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2018年05月15日

解雇通知書に解雇理由は必要か・アルバイト・もらえない場合

解雇通知書は会社や従業員にとってリスクが高くトラブルになりやすい問題です。会社側は対応を間違えると不当解雇として賠償金を求められるケースもあります。そのため、会社のためにも従業員本人のためにも解雇通知書についてしっかり理解しておく必要があります。

解雇通知書に解雇理由は必要なのか

解雇とは会社などの使用者が従業員に対して、一方的な意思表示によって労働契約の解除を行う行為であり、その使用権は労働基準法や労働組合法などに制度的な制約をが加えられています。また解雇を行う場合、解雇通知書を解雇の30日以上前までに従業員へ渡すことが求められています。

この解雇通知書には解雇理由の記載が必要なのかという事を、使用者側から見た解雇通知書の書き方や渡し方などとともに解説します。

解雇通知書が必要な理由

冒頭でも解説しましたように、解雇とは従業員が同意していないのに会社が一方的に辞めさせる行為であるため、解雇された従業員からの訴えなど、不当解雇トラブルといったリスクを常に伴うことになります。

そのため、どういった理由が解雇への判断と至ったのかという理由付けが必要です。従業員の能力不足や会社の経営難が理由なのか、あるいは就業規則に対する規律違反を理由とした規律違反に対する制裁が理由なのかにもよります。

一般的に、前者は普通解雇、後者を懲戒解雇と言われ、普通解雇は元より、特に懲戒解雇の場合は必ず就業規則に基づくことが原則とされています。

また、解雇された従業員側にとっても失業保険の給付要件に関わってきます。自己都合退職と解雇では失業保険の給付金額に違いが出て来ますし、解雇内容によっては失業保険の給付資格要件に関わって来るため、解雇通知書に記載される解雇理由は重要です。

解雇通知書の書き方

解雇通知書に解雇理由は必要か・アルバイト・もらえない場合

解雇通知書を書く場合、解雇理由を含め、書かなければいけない事項がいくつか存在します。この項では、使用者側から見た、解雇通知書に記載しなければいけない事項を挙げながら解説していきましょう。

解雇する従業員の氏名

解雇通知書には解雇する従業員の氏名を記載します。少し細かい話になってしまいますが、従業員の氏名を記載する時は、入社時に提出した履歴書を見て氏名を記入する方が良いでしょう。解雇通知書に誤って記入された氏名を見て、「この解雇通知書は自分に対してのものではない」と無効を主張される可能性は皆無とは言い切れません。

また、解雇通知書は会社側からの正式な書類であるという意識付けをする意味でも、従業員の氏名は一字一句正確に記入することは重要となって来ます。

社名・代表者名

解雇通知書には、社名とともに代表者名を記載し社印を捺印する形が通常の形式となります。社名と代表者名の記載の部分は、会社の所在地や会社名・代表者名の入った横版などを公式に使用しているときは、そちらを使用しても問題はありません。

解雇する日

解雇通知書というからには、何年の何月何日付で解雇するのかという項目は、当然にして必須でもある記載項目です。日本国内においては、何年の部分は元号で書くのが一般的ですが、最近は西暦での記載であっても正式な書面として通るようになってきておりますので、そのあたりは会社の通例に倣っての記入が通例となっています。

また、解雇の場合30日以上前に予告することが決められているため、解雇する従業員へ渡す手段によって日付を設定する必要があります。直接手渡す場合は手渡す日の30日以上前の日付に、郵送する場合は郵送に要する日数も考えた上で30日以上前の日付になるように、それぞれ設定されることが一般的です。

なお、この30日という日数の規定は、従業員が解雇通知を受け取った日の翌日から数えて30日となりますので、会社の休日を含めた暦どおりの日数で問題はありません。

解雇理由

前述にもありますように、普通解雇と懲戒解雇とでは、解雇された従業員が後に給付される失業保険の額や、その先の再就職活動などにも影響が出て来ますので、解雇通知書における解雇の理由についての記載は必須と考えた方が良いでしょう。また、使用者側としても解雇が「社会通念上相当である」ことを立証する意味でも、解雇理由の記入はすべきです。

