「させていただきました」は正しい敬語表現?使用可能な場面を解説
更新日:2024年10月28日
「させていただきました」を漢字で「させて頂きました」と書くのは間違いです。この場合の「頂く」の意味は、「食べる」「飲む」「もらう」という意味です。
そして、「いただく」の意味は、「何かをしてもらう」という場合の「補助動詞」として使用します。よって、「~させていただく」という補助動詞である、ひらがなの表記が正しい表現になります。
使いどころによっては失礼に当たる場合がある
相手のためになるわけではないことを「した」と敬語で伝える場面で「させていただきました」を使うのは誤用です。よく誤用される言葉であるために気にする人は少ないと考えられますが、失礼な表現にあたります。
「お話ししたいことがあって訪問させていただきました」「当社の商品をお伝えしたくてこちらの資料をお持ちさせていただきました」「御社を志望させていただきました」「失礼させていただきました」などは、間違った使い方になります。
「させていただきました」が使用できない場合の適切な言い換え表現
相手の許可を得ていないような事柄を「した」と伝える際に、「させていただきました」を使うのは間違った敬語表現になります。
ここからは、「させていただきました」が使用できない場合の適切な言い換え表現をお伝えします。
「する」
「する」は、「いたします」の謙譲語であり、「いたす」に丁寧語の「ます」を付けた形です。
- 自分が一方的に行う行為の場合は「いたす」
- 相手からの許可や好意により恩恵を受ける行為の場合は「させていただく」
という表現となります。
「後ほどお伺いいたします」の表現は「後ほどお伺いします」に言い換えることもできますが、「後ほどお伺いさせていただきます」は相手の許可がないと不適切な表現となるので注意しましょう。
「いたします」「いたしました」
いたします:「いたす」(するの謙譲語)と、「ます」(丁寧語)を組み合わせた言葉です。
自分が「〜する」時に、へりくだって相手の立場を高める際の伝え方です。「いたします」は「〜する」「します」をへりくだって言う時の表現になります。
謙譲語は自分を低めるための敬語なので、相手に対して使うことは失礼に当たります。「いたします」は、自分から望んですることに対して使いましょう。
「ご確認いたします」は、自分から進んで連絡します、という意味になります。
「させていただきました」の英語表現は「Let me 〜」
「させていただく」にあたる英語表現もあります。
「Let me 〜」は、相手の許可を得る意味合いがあります。ここにPleaseをつけると丁寧な表現になるでしょう。「Let me 〜」は、「〜させてください」という意味ですが、少し丁寧な言い回しにすることで、以下の例文のような「〜させていただきます」というニュアンスで使えます。
- 「Let me take a look at this photo.」
- この写真を見させて下さい。
この場合は相手の許可を確認しています。
「させていただきました」は適切な場面で使用しよう!
「させていただきました」は「させてもらった」を謙譲語の形で敬語にした表現です。「させてもらう」は「相手の利益になるようなことを、相手の許可のもとで行う」という意味です。
相手の利益にならないかもしれないことをする場面で「させていただきました」を使うと誤用になります。また、相手の許可を得ていないような場面でも使ってはいけません。
「ご連絡させていただきました」は、その連絡が相手の利益になりかつ相手の許可を得ている場面でしか使用しません。そうでない場面では「ご連絡いたしました」という敬語表現が適切です。
「させていただきました」と「いたしました」で迷った場合は「いたしました」を使うという手もあります。「させていただきました」というべき場面で「いたしました」の方の敬語を使ったとしても失礼にあたることはありません。
「させていただきました」の正しい敬語表現を押さえ、適切な場面で使用しましょう。
初回公開日:2018年02月28日
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