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「貸し出す」の敬語表現・貸し出すの使い方と例文・別の敬語表現

更新日:2024年08月19日

ビジネスの世界ではよくある行為ですが、その敬語表現を正しく使えている方が意外と少ない「貸し出す」について敬語の表現例を整理します。「貸し出す」の敬語表現をしっかりと身につけることでスキルアップをはかり、ビジネスで有効に活用していきましょう。

それでは、「貸し出す」を敬語表現した場合の例文を追加で列挙します。

「貸し出す」の謙譲語表現例

謙譲語表現は、相手や相手の行為を敬うために行為の主体である自分あるいは自分の行動をへりくだって表現します。

自分が貸し出す場合(お貸し出しする)の例
・初めてボルダリングをご経験いただくお客様には、全員に対し安全ベルトをお貸し出しします。装備が足りないことで、始めることに躊躇なさることは非常に残念だからです。

自分が貸し出してもらう場合(貸し出しいただく、貸し出していただく)の例
・発案者である加藤社長には、春のお堀端からの花見大会には、全ての手漕ぎボートを貸しボート屋に貸し出していただくよう、先方との調整を一手に引き受けていただきました。

「貸し出す」の尊敬語敬語表現例

尊敬語表現は、相手や相手の行為を敬うために行為の主体である相手あるいは相手の行動を敬って表現します。相手が自分に何かをする場合は「(お)~くださる」となり、相手が自分以外の誰かに何かをしてもらう(いただく)場合は「する」の尊敬語表現としての「なさる」を用います。

相手が自分に「貸し出す」場合は尊敬語表現として「(お)~くださる」の形をとりますので、「お貸し出しくださる」となります。相手が自分以外の誰かに「貸し出す」場合は「する」の尊敬語である「なさる」を使い、「(お)貸し出しなさる」となります。

相手が自分に「貸し出す」場合の尊敬語表現例
・当時の社長は若輩者である私に対し、はなむけのお言葉と貴重な花器のコレクションをお貸し出しくださいました。

相手が自分以外の誰かに「貸し出す」場合の尊敬語表現例
・社長は新入社員全員に対し、ご自身のゴルフクラブを貸し出しなさいました。

「貸し出す」の別の敬語表現例

「貸し出す」についての類語を確認したうえで、その敬語表現について確認します。

「貸し出す」を敬語表現で使われるシーンをイメージする

「貸し出す」という言葉を使うシーンを考えてみると、図書館における書籍の貸し出しについて、書籍を「貸し出す」として用います。この場合は「貸す」に加え「出す」=「持ち出す」といった意味が加わることになります。

図書館からの書籍貸し出しは公共利用ですので、図書館に対し謙譲あるいは尊敬といった概念を持ち込む必要はありません。しかしお世話になった方から書籍をお借りして持ち出すようなケースの場合は、自身の行為であれば謙譲語を、相手の方の行為であれば尊敬語を用いて表現します。

お貸しいただく

「貸し出す」という用語は、「貸して」「持ち出す」という用語の組み合わせです。図書館における書籍の貸し出しや、レンタル品、あるいはリース品などある一定の期間、「貸して」「持ち出す」場合が該当します。

目上の方の自宅などから、書籍をお借りして持ち出す場合、相手からみると書籍を「貸して」「持ち出す」ことになり、これを謙譲語で表現すると「お貸し出しいただく」となります。この表現は誤りではありませんが、もともとの「貸し出す」という用語が二つの意味を組み合わせていることから、冗長表現となっています。

この場合は、「貸す」という行為に着目し、「お貸しいただく」とすることでも意味的にも表現的にも誤りではなく、シンプルな表現方法となります。

例)
お世話になった恩師から、貴重な書籍をお貸しいただいた。

お貸しになる

目上の方の行為について敬語表現する場合は、尊敬語を用います。「貸す」の場合では「お貸しになる」、「貸与する」が該当します。「貸し出す」の場合も「お貸し出しされる」「お貸し出しになる」という表現が該当します。

しかし、意味上は持ち出しを前提として「お貸しされる」ということになるので、シンプルに「お貸しされた」「お貸しになられた」と表現しても、内容には違いがありません。

例)
社長は、社長室を訪れた若手社員に、いつもご自身の座右の銘をお貸し出された。
→社長は、社長室を訪れた若手社員に、いつもご自身の座右の銘をお貸しになられた。

「貸し出す」の類語の敬語

「貸し出し」の類語として、「貸与」という用語があります。意味は「返却を前提として貸し与える」という意味です。この「貸与」の敬語を確認することで、合わせて「貸し出す」の敬語表現との意味の違いを確認します。

貸与する

「貸与」は「貸し与える」ということで、「貸し出す」と比べ、もう一段高い上からの目線で「貸してあげる」といったイメージがある用語です。「貸与」が使われるシーンは、会社などの法人格が個人に対し物品を貸し出す場合が多いです。また、話し言葉よりも契約書のような書類上に記載されること多い用語です。

例)
・会社が社員に対し、業務用携帯電話を貸与する。
・社員は、工場勤務になると制服を貸与される。

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初回公開日:2018年03月05日

記載されている内容は2018年03月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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