど、本来は考えて使う必要があります。

しかし、「お電話」は、生活の中で多用されていることからも、明らかに間違った表現になることは少ないでしょう。「お電話」は、一緒に使う動詞次第で、尊敬語にも謙譲語にも丁寧語にもなりうる便利な言葉です。

生活の中で多用されているので、すでに「お電話」を使った文章が出来上がっており、自分では敬語の種類まで意識しなくても、ほとんどの場合、正しく使えています。しかし、自分が尊敬語として使っているのか、謙譲語として使っているのかは、きちんと認識しておくべきです。

取引先や上司に対して使う、「お電話いただく」の「いただく」は、自分の動作「もらう」の謙譲語になります。こちらから電話をする場合で、相手が目上の人に使う「お電話差し上げます」の「差し上げます」も、自分の動作「与える・やる」の謙譲語になります。いずれも「お電話」と組み合わせることで、全体としても謙譲語の扱いになります。

「お電話」の使い方と例文

プライベートでもビジネスでも、生活の中でよく使う「お電話」ですが、実際に使われている文章をピックアップし、「お電話」の使われ方が日本語として正しいのか、確認してみましょう。

自分では、尊敬語のつもりで使っていたけど、文法としては謙譲語だった、丁寧語だった、という文章もあるでしょう。

「お電話」を使う文章は、ほぼ慣用句化しており、自分の認識が尊敬語と謙譲語で間違っている場合でも、文章としては正しく使えていると考えられます。念のため、文法としての分類を確認しておきます。

お電話ありがとうございます

「お電話ありがとうございます」は、日本語の文法として考えると、少しおかしい感じを受けます。「ありがとうございます」の前には、行為が必要と考えられるからです。電話は、物です。しかし、「お電話ありがとうございます」は、「電話」という名詞の後ろに「をもらって」という行為が省略されている、という暗黙の了解のもと、使われています。

日本語として、一般化しているので、「お電話ありがとうございます」は、電話受付時の常套句として、問題なく使えます。「お電話いただき、ありがとうございます」とすれば、日本語としてさらに正しくなります。「いただく」は 「もらう」の謙譲表現になります。

お電話いただいた

「お電話いただいた」は謙譲語の表現です。「〜いただく」は「私はあなたにしてもらったことを有り難く思う」という意味を持っています。「お電話」を用いた文例としては、以下のようなものがあります。

【文例】
・お電話いただいた件についてお伺いします
・お電話いただきまして、恐縮です

似た表現としては尊敬語の「お電話いただく」があります。企業によっては「お電話くださる」を使用する場合もありますので、使い分けに気をつける必要があります。

お電話させていただきました

「お電話させていただきました」の「させていただく」は、自分の行為に対して、相手の許可を求めるときや、「この行為によって恩恵を受ける」という気持ちがあるときに、使う言葉とされています。

【文例】
・◯◯の件について、お電話させていただきました
・先ほど、お電話させていただいた、◯◯と申します

「お電話させていただく」という表現は、過剰敬語と認識している人もいるので、冗長になってしまうと感じる場合は、「お電話いたします」という丁寧語の表現にした方が、シンプルで伝わり易いでしょう。

事前に電話をしていたことを伝えるために、「先ほど、お電話させていただきました、◯◯と申します」は、回りくどい言い方になるので、もっとシンプルに、「先ほど、お電話いたしました、◯◯と申します」と言い換えても、敬語として目上の人に対して失礼にはなりません。

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初回公開日:2017年11月12日

記載されている内容は2017年11月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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