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「勝手ながら」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

更新日:2024年04月26日

「勝手ながら」から始まる文章を目にすることがありますが、「勝手ながら」とは、どういった状況で使うべき言葉なのでしょう。目にすることは多い言葉でも、その本来の意味や使い方が理解できているとは限りません。「勝手ながら」の意味と使い方について、確認してみましょう。

「勝手ながら」の敬語表現

「勝手ながら」は、「自分の都合による判断であることを、表明する言い回し」とされている言葉です。「勝手なことだが」といった意味合いで用いるとされていますが、実際には、会話や文章のクッション材として使われています。相手の都合を事前に聞かずに進めた事項に対し、相手の理解や了承を得やすくするように、「勝手ながら」と前置きしてから本題に入ります。

「勝手ながら」は、自分のことをへりくだって伝える「謙譲語」です。しかし、その後には、尊敬語の文章でも丁寧語・謙譲語の文章でも続けることができます。使う相手に最大の敬意を払いたい場合は、「勝手ながら」の前に「誠に」をつけると、より丁寧な敬語表現となります。

「勝手ながら」の敬語での使い方

「勝手ながら」を敬語表現のなかで使用する場合は、先にご紹介したとおり、「勝手ながら」の前後にある文章表現を敬語表現にします。その他、「誠に勝手ながら」のように、「勝手ながら」の前に丁寧な言葉をおくことで、さらに敬語の表現に馴染む言い回しにすることができます。

敬語の種類

「勝手ながら」に続く言葉は、自分の行為・行動を表す言葉の場合と、相手の行為・行動を促す言葉の場合があります。「勝手ながら」自体は敬語の謙譲表現ながら、後続の文章が、敬語表現の中の尊敬語・謙譲語・丁寧語いずれの場合も使用可能です。「勝手ながら」と、自身の行動を「勝手」とへりくだったうえで、相手に対する依頼などを敬語表現で続けます。

ビジネスのなかでは、必ずと言っていいほど、敬語が使われます。その種類としては尊敬語・謙譲語・丁寧語がありますが、その際に、相手を気遣う心遣いが感じられる言葉を使うと、さらに好感が持たれます。このような言葉は「クッション言葉」と呼ばれており、ビジネスのなかでは多用されています。「勝手ながら」はクッション言葉として使える言い回しです。

クッション言葉

クッション言葉とは、相手に何かをお願いをするとき、お断りをするとき、異論を唱えるときなどに、使用する言葉です。お願い、お断り、異論という、言い方を間違えればトラブルになりかねない内容を話し始めるときに、クッション言葉を置くことで友好的な交渉ができます。

直接的な表現を避け、相手の気持ちを思いやる、丁寧な印象を相手に与える効果があります。言いにくい内容を伝える際の前置きとして、相手に「断りを入れる」効果もあります。「ゴミは持ち帰ってください」というよりも、「勝手ながら、ゴミはお持ち帰りください」と言ったほうが、丁寧な忠告だとの印象を受けます。敬語ではありませんが、合わせて使うと効果的です。

使い方

「勝手ながら」を敬語として使用したい場合は、修飾したい文章の前置きとして「勝手ながら」から話を始めます。「勝手ながら」に続く文章は、状況にあった敬語を用います。

次のように、「ゴミは持ち帰ってください」に対し、「勝手ながら」をつける場合も、「ゴミは持ち帰ってください」は尊敬語・丁寧語・謙譲語、いずれの文章としても、文章が成り立ちます。

①勝手ながら、ゴミは持ち帰ってください
②勝手ながら、ゴミはお持ち帰りください
③勝手ながら、ゴミはお持ち帰りいただくよう、お願いいたします
④勝手ながら、ゴミは持ち帰らせていただきます。

①に対し、②の方が、②よりもさらに③の方が、丁寧さが増した使い方になります。④の場合は、自分の行動を伝えているので、謙譲表現になります。

メールでの使い方

メールは、文字でしか相手に情報を伝えることができないので、伝えたいことだけを記載すると、素っ気なく、感情の齟齬を生んでしまうことがあります。そのため、相手にとって心地よくはない内容を伝える場合は、会話時よりも丁寧な表現が必要になります。そんなときに便利なのがクッション言葉と敬語の合わせ遣いです。

メール相手に、締め切りを伝える場合や、依頼を行う場合など、自分の側から一方的に伝える印象がある内容については、「勝手ながら」を使うことで、「命令に近い依頼」と勘違いされないようにできます。

「勝手ながら」は多用しすぎないよう注意しましょう。メール文書の中では、本当に必要な1箇所で使うように心がけます。何かを依頼する場合ならば、依頼文の最初か最後の一文で「○○の件、勝手ながら、対応いただけますようお願いいたします」のように、文書の中でもっとも丁寧な一文として挿入します。

ビジネスでの使い方

ビジネスのなかで、相手に依頼する言い回しには「勝手ながら」を使うと、命令調ではなくお願い調の言い回しになるので、コミュニケーションの摩擦が緩和できます。会話の場合も、「勝手ながら」を多用しすぎると、むしろ誠意のない言葉に聞こえるので、使用する頻度は気にかけておいた方が良いでしょう。

ビジネス・メールでの使用例

メールやビジネスにおいて「勝手ながら」がよく使われている状況と文例をご紹介します。「勝手ながら」は基本的に、相手に対する依頼の際に使う言葉として覚えておくと良いでしょう。

【文例】
・誠に勝手ながら、本日は体調が優れないので欠勤させてください
・勝手ながら、当日の駐車場が十分にございません。公共の交通機関の利用をお願いいたします。
・勝手ながら、申し込み締め切りは○月○日とさせていただきます。
・誠に勝手ながら、弊社では1月1日から4日までを休業とさせていただいております。

「勝手ながら」を敬語表現するときの例文

「勝手ながら」をいろいろな敬語の文章の中で使用する際の文例をご紹介します。使用する状況や相手に合わせ、「勝手ながら」を別の言葉に言い換える場合の文例についても、合わせてご紹介します。「勝手ながら」を実際に使う状況というのは似通っているので、文例を覚えておくと、実際の現場で流用や応用することができます。

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初回公開日:2018年04月07日

記載されている内容は2018年04月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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