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「かなり」の敬語表現・かなりの使い方と例文・別の敬語表現例

更新日:2024年08月13日

日常生活において、度々登場するこの「かなり」という言葉。一日の中でも”かなり”多くの回数使っている方も多いのではないでしょうか。しかし、「かなり」の敬語表現をご存知ですか?この記事では敬語の分類から、ビジネスシーンでの「かなり」の使用法までご紹介します。

「丁重語」は、謙譲語とよく似ており、自分の動作を下げるけど、高めるべき相手がその話題には登場しない時に使う言葉のことです。敬意が向かうのは聞き手(文章の場合は読み手)となります。「謙譲語2」とも呼ばれ、区別が困難ですが、自分の話題の中に敬意を示すべき相手がいるかいないかを考えることが判別のコツです。

例文:
「明日、病院へ行って参ります。」
→話題の中には敬意を表すべき相手が登場しませんが、この発言を聞いている相手には敬意を払っている、ということを表すことができます。

「廊下に係りの者がおります。」
→話題の中には「係りの者」が登場しますが、係りの者は自分側の人間なので、敬意を表現する相手にはなりません。この場合の敬意を払うべき相手は、聞き手になるので、これは丁重語(謙譲語2)の「いる」です。

上品さを醸し出す「美化語」

「美化語」は名詞の頭に「お」や「ご」をつけて上品さを感じさせる言葉のことです。また、単語そのものを丁寧な表現に言い換えることもあります。尊敬語や丁寧語と組み合わせて使うことで、文章全体のバランスをとるといった働きがあります。

例文:
語頭に「お」を追加するタイプ
時間→お時間、医者→お医者さま、となり→おとなり など
語頭に「ご」を追加するタイプ
着席→ご着席、主人→ご主人、旅行→ご旅行 など
単語そのものを言い換えるタイプ
飯(めし)→ごはん、トイレ・便所→お手洗い・(お)化粧室 など

「かなり」を敬語にすると?

では、気になる「かなり」の敬語表現とは一体なんなのでしょうか?実は、「かなり」には敬語表現はありません。というより、「かなり」という言葉そのものには敬意を含めることができないので、敬語の文章の中でもそのままの形で使うことができます。カジュアルな場面でも、オフィシャルな場面でも使える言葉ということです。

日本語の敬語の仕組みって?

日本語の敬語は、その多くが動詞と名詞から構成されているので、「かなり」のような副詞・形容動詞には敬語表現がほとんど存在しません。「明らかに」や「晴れやかな」といった言葉を敬語にしようがないのと同じです。

例外として、「綺麗な」や「ゆっくり」といった形容動詞は、語頭に「お」や「ご」をつけることにより上品な響きにすることができますが、今回の「かなり」には当てはまりません。

日常に溶け込みすぎて、なんとなく軽い響きがあるように感じますが、ビジネスの場面で使用したとしても何の問題もありませんので、ご安心ください。

「かなり」をメールで使うときに気をつけることは?

「かなり」とは、程度または頻度を表す言葉です。ですので、時間や量を表したい時に使うことができます。

例文:
「中途採用の件ですが、かなりな数問い合わせがありました。」
→"かなり多くの"としても問題ありません。副詞として使えるので、形容詞を修飾することができます。

「かなりなお時間を頂きますが、よろしいですか?」
→かなり"の"お時間は、厳密には間違いです。正しくは、かなり"な"お時間を〜となります。しかし言葉の用法というのは時代と共に変わります。昨今では、かなり"の"と言ってしまっても大きな間違いにはなりません。

「かなり」をビジネスで使うときに気をつけることは?

基本的にはメールの場合と変わりません。時間や量を表す時に使うことができます。「かなり」は、平均よりも多い様子や状態を表しますので、「かなり早い」「かなり白い」「かなり綺麗だ」のように使用できます。(もちろん、他の敬語と組み合わせましょう。)

ただし、メールと異なって注意が必要なことが一点あります。それは、イントネーションです。正しい「かなり」のイントネーションでは、「か」にアクセントがきます。「つまり」や「家来」と同じイントネーションです。

しかし、若者言葉には「な」にアクセントがきて、「り」も同じ高さになる言い方が存在します。「となり」や「決まり」と同じイントネーションです。「かなりやばくない?」という文章を想像して頂ければわかりやすいのではないでしょうか?後者のイントネーションは、ビジネスシーンでは適さないので、ご注意ください。

「かなり」と似た意味の言葉は?

「かなり」と似た働きをする敬語は意外と多く存在します。平均よりも程度や頻度が多い様子を表すので、「相当」「ずいぶん」「なかなか」あたりが適当です。あまり日常会話では馴染みのない言葉になってしまいますが、「すこぶる」「めっきり」なども「かなり」と似た働きをする言葉と言えるでしょう。また、カジュアルな場面なら「すごい」とも言い換えられます。

例文:
「かなりひどい怪我です。」→「相当ひどい怪我です。」
「かなり時間がかかるようです。」→「ずいぶんと時間がかかるようです。」
「かなり難しいです。」→「なかなか難しいです。」
「今日はかなり調子がいい。」→「今日はすこぶる調子がいい。」
「最近はかなり寒くなってきましたね。」→「最近はめっきり寒くなってきましたね。」
「今朝はごはんを、かなりな量食べたんだ。」→「今朝はごはんを、すごい量食べたんだ。」

「結構」と「かなり」の違いってなに?

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初回公開日:2018年02月28日

記載されている内容は2018年02月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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