「なんとなく」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年08月03日
そんな「なんとなく」ですが、ときと場合によっては使ってもいいこともあります。ここではそんな「なんとなく」を、使える場面を想定して、そのときにできるだけ相手を不快に思わせない敬語的な例文を考えてみます。
例文1:フィーリング的に賛同したいとき
例えば企画会議などで、強い根拠がないにもかかわらず、提案した/された企画がうまくいくような気がすることもあるでしょう。フィーリングがいけると囁く瞬間です。このときに控えめながらも賛同したいときに、「なんとなく」が使えます。
「明確な理由はございませんが、この企画はうまくいくのではないでしょうか」
「なんとなく」とは言っていませんが、明確な理由がない時点で「なんとなく」としか考えていません。しかし、別の言葉で敬語にした結果、いい加減な言い方には聞こえなくなっています。
例文2:推測を丁寧に言う
理由がなく、推測で感じることも世の中にはたくさんあります。人の気持ちや行動は理屈ではなく、その人となりを知っているときに推測できるなど、論理的な説明ができないケースなどです。このときにも「なんとなく」を丁寧に言うことで目上の人などに使うことは可能です。
「おそらく、彼はそこにいないのではないでしょうか」
誰かを探しているときに、推測であるがなんとなくそこにその人物がいないと感じるときに、へりくだって「おそらく」と付け加えて言ったケースです。なんとなく感じていることを「なんとなく」を使わずに表現できています。
「なんとなく」を敬語にするための別の表現例
「なんとなく」とひと口に言っても、シチュエーションによっていろいろな意味があります。また、「なんとなく」を敬語にする場合は、「なんとなく」そのものは敬語にできないので、類語などを持ち込み、それらを敬語に変換するしかありません。
そのため、「なんとなく」の類語をしっかりと把握していると、いざというときに敬語で「なんとなく」を表しやすくなります。ここでは、そんな「なんとなく」の類語の例をいくつか紹介します。
理由がはっきりしていないとき
理由がはっきりしない場合に使う「なんとなく」の類語には、例えば「なんとなしに」、「どういうわけか」、「なにかしらの」といった言い方があります。これらの前後に丁寧語をつけたり、尊敬語や謙譲語に言い換えた言葉を付け加えることで、「なんとなく」が敬語に変わります。
故意ではない行動を説明するとき
特に考えもなしに行動してしまったとき、「なんとなくやってしまった」というような言い方をすることもあります。この場合での類語は「計らずも」、「ふと」、「思いがけず」、「つい」、「思いがけず」、「巧まずして」などがあります。
例えようがないさまを表すとき
例えば、形容する言葉がなく、なんとなくこういったものだ、といったようなことを表現する場合の「なんとなく」にもさまざまな類語があります。それは「言葉にできない」、「言いようもない」、「はっきりとは言えない」などがあります。「はっきりとは申し上げられませんが」などのさまざまな言い方で敬語にすることができるでしょう。
少しだけ感じられるとき
例を出すと、ほんのわずかに甘い香りがするときに「なんとなく甘い匂いがする」と言うことがあります。このケースでの「なんとなく」ではどうでしょうか。
このケースでの「なんとなく」の類語は「うっすらと」、「ほんのりと」、「わずかに」、「心なし」、「心持ち」といった言い方があります。これらを敬語にする、あるいは敬語と組み合わせることで丁寧な印象を与えることができます。
使い方を憶えれば会話がうまく流れる!
敬語は難しいものではありません。ですが、どんなシチュエーションにおいても「なんとなく」はあまり優れた表現ではありません。社会人になったら「なんとなく」だけで事象を捉えてMのごとを表現することはよくないからです。
しかし、だからといって、すべてが断定的になっていては会話も盛り上がらず、つまらないことになってしまいます。多少物事を推測で話すことは、人間関係を円滑にさせるひとつのテクニックでもあります。そう考えれば、「なんとなく」を別の言葉にして敬語にすることは大切ですし、うまく使えれば会話が弾むことでしょう。
言葉がおもしろいのはこういった曖昧な表現があることです。使うべきではないシチュエーションで使わなければ問題はありません。ときには「なんとなく」を敬語表現で利用し、会話を楽しむ余裕を持ちましょう。
初回公開日:2018年04月16日
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