「なのですが」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

「なのですが」の敬語表現

「～なのですが」は普段口にしたり聞いたりする機会の多い言葉ではないでしょうか。ビジネスでは相手に使うと言い訳がましく捉えられてしまうような言葉でもあり現状を相手に伝える際などでは敬語表現をしっかり使って相手に伝えたいものです。

「なのですが」を理解するに当たって「なのです」と「が」を切り離して言葉を考えていく必要があります。

「～なのですが」の後に続く言葉は最後に「～なのです」というように理由を聞かれたら「～だから」と答えるのと同じような使い方をして似ている部分があることでしょう。

「なのですが」の敬語での使い方

「なのです」という言葉の意味を考えると、物事の状況をより明確に説明することを指す敬語表現になります。例として「あなたのものなのです」と表現すれば誰のものなのかを断定表現でき明確に伝えられます。

そこに接続詞の「が」が組み合わさることで「なのですが」という敬語表現になります。接続詞の「が」はそれまで説明していたことも踏まえて少し否定の意味を込めた別の事柄を説明するときに用いられることの多い表現となり、そのまま「なのですが」と使うと否定文ということになってしまい相手にとっては失礼に感じてしまうことも少なくない敬語表現となってしまったりします。

敬語の種類

敬語には3種類あることはご存知でしょうか。「丁寧語・尊敬語・謙譲語」の3つの敬語です。丁寧語は相手に尊敬の意を込めて、ですます口調で丁寧な表現に言葉を直した敬語表現です。尊敬語と謙譲語は主語が誰かによってどちらかの敬語に表す必要が出てきます。

敬語の難しさはおそらくこの「尊敬語と謙譲語」の使い分けでしょう。尊敬語は相手が主語であり相手に対して敬意を表した言葉遣いです。

謙譲語はこちら側の立場が主語でこちら側に対した言葉を謙遜の意を込めて相手に敬意を払った言葉遣いということになります。

使い方

それでは実際に「なのですが」を用いた敬語表現についての使い方を考えていきましょう。同じ立ち位置である人に対して表現する言葉で「なんですが」や「なんですけど」という表現をすることがあったことでしょう。

もっと砕けた言い方で「なんだけど」というように言ったこともあることでしょう。この場合話し言葉なので文章としては「なんだ」と表現することは不適切です。実際話し言葉として敬語表現で使うのであれば「なのですが」でも問題はありません。

敬意を表しつつ自分の考えを主張することもできるので自分に対して注意を引くことも可能な言葉となります。

メールでの使い方

「なのですが」であればメールでも使用できます。しかしメールとなると他の表現方法も知る必要があり、きちんとした意味に沿って言い直す必要性もでてきます。

なぜ言い方を変える必要が出てくるのかといいますと、「なのですが」という言葉自体否定も含めた表現でもあり、文章の中で「なのですが」が二つ以上入っていたら「そこまで言わなくてもわかります」と反感を持ってしまうことも少なくありません。

そのためこういうことはわかっているのですが、ということも含めて「しかし」や「が」のみで詳細に理由を述べるということも必要になってきます。

ビジネスでの使い方

「なのですが」はビジネスの場で用いても問題はない言葉遣いでもあります。しかしビジネスの場では相手に合わせることも大事になり、その場に合わせた言い方を考えることも意思の疎通を図る際は大切な部分になってきます。

たとえば「誠に勝手なのですが」と表現すれば相手に対する謝罪の気持ちがあることも示唆でき、接続詞「が」のあとには迷惑をかけてしまう理由も説明できる簡潔かつ誠意も示せる言葉となっています。

この場合「が」を「けど」に言いかえることのないように注意しましょう。「けど」の場合は接続詞でありながら目上の方に使うのに適した表現ではありません。

話し言葉

話し言葉で「なのですが」という際も特に問題はないです。

よく言われる言葉で「なんだけど」や「なのだが」とも表現できますが、ビジネスの場や目上の方と話す際は失礼のないように敬語を取り入れて「なのですが」と表現するか、別の表現で「しかしながら」や「～なのは承知のことですが」といった説明も交えて述べるような話し言葉が理想です。

同僚や友人間であれば「なんだけど」でも壁を感じさせることなく自分の意思を相手に伝えられることでしょう。

書き言葉

メールでも触れましたが書き言葉で「なのですが」という表現はそのまま使用でき、相手の意思も理解しているのですがこういう希望がありますということを示唆させられます。

それ以外にも「誠に失礼なのですが」と先に謝罪の意味を述べることで、何か希望をその次に述べやすくなり、謝罪が先に来ているので何か頼みたいことがあるのかということも相手に伝えやすくなります。

「なのですが」を敬語表現するときの例文

それでは実際に「なのですが」を用いた例文を紹介しながら考えていきましょう。ビジネスではよく使われることのあるフレーズからも考えていきます。

「契約を結ぶに当たって実印が必要なのですが」といったような「必要なのですが」という言葉も「必要なんですけど」と言ってしまったら上から目線に響いてしまいます。

「必要なのですが」と表現することで自分や会社が求めている事柄を率直に伝えつつ、相手に「～してもらいたいです」ということを敬意を持って表現できます。

「なのですが」の別の敬語表現例

ここまでで「なのですが」の使い方について細かく説明してきました。

少し触れましたが「なのですが」を使わずに「なのですが」と同じ意味で言葉を言い換える必要が出てきてしまうことはコミュニケーションの質を高めてお互いの意思疎通を円滑に行なうためにも必要になってきます。

「なのですが」以外にも触れてきましたのが「しかし」や「だが」です。こちらも前文を理解しつつ、後に続く文で自分の意思を表したい時に使うことのできる表現になります。