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2017年11月07日

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

会計をする上で重要なことの一つがいかに法人税の支払いを少なくするかです。そのための方法として損金算入というものがあります。しかし損金算入という言葉だけを聞いてもどのようなものかパッと思い浮かべるのは難しいでしょう。そこで今回はこの損金算入について説明します。

知らないと確実に損!?損金算入とは?

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

損金算入って何?

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

一般的に、取引や事業によって得た収益からその取引や事業にかかった費用を差し引いたのが利益となります。かかる費用が大きいほど利益は少なくなりますし、利益が少ないほどかかる法人税も少なくなります。何を費用にして何を費用にしないかの判断は、企業によって違います。

そうなると、企業ごとに納める法人税に差が出てしまいます。税金を徴収する国家はこうした不公平をできるだけ避けたいと考えます。そこで、法人税法で企業が計上した費用としているものを「損金」として、法律の規定で認めることとしました。この損金を費用として計算に入れることを「損金算入」といいます。

損金算入のメリット・デメリットは?

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

損金算入は、企業側から見れば損金として認められれば法人税が少なくなりますし、一方で法人税法からすれば各企業から公平に法人税を徴収することができるので、両者にとってメリットはあれどデメリットはありません。まさに、両者「Win-Winの関係」であると言えます。

損金算入限度額とは?

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

企業がその年の事業年度において寄附金を支出した場合、法人税法の定める一定の額を限度として寄附した額を損金として認めることができます。これを、損金算入限度額といいます。法人税法上の寄付金は大きく4つに分かれます。

1.国または地方公共団体に対する寄附金:主に公立の学校に対する寄付金や災害時に日本赤十字社などに対しての寄附金のことを指します。

2.財務大臣が指定した寄附金:広く一般に募集される赤い羽根募金や国宝の修復などの教育・科学の振興、文化の向上のための支出の中で、より緊急性の高いものに充てられる寄附金のことを指します。

3.特定公益増進法人に対する寄附金:教育または科学の振興、文化の向上や社会福祉への貢献に非常に大きく関わるような団体(日本赤十字社など)にたいする寄附金のことを指します。1との違いは、災害のないときでもこうした団体に寄附をしているということです。

4.一般の寄附金:例えば、神社やお祭りに対する寄附や政治団体への寄附がこれにあたります。

なお、損金算入限度額は1~3への寄附金の方が4に対する寄附金より大きくなります。

交際費も損金算入できる?

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

交際費として損金算入できるもの

損金算入できるものとして認められているのは、取引先・得意先(になる見込みがある者も含む)への接待でかかる飲食費(接待飲食費)です。飲食費として該当するものは下記のとおりです。

・取引先・得意先を従業員が接待した場合の飲食に関わる費用(その接待に関わるサービス料、テーブルチャージ料など)
・取引先・得意先を接待するために使用した場所などに支払う費用
・取引先・得意先を接待した後にその飲食店から持ち帰る品物(お土産など)の費用
・取引先・得意先が行う業務や開催するイベントなどにその中の食事として企業が提供した費用など

交際費として損金算入できないもの

交際費として損金算入できないものは下記のとおりです。

・接待による飲食費でもその接待の参加者一人につきかかる費用が5,000円以下だった場合:この場合は、交際費ではなく会議費などで損金算入することができます。

・ゴルフや旅行などのときの飲食で支払う費用:これは、主な目的がゴルフや旅行であるため、このときかかる飲食費は法人税法上は催事にかかる費用として考えられ損金算入することができません。

・取引先・得意先の送迎で支払う費用:たとえ取引先・得意先を飲食店へ送迎ために費用を払ったとしても、この費用は「送迎」が目的となるので交際費として損金算入することができません。

・贈答物として詰め合わせた飲食の費用など:飲食物を贈答品として詰め合わせた時にかかる費用は、交際費として損金算入することができません。

この他に、取引先・得意先が接待の費用を支払う法人の関係者(役員、従業員、その親族など)だった場合は「社内飲食費」となり、交際費として損金算入することができません。

交際費が損金算入として認められるには

損金算入に該当する交際費については、会計帳簿やそれに関する書類に以下のことを記録します。

・その接待があった年月日
・参加した取引先・得意先の氏名や名称と接待側との関係
・接待にかかる飲食の支払金額と支払先(お店など)の名称と所在地
・かかった費用が飲食費であることを示すためのメモ(領収書など)など

これらを記録しておかなければ、損金算入が認められない可能性が高いです。また、中小企業(中小法人)である場合は、交際費を損金算入するのとは別に、年間800万円を定額控除限度額として損金算入することもできます。

その他 損金算入できないもの

・同族会社と役員との取引:同族会社とは、経営陣のほとんどが親族で占められているような会社のことをいいます。

この会社とその役員個人とが法人税を不当に安くすることを目的として行う取引(例:社長が所有している不動産を会社が相場よりも異常に高く賃料を払って借りている)については、その取引自体が無いものとされ損金算入することができません。このことを「同族会社の行為計算否認」と言います。

役員の給与も損金になる?

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

損金算入できる役員報酬

役員報酬は、その報酬額のうち不当に高額な金額の部分を除いて、下記の3つのいずれかに当てはまるものについて損金算入することができます。

定期同額給与

定期的に同額で支給される給与(一般的な給料)です。この場合、特別な手続きは必要ありませんが、その給与を決定したときの記録がなければ損金算入として認められません。役員の給与は株主総会や取締役会で決議されます。したがって、その時の株主総会議事録または取締役会議事録を保管しておく必要があります。

事前確定届出給与

所定の時期に確定した額を支払う給与です。「事前」とあるのは、事前に税務署に届出をした給与ということです。税務署に事前の届出をしなければ、当然これは認められず損金算入することができません。具体的には、その事業年度中に役員報酬を変更する場合や、一時に役員報酬を支払う場合がこれに当たります。

注意点として、届け出た文書に記載した報酬の額が1円でも違ったり、実際の支払日が記載された日付と1日でもズレていたりすると損金算入が認められません。

利益連動給与

利益に関する指標を基礎として算定し、支給する給与のことで法律上の所定の要件があります。主に、上場企業でこの給与方式が採用されています。こちらも特別な手続きは必要ありませんが以下のような条件があります。

1.他の役員も同じ利益に関する指標を基礎として給与が算定されていること
2.その年の事業年度の始まりの日を含む会計期間開始日から3ヶ月を経過する日までに報酬決定の手続きを経ていること
3.上記の手続き終了後にその内容がすぐに一定の方法で開示されていること
4.その事業年度の利益に関する指標の数値が確定した後1ヶ月以内に決定した報酬が支払われること、またはその見込みがあること
5.費用または損失として経理していること
上記の条件を満たしていないと損金算入することが認められません。

より賢く節税するために

損金算入とは?メリットとデメリット・限度額・交際費

損金算入という制度は節税をする上で必要不可欠です。しかし、今回見てきたように色々条件がや仕組みが細かく定められてます。これは、そもそも法人税法はいかに法人から税金を取るかというのが主な目的なので、節税については難しくしているところもあります。

また、節税の損金算入以外にも節税の方法はありますが、それらもやはり細かい条件や複雑な仕組みなどがあり手続きも多くあります。

そのため、こうした難しい仕組みから逃げずに根気よく付き合っていくことが、税金を安くする一番の方法とも言えます。少しでも会社の法人税を安くして、会計において社内で一目置かれる存在になっていきましょう。

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