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2018年03月30日

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親の扶養に入るとか親を扶養に入れる時の条件にはどうようなことがあるのでしょうか。別居している親の場合や、扶養に入れると税金や年金、健康保険などはどうなるのかなどのメリットやデメリット、扶養に入れる手続き方法など関連する事項を含めて紹介します。

扶養家族とは

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

扶養家族というのは、収入が少なくて生活面で助けてもらう必要がある家族のことです。働き世代の人については、収入が少なくて生活を助けてもらうために親に扶養してもらう場合と、収入がなかったり少ない親の面倒をみるために扶養する場合の2つがあります。

また、扶養家族には大きく分けると税法上の扶養家族と、健康保険上の扶養家族の2つがあります。それぞれ定義と扶養家族の要件も異なります。

税法上の扶養家族

所得税では控除対象になる扶養家族がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられます。これは配偶者控除とは別で、扶養家族に対しての控除です。税法上で控除対象の扶養家族になるためには、12月末の時点で次の4つの要件を満たしている必要があります。

・配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)であること。
・納税者と生計を一にしていること。
・年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)。
・青色申告者または白色申告者の事業専従者でないこと。

以上の要件が所得税法に定められ、その年の所得税の控除対象者になることができます。住民税も同じような要件で控除が受けられますが、住民税の場合は前年度の要件を満たしているかが控除の対象になります。

税法上の扶養控除は、親を扶養家族にすることで得られる特典になります。要件を満たしているか確かめてみましょう。

健康保険上の扶養家族

健康保険上の扶養家族の範囲は、健康保険法で次のように規定されています。

・配偶者、子、孫、弟妹、父母などの直系親族
・上記以外の3親等内の親族(義父母・兄姉など)で同居している人
・内縁の配偶者の父母、連れ子で同居している人(内縁の配偶者死亡後も認められる)

上記の3条件のいずれかに該当すれば扶養家族の範囲となります。また、扶養家族となるには次のような収入の限度額が設けられています。

・60歳未満の場合は年収が130万円未満で、かつ保険料を払っている被保険者の年収の2分の1未満であること。また、保険料を払っている被保険者から仕送りを受けている場合は、130万円未満の年収が仕送り額より少ないこと。

扶養家族の親族の範囲と年収の限度額をクリアすれば、扶養家族になることができ、保険料の負担なしで健康保険に加入することができます。親の扶養家族になる条件を満たしているか確認しましょう。

親の扶養に入る条件

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親の扶養に入る時に、税法上の扶養家族の場合は扶養される人には特にメリットは発生しません。健康保険上の扶養家族になれば、保険料なしで健康保険に入ることができるメリットが発生しますので、その場合の扶養家族になれる条件をもう一度確認してみましょう。

健康保険上の扶養家族の条件の注意点

扶養家族として認められる親族の範囲では、親子という直系の親族なので何の問題もありません。年収の限度額は130万円未満ですが、この年収には交通費などの諸手当とボーナスも含まれ、親の年収の1/2未満である必要があります。

130万円を月割にした108,334円未満を月額基準額と言いますが、3ヶ月連続してこの月額基準額を超えると最初に超過した月の一日にさかのぼって、月額基準額以上の収入があったとみなされて認定が取り消されます。また、連続する3ヶ月の平均が月額基準額を超えた時も月額基準額以上の収入があったとみなされ、その平均を超過した最初の月の一日から認定が取消されます。

年収の限度額と月額基準額をクリアすれば、親の扶養家族に入ることができます。

別居している親の扶養に入れるのか

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親と別居している場合でも条件を満たせば扶養家族として認められます。その条件は次のようになっています。

同居していなくても認められる親族の範囲は
・父母、祖父母、曾祖父母
・妻、夫(双方に戸籍上の配偶者がいない場合は内縁関係でもよい)
・子、孫、弟妹
となっているので、親と子の場合は同居していなくても何の問題もありません。

