刑務官の年収は高卒と大卒で違う?仕事内容や平均年収もあわせて紹介
更新日:2024年08月26日
みなさんは、刑務官という仕事にどんな印象をお持ちでしょうか。
犯罪者の監房を監視する、という仕事の内容をイメージする方がほとんどでしょう。そうした仕事の内容から、どうしてもネガティブなイメージがつきまとう職業でもあります。
この記事では、刑務官の仕事内容や勤務体系、平均年収などの情報を詳しく紹介していきます。
本記事を読むことで、なかなか知る機会のない刑務官という仕事についてさまざまな情報を手軽に得ることができます。
就活や転職で悩んでいる方はもちろん、刑務官という仕事にネガティブなイメージを持っている方にはぜひ読んでいただきたい内容です。この記事を読んで、刑務官という仕事への理解を深めてみましょう。
刑務官とは
刑務官という仕事にあまりなじみのない方は多いことでしょう。映画やドラマ、本などの作品の情報しかなく、その実態はそれらの作品からイメージするくらいしかできない方がほとんどではないでしょうか。
ここからは、刑務官という仕事の基本情報を紹介していきたいと思います。雇用形態や勤務形態など、巷ではなかなか得られない情報ですので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。
なおこれらの情報は一般的なものであり、勤務地や個人の能力などによってある程度の個人差があることをご了承ください。
基本的には終身雇用である
刑務官は国家公務員です。したがって、基本的には解雇されることのない終身雇用が適用されています。安定しているという点では非常に魅力的な仕事であると言えるでしょう。
また刑務官は「行政職」ではなく、警察官や海上保安官などと同じく「公安職」です。公安職とは治安の維持に従事する職種を指します。そのため、行政職の職員よりも給与は高めに設定されています。給与については後述しますので参考にしてください。
刑務官という仕事にあまり関心がない方でも、上記のような待遇の点については魅力を感じていただけるのではないでしょうか。もちろん楽な仕事ではないことは確かですが、それはどの仕事においても同じでしょう。
転勤もある
刑務官は国家公務員ですので、基本的には転勤が発生します。
国家公務員だから、と言ってしまえばそれまでですが、実用的な面としては看守などの同僚や収容されている受刑者との馴れ合いを防ぐことが理由です。
治安を司る仕事ですので、当然感情的な判断を下すことは許されません。常に受刑者に公平に接することが求められるため、定期的に転勤が発生することはやむを得ないでしょう。
また若手の刑務官の場合、他の施設で勤務させることによってスキルアップを図るという狙いもあります。ひと口に刑務所や拘置所と言っても、当然勤務地によって勤務の形態や業務に違いが出てきます。さまざまな場所で勤務させることによって、より広範な業務に柔軟に対応できるように育成するのです。
転勤について否定的な捉え方をする方もいらっしゃるかもしれませんが、刑務官としてより長く、健全に職務を遂行していくためには必要な要素と言えるでしょう。そもそも、転勤は刑務官に限らず、民間企業でもキャリアアップを目的として存在しています。
転勤までの年数は本人の階級や他の施設の欠員状況によっても変わりますが、一般的には3~5年程度と言われています。国家公務員としての職務を全うするためには仕方のないこと、として受け入れる必要があるでしょう。
秘匿性が非常に高い仕事
刑務官という仕事の特徴の1つとして、「秘匿性の高さ」が挙げられます。「秘匿性」という言葉にピンと来ない方も、「守秘義務」と言い換えればわかりやすいかもしれません。
言うまでもなく、刑務官は受刑者の生活のいっさいを監督します。その中で、受刑者に関するさまざまな情報などを管理することになります。
受刑者に限ったことではありませんが、人を管理・監督する立場として、業務における全ての情報を外部に漏洩しないよう努めなければなりません。
また、自身が刑務官であることも公表することはできません。犯罪を犯した人の管理を行っていることもあり、刑務官であることを周りに知られてしまうリスクは想像に難くないでしょう。
