「貸し出す」の敬語表現・貸し出すの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年08月19日
「貸し出す」の敬語表現
ビジネスではモノを「貸し出す」場面が多く発生します。貸し出し元と貸し出し先の関係から、適切に敬語をすることが求められますが、「貸し出す」の敬語表現を正しく使えている方は意外と少ないです。
ここでは「貸し出す」の敬語の使い方を整理します。また「貸し出す」の敬語表現を、類義語や例文を用いて整理することで、使い方をしっかりと身につけることができます。
「貸し出す」の敬語での使い方
「貸し出す」という行為は、貸し出し元と貸し出し先が関係します。
(書籍の貸し出し元)図書館 → (書籍の貸し出し先)図書館利用者
上記の場合、以下の表現が成り立ちます。
図書館の観点から表現
・図書館は書籍を図書館利用者に貸し出す
図書館利用者の観点から表現
・図書館利用者は図書館に書籍を貸し出してもらう
公共物の利用という観点では、公共機関はサービスを提供するあるいはサービスを利用してもらう主体になるので、以下の表現も成り立ちます。
・図書館は図書館利用者に書籍を借りてもらった。
「図書館」は公共機関ですので、敬語を使う対象ではありません。「図書館」の部分を尊敬すべき対象した場合の「貸し出す」の敬語表現と「図書館利用者」の部分を尊敬すべき対象とした場合の敬語表現をそれぞれ確認します。
「貸し出す」の敬語種類:謙譲語表現は?
謙譲語表現は、相手や相手の行為を敬うために行為の主体である自分あるいは自分の行動をへりくだって表現します。自分が何かをする場合は「(お)~する」となり、自分が何かをしてもらう場合は「する」の謙譲語表現として「いただく」という表現になります。
したがって、「貸し出す」の謙譲語表現は次のとおりになります。
・自分が貸し出す場合:お貸し出しする
・自分が貸し出してもらう場合:貸し出しいただく、貸し出していただく
例)
・ご発注いただいたお客様に携帯書籍ビューアーもお貸し出しします。
・主催者側であるとりまとめ事務局から同時通訳用イヤホンを貸し出してただきました。
「貸し出す」の敬語種類:尊敬語敬語表現は?
尊敬語表現は、行為の主体である相手あるいは相手の行動を敬って表現します。相手が自分に何かをする場合は「(お)~くださる」となり、相手が自分以外の誰かに何かをしてもらう(いただく)場合は「する」の尊敬語表現としての「なさる」を用います。
相手が自分に「貸し出す」場合は尊敬語表現として「(お)~くださる」の形をとりますので、「お貸し出しくださる」となります。相手が自分以外の誰かに「貸し出す」場合は「する」の尊敬語である「なさる」を使い、「(お)貸し出しなさる」となります。
例)
・社長は私に対し、貴重な書籍をお貸し出しくださいました。
・社長は3年目以下の社員全員に対し、貴重な書籍を貸し出しなさいました。
メールでの使い方
「貸し出す」の敬語表現については、口頭であっても、文書を含むメールでの使い方についても大きな違いはありません。しかし、メールにおいては、必要情報を素早く先方に理解していただき、次の対応に移ってほしいことから、常に簡便、合理的な表現が求められます。
謙譲表現を用いたメールでの使用例
件名:御礼:専務ご自宅往訪
先日は専務ご自宅にお招きいただきましてまことにありがとうございます。仕事以外の世界も拝見し、益々専務のご活躍の幅を再認識した次第です。
また、当方からお貸し出しいたしました手製詩文集についても明快なコメントをいただきありがとうございます。
その際、専務より貸し出していただきました貴重な書籍について、早速読了いたしました。専務の先見の明の深さに驚くばかりでございます。
尊敬表現を用いたメール使用例
件名:ビーチパラソル貸し出し依頼
いつもお世話になります。
今夏の鵠沼海岸ビーチハウスについては、常時100竿のビーチパラソルが必要になることから、御社におかれましては、20竿のビーチパラソルをお貸し出しいただきたく、ご手配どうぞよろしくお願いいたします。
件名:【連絡】社長からの成績優秀者に対する高性能PC貸与について
おつかれさまです。
今週金曜日に予定されている成績優秀者表彰式において、社長がご自身の資金で対象者に対し高性能PC一式を一年間に渡りお貸し出しなさることが決定しましたので連絡します。
「貸し出す」を敬語表現するときの例文
初回公開日:2018年03月05日
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