同居していなくても認められる年収は130万円未満が条件ですが、同居していない場合は次の条件が加わります。
・130万円未満の年収が、被保険者からの仕送り額よりも少ないこと
つまり、同居していない親の扶養に入るには、親からの仕送りを受けてその金額が自分の年収より多くなければなりません。

なお、この仕送り額の条件は健康保険上の扶養家族の場合で、所得税など税法上の扶養家族の場合は仕送りを行なうことは条件になっていますが、仕送り額についての明確な基準は定められていません。

親の扶養に入るメリットとデメリット

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

条件を満たせば親の扶養に入ることができることがわかりましたが、親の扶養に入ることによるメリットとデメリットは何なのかをみてみましょう。

親の扶養に入ることのメリット

親の扶養に入ることのメリットは健康保険上のメリットで、健康保険料を支払わなくても健康保険に加入することができます。扶養になる条件の年収130万円での健康保険料は毎月約5500円程度です。この保険料を払わなくて医療費3割負担の健康保険制度に加入できるのは大きなメリットでしょう。

健康保険の他に社会保険には厚生年金がありますが、厚生年金で扶養家族として年金保険料が免除されるのは、国民年金第3号被保険者に該当する人で会社員などの厚生年金第2号被保険者に扶養されている配偶者とされています。親の扶養に入る場合は親子関係ですから、この厚生年金の扶養制度の対象にはなりません。

親の扶養に入るということは、親に生活を支援してもらうということですから、生活そのものも楽になるということが実質的な大きなメリットでしょう。また、親の所得税などの控除金額が増えるのもメリットになります。

親の扶養に入ることのデメリット

親の扶養に入ることのデメリットは、直接的に損失が出るというようなことはありませんから特には無いと言えるでしょう。

ただ、年収制限がありますから、本来はもっと働いて収入を得ることができるのにそれができない、収入機会の損失はデメリットとも言えます。また、一人の社会人として独り立ちすべき年齢や立場にいるなかで、親の扶養、支援を受けていることへの周囲の人などからのいろいろな指摘や非難などが、心理的な負担になることもデメリットと言えるでしょう。

親の扶養に入っている場合の年金や健康保険

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親の扶養に入っている時の年金や健康保険は、前項までに説明したように健康保険料の支払いは不要になります。年金は親に扶養してもらうことによって特典はありませんが、年収が低いので保険料の免除の対象になる可能性があります。

年金の保険料免除制度

親の扶養に入っている人は、年収制限からバイトやパートで働いている人が主なので、厚生年金ではなく国民年金に加入しているはずです。国民年金の保険料は一律で、平成30年では月額16,900円になっています。国民年金には、失業した人や学生、収入が低い人に対する減免制度があります。

単身世帯では、年収が122万円以下の人は全額免除、158万円以下の人は3/4が免除になります。ここで注意しなければいけないことは、親の扶養を受けて同居している場合でも同一世帯になっていると、同一世帯の人の年収が基準になってしまうことです。世帯を分けて単身世帯になっていないと、この減免制度は適用されません。

減免の手続きは、居住する自治体役場へ「保険料免除・納付猶予の申請書」を年金手帳あるいは基礎年金番号通知書とともに提出します。場合によって、前年所得を証明する書類などが必要になります。

親の扶養から外れる条件

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親の扶養から外れる条件は、親の扶養に入る条件を満たすことがなくなることと同じことです。税法上の扶養条件では年間給与収入が103万円以下、健康保険上の扶養条件では年収が130万円未満が主な条件になります。ですから、この年収基準を上回ると親の扶養からは外れることになります。

税法上の扶養を外れる手続きは、親が会社員の場合、年末に提出する「扶養控除等異動申告書」の1年間の所得見込み額を記入する欄に103万円を超える金額を記入すれば扶養の対象から外れることになります。

