「聴く」の敬語表現・聴くの使い方と例文・聴くの別の敬語表現例
更新日:2024年09月15日
敬語の使い方や意味については、これまで説明したとおり、相手の立場などに気をつけることです。ここでは、メールにおいてよく間違える例について取り上げてみます。メールにおいては、「誰宛」なのかを考えれば簡単です。しかし、そのメールの中で第三者の話が絡む場合、謙譲語と、尊敬語が、ごちゃごちゃになりがちです。
例えば、特定の話を第三者へ問い合わせて欲しい場合にありがちな間違いで、「詳細は担当者に伺ってください。」や「担当者にお聴きしてください。」という、謙譲語を使ってしまうケースです。この場合は、尊敬語の「尋ねてください」や「お聴き下さい」が適切です。
上記の場合、相手から見た場合、担当者も自分と同じ立場の人間ということなのも、尊敬語が正しくなります。謙譲語は、あくまで自分を下げて相手を立てる言葉なので、特に上司やお客様相手といったケースにおいては、尊敬語を使うように心がけましょう。
講演会や演奏会などは敬語を使う対象に注意
講演者や演奏者に対する敬語は、「拝聴しました」で問題ありません。しかし、会話の相手が演者でない場合(例えば、同行した上司など)は、「お聴きになりましたか」や「聴かれました」という表現になります。誰に対して使う敬語なのかを間違えないようにしましょう。
音楽・ラジオなどの感想を求める場合は?
基本的には、講演会や演奏会における「聴く」の応用で問題ありません。ただし、この場合先ほど書いた「自分が薦めたものかどうか」が、重要となります。基本的には、自分が薦めた講演だった場合などは、「お聴きになりましたか」を使用し、一般的な状況(例えば、流行っている音楽の話題)の場合は「聴かれましたか」という使い分けをするといいでしょう。
「聴く」の同義語を知ろう!
前半に「拝聴」という言葉を挙げましたが、他にも「聴く」の同義語はたくさんあります。いずれも、使う場合は「聴く」よりも意味の範囲が狭くなっているので、正しい意味を理解して使いましょう。
・『尋ねる』=意見を求めたり、直接どこかへ赴く意味があります。
・『伺う』=尋ねるに、へりくだるという前提を付けた言葉です。この言葉自体が謙譲語になります。
・『留意』=聴くというよりも、注意するや心がけるといった意味合いが強い言葉です。
・『仰ぐ』=こちらは、教えや救済を聴く場合に使います。
・『問い合わせる』=「不明な点」を照会する場合に使います。
他にもまだたくさんあるので、興味がある方は調べてみてください。また、これらは話し言葉というより、メールや手紙といった書き言葉として主に使われています。使い方次第で敬意が高まりすぎてしまう場合があるので、過剰に使わないように注意しましょう。
「聴く」を使った例文
では、ここからは一つの文章を、「聴く」やその同義語を用いて使い分けてみます。
(例1)あなたは、どんな音楽を聴くの?
「あなたは、どのような音楽をお聴きになりますか?」
(例2)先日借りたCD聴きました。
「先日お借りしたCD、さっそく拝聴しました。」
(例3)担当者に聴いて。
「担当者に、お尋ねください。」
(例4)名前を聴かせてください。
「お名前を、お伺いしてもよろしいですか?」
このように、敬語によって言葉が変化します。特に(例4)に関して、よく「名前を頂戴してもよろしいですか」という方がいますが、これは誤りなので注意しましょう。
「聴く」の敬語を知り正しく使おう!
いかがだったでしょう。「聴く」とその敬語について、意味や使い方は分かったことでしょう。
この「聴く」に限らず、敬語は自分の立場や相手の立場、第三者の立場、そして状況を正しく把握して使う必要があります。特に、口頭での会話の場合、瞬時に正しい敬語を選択する必要があるので、常日頃正しい敬語の使い方を学んでおくと、なおよいでしょう。
まずは、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」この三種類の使い分けに注意してみましょう。メールなど、推敲できる状況を上手く利用して、正しい使い方をマスターするのも一つの手でしょう。
初回公開日:2018年02月19日
記載されている内容は2018年02月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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