この解雇理由には、労働基準法第16条にある「社会通念上相当であると認めらない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」という条文が示すように、社会的相当性と客観的な合理性が無ければなりません。単純に「仕事を覚えるのが遅い」とか「上司との相性が悪い」といった理由ですと、解雇無効を主張されることもあり得ますので、注意が必要です。

該当する解雇理由を定めた就業規則の条文

多くの会社には就業規則があり、その就業規則には解雇理由を定めた条文が必ず記載されています。また、使用者側が解雇する場合も、従業員に対して解雇理由に該当する条文をあらかじめ明示しておく必要があります。

それは解雇通知書でも同じで、解雇する際の理由が就業規則のどの条文に該当するのかを記載することが通例となっています。解雇された理由と就業規則に書かれている内容が一致していない場合、その解雇は無効となる可能性が大きくなりますので注意が必要です。

解雇する旨が確定的な意思表示の文言

解雇通知書には、解雇することについての確定的な意思表示を記載する必要があります。一般的には「解雇します」という表現が多く使われています。ただしこの場合、「来月の売上が〇〇円以下ならば30日後に解雇します」とか「態度を改めなければ30日後に解雇します」といった、条件付きの解雇予告のような形式は認められていませんので、注意しましょう。

解雇通知書の作成日

解雇通知書の作成日は、解雇する従業員に解雇通知書を渡す日を記載するのが一般的となっています。従って従業員に直接手渡しする場合はその日が、郵送する場合は会社から発送する日が解雇通知書の作成日となります。

解雇通知書の書式

解雇通知書は記載すべき事項に漏れが無ければそれでよく、特にこの形式でなくてはならないといった決まり事は法律上存在しません。解雇通知書の書き方の関するサイトは多く存在し、同様に解雇通知書の書式に関する記事も多く存在します。

下記に、数あるサイトの中のひとつを参考までに引用させていただきました。解雇理由や就業規則の条文などについては自社のものを参考に記載すれば良いでしょう。また、あまり事例のない形ですが、「即日解雇」といった場合の解雇通知書のサイトもありましたので、併せて引用させていただきます。

解雇通知書と解雇理由証明書の違い

解雇の際に発行する書類として、解雇通知書または解雇予告通知書と並んで解雇理由証明書というものが取り上げられます。これは平成15年の労働基準法改正により、解雇に関するトラブル防止の観点から義務付けられたもので、解雇理由証明書は解雇通知書より具体的な解雇理由の記載が必要です。

その際、単に「就業規則第〇条により」といった条文の記載だけでは不十分であるとされ、解約した側、つまり会社側のより具体的な事実の記載が求められています。また、解雇通知書は解雇の期日など解雇までの予告期間に重点を置かれているのに対し、解雇理由証明書は解雇の理由となった「主文」となる部分に対する証明となります。

解雇理由証明書は、解雇を言い渡された際に従業員側が請求できる権利でもあり、解雇された側が解雇に対する不当性の有無をチェックする書類でもあるため、速やかな発行とともに慎重な姿勢が要求されます。

解雇通知書はパート・アルバイトでも必要か

所定労働時間が同じ事業所に雇用されている正社員と比べて短い労働者とされているパートタイマーやアルバイトといった労働者であっても、解雇する場合は解雇通知書は必要となります。

そもそもパートタイマーとかアルバイトといった呼称は、あくまでも使用する会社側の恣意性によるものであり、それが理由で解雇しやすいと考えることはナンセンスです。当然、パートタイマーやアルバイトにも労働基準法に定められた解雇のルールが適用されますし、それに伴う解雇通知書の発行も必要となります。

一定条件の有無

とは言え、過去の判例において、有期あるいは無期といった契約の形態や業務の恒常性の程度、あるいは地位の基幹性の程度などから、正社員に優先してパートタイマーやアルバイトを優先的に解雇できるとした例もあります。

ただし、パートタイマーやアルバイトに雇用契約期間の定めがある場合は、契約期間途中での解雇はやむを得ない事由がある場合でなければできないとされており、正社員より身分が保証されていることもあります。

パートタイマーやアルバイトに雇用契約期間を定めている場合は、契約満了後に契約更新を定めないなどの形で、会社側が契約更新を行わない意思を明確に通知しておけば解雇予告としての効力を持つことになります。