健康保険上の扶養を外れる場合は、まず親の会社に「被扶養者の異動届」を提出し扶養から外してもらう手続きをします。異動届を提出すると、会社から「健康保険資格喪失証明書」が発行されます。

新たな国民健康保険の加入手続きは、「健康保険資格喪失証明書」と印鑑で自治体の役場ですませることができます。

親の扶養に関する義務

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

民法の877条には、「直系血族及び兄弟姉妹はお互いに扶養する義務がある」としています。つまり、子供に限らず親、兄弟の扶養義務がお互いにあるということです。

しかし、親の扶養は義務ですが厳格な処罰内容が規定されているわけではなく、自分の生活が第一で経済的な余力があれば助けてあげるといった程度です。義務はあるのですが、事情によって扶養できないというのは仕方がありません。

また、兄弟姉妹がいる場合の親の扶養の分担については同等に負うことになります。長男だから扶養しなければならないといったことはありません。扶養義務というのは金銭的なことというわけではなく、介護などやなんらかの手伝いをするというのも扶養にあたります。

親を大切にするという心構えが親を扶養する義務の基本ではないでしょうか。

親を扶養に入れる条件

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親を扶養にいれる条件は、親の収入が主になります。税法上の扶養の場合は、親の年収が103万円以下、健康保険上の扶養の場合は親の年収が130万円未満で、被保険者つまり子供の年収の1/2未満であれば扶養に入れることができます。なお、親が年金受給者の場合は年金の非課税枠があるので扶養できる親の年収はさらに増えます。

親が年金受給者の場合

親が年金受給者の場合、公的年金には基礎控除の38万円の他に、65歳未満では70万円、65歳以上では120万円までの非課税枠が設けられています。

税法上の扶養家族の条件は、この基礎控除と非課税枠を合わせた年収以下ということになります。
・65歳未満は108万円以下の年収
・65歳以上は158万円以下の年収
が条件になりますが、これは親の収入が年金収入のみの場合です。給与収入や家賃収入などがあると扶養の対象から外れてしまいますので注意してください。

健康保険上の扶養家族の条件は、60歳以上の場合で180万円以下の年収でかつ被保険者の年収の1/2未満であることということになります。なお、75歳以上の親は健康保険上の扶養家族とすることはできません。一般的に、健康保険上の扶養家族の加入条件審査は、税法上の条件よりも厳しいので、この条件を満たしていても扶養に必ず入れるとは限りません。

別居している親を扶養にできるのか

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

別居している子供が親の扶養に入れるように、別居している親を扶養に入れることもできます。健康保険上の扶養の場合、別居している親への仕送り額などの条件が厳しくなっています。

健康保険上の扶養では、親の年収は130万円未満、60歳以上の親で180万円以下ですが、いずれの場合も別居している時は、親の年収以上の仕送りをしているという実績が必要になります。それだけの額を仕送りしていれば、本当に扶養していると言えるでしょう。仕送りの事実を証明できる振り込みの控えや現金書留の控えなどが必要になります。

親を扶養に入れるメリットとデメリット

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親を扶養に入れることは、実質的に経済的にも親を支援することになりますから大変なことですが、扶養に入れることによるメリット、デメリットをみてみましょう。

親を扶養に入れるメリット

親を扶養に入れると、税法上の扶養の場合では所得税や住民税にその分の扶養控除が発生し税金が安くなります。また、確定申告などで行なう医療費控除では世帯全体の医療費で申告することができるので、還付金額が増える可能性があります。

健康保険上の扶養の場合では、親の健康保険料が不要になりますので世帯全体の支出が減るメリットがあります。

また、健康保険の高額療養費制度は入院や手術で医療費が高額になった場合に1ヶ月間の医療費に上限を設けて医療費の負担が増えないようにする制度ですが、扶養家族の医療費は合計して申請できる「世帯合算」という特例があるのでこの制度を利用するチャンスが広がります。

