「勝手ながら」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年10月08日
誠に勝手ながら
敬語の中で「勝手ながら」を使用する際に、「誠に勝手ながら」と「誠に」を加えることで、さらに丁寧な表現になります。相手に対する敬意を強く伝えたい場合には、「勝手ながら」ではなく、「誠に勝手ながら」として、敬語のクッション言葉として使うのがです。
【文例】
・誠に勝手ながら、申し込みは締め切らせていただきました。
・誠に勝手ながら、その日の会議は欠席させていただきます。
・誠に勝手ながら、本日は臨時定休日とさせていただきます。
・誠に勝手ながら、先日のお申し出は辞退させていただくことになりました。
恐縮ですが
「勝手ながら」と類似の意味で、「恐縮ですが」を使用することもできます。「恐縮ですが」は、「勝手ながら」同様、クッション言葉となる言い回しなので、敬語と併用すると柔らかい文章になります。
【文例】
・恐縮ではありますが、申し込みは締め切らせていただきました。
・恐縮ですが、その日の会議は欠席させていただきます。
・恐縮ですが、本日は臨時定休日とさせていただきます。
・恐縮ですが、先日のお申し出は辞退させていただくことになりました。
勝手とは存じますが
「勝手ながら」の表現を、さらに丁寧にするため「勝手とは存じますが」を使うことも可能です。「存じます」は、敬語の中でも謙譲表現にあたり、「勝手ながら」という自分の気持ちを、さらにへりくだって伝えることができます。
【文例】
・勝手とは存じますが、申し込みは締め切らせていただきました。
・勝手とは存じますが、その日の会議は欠席させていただきます。
・勝手とは存じますが、本日は臨時定休日とさせていただきます。
・勝手とは存じますが、先日のお申し出は辞退させていただくことになりました。
「勝手ながら」の別の敬語表現例
「勝手ながら」と全く同じ意味ではありませんが、似た意味として使用可能な場合もある敬語があります。これらは、クッション語としても使える敬語として、「僭越ながら」「恐れながら」という言い回しもあります。それぞれの文例から、「勝手ながら」との類似点、相違点のニュアンスを感じてみましょう。
僭越ながら
かしこまった席で行われるスピーチの冒頭で、「大変僭越ながら、スピーチを努めさせていただきます○○です」という表現を耳にしたことがあるのではないでしょうか。「僭越」とは、「自分の身分・地位を越えて、出過ぎた事をすること」を意味する熟語です。
「身分・地位を越える」という意味があることから、「僭越ながら」を使う状況は、「自分よりも役職の上の人などを差し置いて」「目上の人を相手に意見を述べる」「何らかの出過ぎた振る舞いについて」という限られた場になります。自分の立場をへりくだった表現なので、敬語の中の謙譲語として使われる言葉です。
【文例】
・僭越ながらその件について、私の意見を申し上げてもよろしいでしょうか
・僭越ながら本日の司会を務めさせていただきます
・ただいま、ご紹介に預かりました鈴木でございます。僭越ながら一言ご挨拶を述べさせていただきます
恐れながら
「恐れながら」は、「恐縮ですが」と同義語です。「恐れながら申し上げます」など、主に目上の者に意見するときに使われる言葉です。「失礼ながら」「はばかりながら」なども同じ意味で使用可能です。
そのまま伝えてしまうと、目上の者に対して失礼にあったり、失礼な印象を与えてしまう恐れのあるときに、「恐れながら」を使います。「勝手ながら」を使っている場面でも、使えることがあります。
「恐れながら」は、以上の意味・使い方からも、友人などの同輩には使われない、敬語の中のみで使われる言葉であることがわかります。
【文例】
・恐れながら他の部門とも調整いただき、再度ご提案いただけますでしょうか
・恐れながら、至急ご対応いただけますよう、お願い申し上げます
・恐れながら、その件についてはこちらで再度検討させていただきます。
ご面倒をおかけしますが
「ご面倒をおかけしますが」も「勝手ながら」と同じクッション語として使うことができます。伝えられるニュアンスは、「ご面倒をおかけしますが」と「勝手ながら」では若干異なります。
【文例】
・ご面倒をおかけいたしますが、○○の件、何卒お願いいたします
「ご面倒おかけしますが」よりも少しカジュアルな言い回しになりますが、「お手数をおかけしますが」「お手数ですが」も同じ意味で使うことができます。いずれも「おかけする」という点から、敬語の謙譲語にあたります。
「勝手ながら」を上手に使って円滑な関係に
「勝手ながら」とその類義語は、敬語のクッション言葉として、会話を柔らかく進めることができる便利な言葉です。きつくなりがちなビジネスの会話では、敬語を使って相手に敬意を払うだけでなく、「勝手ながら」などのクッション言葉を上手に使って、円滑なコミュニケーションに役立てましょう。
初回公開日:2018年04月07日
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