ただし、その場合にも契約更新ができないことに対する相当な理由が必要となりますので、過去の判例をベースとした労働基準法第19条の条文などを参考にすると良いでしょう。

解雇通知書の請求方法

労働基準法第20条1項において、「解雇の予告がされた日から退職までの日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は遅滞なく交付しなくてはならない。」と記載があり、この条文から鑑みて、解雇通知書を貰うタイミングは、口頭などで解雇予告の通達を受けた地点でというのが一般的となります。

例えば口頭などで「明日から来なくていいよ」などといった文言を言われた場合、その言葉が解雇であるか否かの確認をした上で、解雇の予告であるとするのなら、当然ながら解雇通知書の請求が可能となります。

ただし、退職日より後に解雇通知書を請求しても貰う事は不可能です。解雇通知書を貰う場合は、必ず解雇を言い渡された日から実際に退職をする日までの間に貰うようにしましょう。

解雇通知書がもらえない場合

解雇通知書に解雇理由は必要か・アルバイト・もらえない場合

解雇の宣告を受けた際に解雇通知書を発行してもられれは問題はないのですが、口頭で告げられたのみで、書面の発行をしてもらえない場合、労働者側は解雇理由証明書の発行を請求でき、請求された使用者側は遅滞なく交付する義務が生じます。これは労働基準法第22条において取り決められており、使用者側はいかなる理由があっても拒むことはできません。

使用者(会社側)がどうしても発行してくれない時は、使用者の労働基準法違反を労働基準監督署に申告し、強制的に発行してもらうことも可能ですが、このような手段を取った場合、会社側に警戒されることも考えられますので、どうしても発行してくれない場合の最終手段として考えておいた方が良いでしょう。

試用期間でも解雇通知書はあるのか

試用期間中での解雇には、採用決定した後の会社側の調査や試用期間中の勤務態度などにより、当初知らなかったような事実が判明し、引き続き雇用しておくことが適当でないと判断できることが相当である場合に認められます。

労働基準法に、試用期間当初14日以内の解雇を行う際の解雇予告は不要とされており、多くに場合、その際の解雇通知書の発行は不要と解釈されています。しかし、14日で前述のような判断をしたら、またその材料を集めることは難しく、14日以内の解雇は重大な就業規則違反などの場合に限られると考えて良いでしょう。

この14日を過ぎた場合は、他の労働者のケース同様、30日以上前に解雇の予告を行う、若しくは短縮した日数分の解雇予告手当の支給といった手続きが必要となります。したがって、試用期間中に解雇となった従業員が解雇通知書を請求してきた場合は、労基法に則って速やかに発行しなくてはなりません。

試用期間終了後の解雇

「雇い入れ時に3カ月の試用期間が設定してあったので、試用期間中の勤務態度に問題があったから3カ月経過したらそのまま契約終了で退職させる」という主張をする企業なども中にはあるようですが、解雇通知書も発行せず解雇予告もしないこの方法は問題があります。

試用期間が法的に有効となるには、雇い入れ時に労働契約書などで試用期間としての雇用であることの明示と、就業規則などで試用期間中の解雇事由を明らかにした場合になります。当該従業員に知らせず前述のようなことを後付けで主張したとしても、それは有効にはなりえません。

雇い入れ時に明示が無く、試用期間終了と同時に解雇(退職)となる場合も、当然ながら予告が必要ですし、そのような解雇に対して解雇通知書の発行や予告手当と言った手続きは必要となりますし、請求があれば解雇理由証明書の発行も速やか行わなくてはなりません。

解雇通知書は解雇を証明する大事なもの

解雇は従業員を雇う使用者側が労働者に対し一方的に労働契約を解除できるという、強者側が優位となる性質であるために、その方法などについては厳密かつ慎重な形になるよう、法律上で取り決めがなされています。

解雇通知書や解雇理由証明書といった解雇に関する書面は、解雇の経緯に問題が無かったのか、あるいは解雇そのものが社会通念上やむを得ない結果だったのかを証明するためにも重要な書類となります。

決して頻繁に行われるべきものではありませんが、もし解雇に直面した場合は、書面の発行は必ず請求することと、請求された会社側は正社員やアルバイトと言った職位に関係なく、その請求を拒むことができないことを念頭に対応していきましょう。

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