「見ていただく」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年08月13日
敬語「見ていただく」の意味は?
「見ていただく」というのは、「見る」という相手の行為に「いただく」という自分の行為がくっついた言葉です。意味は、目上の相手に、何かを見ることをお願いするという意味で使われます。「こちらを見ていただけますか?」といった文章で使われます。
このように、「見ていただく」はそのまま敬語として使うことができます。しかし、「見る」という言葉が敬語にはなっていないため、場合によってはふさわしくないこともあるでしょう。これから、「見ていただく」を正しく使うためのご紹介をしていきます。
「見ていただく」は謙譲語?
謙譲語とは、自分や自分の行為をへりくだることで、相手に敬意を表す表現です。つまり、謙譲語は自分や自分の行為に対して使われます。
「見ていただく」は「見る」という相手の行為に「もらう」の謙譲語である「いただく」という自分の行為がくっついた言葉です。「見る」というのは「相手が見る」という意味ですので、謙譲語にすることができず、「見ていただく」というのはこのままでは謙譲語としては扱われません。
もし、「(私が)~してもらう」という場合に謙譲語を用いるならば、「ご(お)~いただく」と表現します。よって、「見ていただく」を謙譲語にするならば、「ご覧いただく」が正しい表現です。
「見ていただく」の尊敬語は?
尊敬語とは、相手を敬うときに使う表現で、相手や相手の行為に対して使う言葉です。「見る」の一般的な尊敬語は「ご覧になる」「見られる」です。これは目上の人が主体となり、何かを見ることを表現しています。「ご覧になる」と「見られる」では「ご覧になる」のほうがより丁寧な表現です。
よって「見ていただく」を尊敬語にする場合は、「ご覧くださる」や「ご覧いただく」が正しい表現になります。
「見ていただく」の丁寧語は?
丁寧語とは「です」「ます」「ございます」に代表される表現で、文章を丁寧に表現する言葉です。ですので、目上の人とのコミュニケーションでは尊敬語や謙譲語を組み合わせて使うことが多いでしょう。
「見ていただく」を丁寧語にそのまま直すと「見ていただきます」となりますが、主体が誰にあるのか紛らわしく、どこかおかしな表現に聞こえます。目上の人に「見てもらう」ことをお願いする場合は「ご覧ください」「ご覧になってください」と表現するのがいいでしょう。
敬語「見ていただく」の使い方は?
それでは、「見ていただく」はどのような場面で使われるのでしょうか?
敬語の種類は?
「見ていただく」は「見る」という相手の行為に、「もらう」の謙譲語である「いただく」がついた言葉ですので、「見ていただく」は謙譲語になると考えてしまいがちです。しかし、「見ていただく」というのは主体が相手になりますので、謙譲表現にはなりえません。あくまで主体は相手ですので、尊敬語になります。
敬語として考えるならば、「見ていただく」という表現は正しいのでしょうか。「見ていただく」と耳で聞いても、さほど間違った表現にも聞こえないでしょう。「見ていただく」という敬語は完全には間違った表現ではありませんので、そのまま目上の人に使うこともあるでしょう。
しかし、敬語としては「見る」が敬語になっていないので、敬語としては不十分です。「見ていただく」を完全な敬語にしたいと思うなら、「見る」を尊敬語に直して「ご覧になる」とするべきでしょう。
「見ていただく」の使い方は?
「見ていただく」はどのような場面で使われるでしょうか?ビジネスシーンでは、取引先に書類を送る時は、「見ていただく」ことをお願いするでしょう。会議でのプレゼンテーションではレジュメやスクリーンを「見ていただく」ことをお願いするでしょう。ツールとしては手紙やメールが使われることが多いでしょう。
「見ていただく」は完全に敬語になっていないので、あらたまった場所やフォーマルなお付き合いの間柄ではあまり使われないでしょう。使うのならば、よく知っている目上の方に、少し親しみを込めて「見ていただけますか?」と使ったり、「ご覧いただく」と使うのはかしこまりすぎている時などに使います。
例文:
「先日お渡しした資料は見ていただけたでしょうか?今回、最新版を同封いたしましたのでぜひご覧ください。」
「こちらのグラフを見ていただきますと、月々の売上高の差がよくわかります。」
敬語「見ていただく」の例文は?
ビジネスシーンでよく使われる「見ていただく」という表現ですが、実際どのような言い方があるのでしょうか。例文を交えてご紹介します。
書類を「見ていただく」場合は?
初回公開日:2018年02月16日
記載されている内容は2018年02月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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