秘匿性が求められる仕事は他にもありますが、刑務官という仕事における秘匿性の重要さはその中でもかなり高いと言えるでしょう。このような厳密さは人によってはストレスにもなり得るので、ある程度の適性が求められる部分です。
SNSなどの発達もあり、情報の伝播効率は以前とは比較になりません。また犯罪者の情報を扱うということは、国家機密を扱っていると言っても過言ではありません。刑務官という仕事において、秘匿性は要となる要素でしょう。
刑務官の仕事内容
ここからは刑務官の一般的な仕事内容について、解説していきます。
刑務官は刑務所及び少年刑務所、拘置所などに配置されます。収容者の生活を監督することはもちろん、生活指導や職業訓練を行うことも刑務官の仕事です。
拘置所は警察や検察に逮捕されて身柄を勾留されている人や刑事裁判の判決を待つ人などが収容される施設です。刑務官は収容者を監視するとともに、施設の警備も担当します。
また、施設での事務作業も刑務官の仕事です。日誌や報告書の記入、受刑者や収容者への郵便物の検閲も刑務官が行います。
刑務所は交代勤務ではあるものの、24時間刑務官が常駐しています。そのため、収容者の管理だけではなく、施設管理に関するさまざまな雑務も刑務官がこなさなければなりません。仕事の内容が多岐にわたるため、総合的な運営能力が求められます。
刑務官の一般的な勤務体系は?
先述した通り、刑務所は24時間体制です。当然、どの時間帯においても刑務官が常駐し業務にあたっています。
ここからは、刑務官の一般的な勤務体系について詳しく解説していきます。勤務体系は職業を選ぶ決め手にもなりますので、気になる方も多いのではないでしょうか。
あくまで一般的なケースのため施設によって違いがある可能性もあります。また刑務官はなり手が少なく、人手不足の施設が多いとも言われています。ただ公務員ですので、そこまで常識を逸脱した働き方をすることはありませんし、福利厚生も整っています。
たとえば休日は基本的に週休2日制です。もちろん刑務所は365日稼働しているので、土日や祝日に決まって休むわけではありません。一般的な仕事に比べると休日が異なるため、土日祝日や年末年始など、決まった日に休みたい方には合わないかもしれません。
他にも有給休暇は認められていますし、結婚・出産・慶弔などの特別な休暇制度も存在します。他の職業に比べると急な休みは取りにくいかもしれませんが、年間での勤務日数が多いわけでは決してなく、待遇はしっかり保証されているので安心しましょう。
昼間勤務と昼夜間勤務がある
刑務官の勤務体系は、一般的には「昼間勤務」と「昼夜間勤務」の2種類が存在します。
「昼間勤務」とは朝の7時から夕方の17時までの勤務を指します。当然10時間働き続けるわけではありません。2時間の休憩時間がありますし、それ以外にも短い休憩時間があるので、実質的な労働時間は8時間です。
「昼夜間勤務」は24時間勤務することを指し、たとえば朝の7時から翌日の朝7時まで、という勤務体系となります。昼間勤務に夜勤が追加されている、ということです。もちろん仮眠休憩などがとれるようになっておりますので、24時間連続で働くことはありません。
一般的な職業と比べると、やはり夜勤があることが特徴的でしょう。刑務官として働く以上、夜勤は避けられません。この点においては向き不向きがあるので慎重に検討しましょう。
また上述の昼間勤務・昼夜間勤務のどちらにおいても、休憩時間はあるものの外出は不可能です。拘束時間が長い、ということも他の職業と比べるとデメリットと言えるかもしれません。
したがって、実質的な勤務時間としては他の職業とそこまで変わらないものの、仕事の特性上、拘束時間は長くなってしまうと考えていいでしょう。その点は刑務官を目指す上での判断基準の1つと言えます。
刑務官の平均年収
初回公開日:2022年11月01日
記載されている内容は2022年11月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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