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「いらっしゃいますか」は正しい敬語なのか・使い方・返答方法

更新日:2024年03月14日

何かを尋ねる時に用いられる「いらっしゃいますか」という言葉。「敬語表現として正しいの?」と疑問を感じたことはありませんか?敬語は曖昧にしたまま使っていると恥をかく可能性が高いです。今回は「いらっしゃいますか」についてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

相手のことを尋ねる場合はどうする?

電話や訪問先などで相手のことを尋ねなければいけない、そんな場面に遭遇したことはありませんか。きっと、誰しも一度は経験したことがあるでしょう。家族や友人相手に尋ねるのならば「○○さん、いる」というように軽い問い方でも問題はありません。しかし、ビジネスや改まった場でこんな問い方をしていては相手に対して失礼です。

では、相手に失礼な奴だと感じさせないためにはどうしたらいいのでしょうか。まず、一方的な物言いは避けましょう。また、間違った言葉や若者言葉も使ってはいけません。相手を尊重する言葉、つまり正しい敬語を使うことが相手に対する礼儀になります。

皆さんは相手を尋ねる時に使う敬語についてご存知でしょうか。ここからは、相手を尋ねる時に使う敬語について、具体的にご説明いたします。

「いらっしゃいますか」は正しい敬語?

「○○さんは、いらっしゃいますか」というフレーズを耳にしたことはありませんか。相手のことを尋ねる時によく用いられる言葉の一つです。この「いらっしゃいますか」という言葉、相手のことを尋ねる敬語としては正しい表現なのでしょうか。

「○○さんは、いらっしゃいますか」という言葉は、言い換えると相手がそこに「いる」のかを尋ねています。したがって、相手がそこにいるのかを尋ねたい場合には「いる」の敬語表現を用い、なおかつ疑問形に変えなければいけません。

「いる」の敬語表現とは?

「いる」の敬語表現には「いらっしゃる」や「おいでになる」、「おる」があります。しかし、これらの表現が全て使えるわけではありません。なぜならば、敬語には尊敬語と謙譲語があるからです。

尊敬語とは「相手側」のことを言う時に用いる言葉です。一方、謙譲語とは「自分側」のことを言う時に用いる言葉です。先ほどの例で考えると、「いらっしゃる」と「おいでになる」が「尊敬語」に、「おる」は「謙譲語」にあたります。

今回の場合、自分側ではなく相手側のことを尋ねているので「尊敬語」を用いなければいけません。つまり、「いらっしゃる」や「おいでになる」といった言葉を使います。これらの言葉を疑問形に変えると「いらっしゃいますか」や「おいでになりますか」となり、「いらっしゃいますか」は、相手を尋ねる時に使う敬語として正しいと言えるでしょう。

「いらっしゃいますか」の使い方を知ってる?

「いらっしゃいますか」が相手を尋ねる時に使う敬語として正しいことは分かりました。しかし、開口一番に「○○さんは、いらっしゃいますか」と尋ねても良いわけではありません。場面ごとには決まった順番があります。その順番を守ってこそ、「いらっしゃいますか」を正しく使いこなせていると言えるでしょう。

次は、場面ごとに「いらっしゃいますか」の正しい使い方についてご説明いたします。しっかりと学び、マナーを身につけましょう。

電話で「いらっしゃいますか」を使いたい時

スマートフォンが普及する時代、「用件のある人物のスマホに直接電話をかければいい」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際にビジネスでは、取引先の会社に電話をかけなければいけないことも多く、その時にマナーのあるやり取りができなければ印象が悪くなります。では、電話におけるマナーとは何でしょうか。

電話のマナーを知ってる?

まず、相手のことを尋ねる前に名乗るようにしましょう。「○○会社の××と申します。いつもお世話になっております」というように、「会社名」と「自分の名前」、それから「挨拶の言葉」を述べます。

次に電話に出た人物の確認をしなければいけません。「○○様でいらっしゃいますか」というように、「用件のある人物の名前」を言い尋ねます。相手が直接電話に出ていた場合はそのまま用件を話せますが、違う場合には取り次いでもらわなければいけません。「△△部の○○様はいらっしゃいますか」というように、「相手が所属する部署」と「相手の名前」を言い尋ねましょう。

取り次いでもらう時に相手の不在が判明する場合もあります。伝言を頼む場合は「○○様に伝えておいてもらえますか」というような言葉は使わず、「恐れ入りますが、○○様にお言伝をお願いしてもよろしいでしょうか」というように丁寧な言葉でお願いをしましょう。

メールでの「いらっしゃいますか」の使い方

メールでは相手が自分の話したい相手かを確認する必要はありません。したがって「いらっしゃいますか」はメールでは使われなさそうに感じますが、しかし、相手の予定や自分の知らない情報を尋ねたい場合には「いらっしゃいますか」が用いられる場合もあります。なぜならば、「いらっしゃいますか」は「行く・来る」の尊敬語でもあるからです。

例えば、相手が自分の会社に来る時です。何時ごろ来るのか、相手の予定を尋ねたい場合には「○○様は、いつ頃いらっしゃいますか?」というような使い方ができます。また、何人ぐらいで来るのか、どんな交通手段を使って来るのか、などを尋ねたい場合にも「いらっしゃいますか」を用いて尋ねることができます。

「いらっしゃいますか」と「おられますか」の違い

相手を尋ねる時に「○○様はおられますか」と尋ねる方が多くいらっしゃいます。実はこの敬語の使い方は正しくありません。なぜかというと、「いらっしゃいますか」と「おられますか」は種類の異なる敬語だからです。

「いらっしゃいますか」は、「いる」もしくは「来る」の尊敬語「いらっしゃる」の疑問形になります。したがって、主語が相手側の時に用いる敬語になります。

一方「おられますか」は、「いる」の謙譲語「おる」の疑問形になります。したがって、主語が自分側の時に用いる敬語になります。

つまり「○○様はおられますか」という敬語は、主語は相手側にもかかわらず、謙譲語を使っていることになります。このような誤った敬語の使い方をしていると、失礼だと感じる方もいらっしゃいますので、尊敬語と謙譲語の使い分けがしっかりできるようになりましょう。

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初回公開日:2018年04月10日

記載されている内容は2018年04月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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