このようなメリットがありますから、扶養の条件を満たしていれば扶養の手続きを進めることをおすすめします。

親を扶養に入れるデメリット

親を扶養に入れることによるデメリットは、特にはありません。しいてあげるなら、特に健康保険上の扶養の場合は、本当に扶養しているという実績が必要になりますので家計が大変になります。

同居している場合は、親の年収の2倍以上の年収でなければなりませんし、別居している場合は、親の年収と同額以上の仕送りをしているという実績が必要になります。健康保険上の扶養のメリットと比較して、金銭の損得だけで考えた場合には親の扶養は見送ったほうがよいという意見もあります。よく考えて決めましょう。

親を扶養にいれる手続方法

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親を扶養に入れる手続きは難しくはありません。税法上の扶養も健康保険上の扶養も会社の総務などの担当部署で行なうことができます。

・税法上の扶養の手続き
会社の年末調整の際の書類「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入し、親の収入の状態がわかる課税証明書や非課税証明書、源泉徴収票、戸籍謄本、住民票などを12月中に添付、提出します。

・健康保険上の扶養の手続き
健康保険の場合は12月というような期限はなく、いつでも手続きができます。「健康保険被扶養者(異動)届」、課税(非課税)証明書、戸籍謄本、住民票などの他、別居の場合は仕送り証明や仕送り額が確認できるものが必要になります。新しい保険証ができた時点で、親の持っていた国民健康保険証は自治体に返還する必要があります。

親の扶養の控除方法

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親の扶養による控除は、税法上や健康保険上の扶養についても前項で示した手続きをしていれば、他に特に何かすることはありません。毎月の給与明細の所得税や住民税、健康保険料などが源泉徴収された、つまり控除額も含めて天引きされた金額になっています。

主として会社員は年末調整の扶養申告書類を年内に提出しますが、扶養される人の年間所得金額は12月31日に確定します。申告内容と確定後の金額が異なる場合は確定申告が必要になります。確定申告では「扶養控除等(異動)申告書」に記入して提出します。

会社員が確定申告する時は、年末調整時の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のコピーをとっておくと、必要事項を記入するのに便利です。会社からの源泉徴収票を添付して申告します。

親を扶養に入れた時の所得税や住民税

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親を扶養に入れた時には所得税や住民税は具体的にはどのくらい控除されるのでしょうか。扶養控除の額は、親の年齢や同居か別居かによっても異なります。基本的な税金の控除額は親の年齢が70歳を境に下表のようになっています。

被扶養者70歳未満70歳以上で同居70歳以上で別居
所得税控除額38万円58万円48万円
住民税控除額33万円45万円38万円

納税額はどのくらい安くなるか

納税額は年収や家族構成、親の年齢などで変わります。一般的な家庭の場合として、会社員で妻は専業主婦、15歳以下の子供が1人で親を扶養している時の年間の減税額をみてみましょう。

社会保険料率を14%、生命保険控除を6万円として計算した場合を下表に示します。いろいろな条件によって一概には言えませんが、親を扶養に入れることによって年間5万円以上の節税になるでしょう。

年収所得税率70歳未満70歳以上で同居70歳以上で別居
500万円未満5%52,00074,00062,000
500万~700万円未満10%71,000103,00086,000
700万~1160万円未満20%109,000161,000134,000
1160万~1420万円未満23%120,400178,400148,000

扶養の条件を確認しよう

親の扶養に入っている場合の年金・控除方法と義務・条件

親の扶養に入る、あるいは親を扶養に入れることによって、税法上の節税メリットや健康保険上の保険料負担の軽減などのメリットがでてきます。

扶養に入る、あるいは扶養に入れるには親や自分の年収などに条件があります。特に別居している時は仕送りの金額などにも条件が発生してきます。

親の扶養に入る、あるいは親を扶養に入れることでいろいろなメリットがありますが、デメリットはほとんどありません。扶養の条件などを確認して親の扶養について検討することをおすすめします。

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